WBC 松坂→ダルの必勝リレーで決勝切符もぎ取る!

松坂&ダルで米国撃破だ!22日(日本時間23日)に行われるワールド・ベースボール・クラシック(WBC)の準決勝・米国戦で、ダルビッシュ有投手(22)が中継ぎとして待機することになった。まさに1戦必勝の“甲子園方式”で、当初は23日(同24日)の決勝戦に登板予定だった日本球界のエースが、日本人メジャーリーガーのエースとの豪華リレーで決勝切符をもぎ取る。また決勝は岩隈久志投手(27)が先発する。

 決戦の地ドジャースタジアム。松坂、ダルビッシュら投手陣は一面緑の外野芝生上でキャッチボールを行った。3・20、3年前に世界一を決めた記念日の練習はリラックスした雰囲気だった。

 「お疲れさまでした」。その言葉だけでベンチ裏に消えた松坂に対し、ダルビッシュは原監督、山田投手コーチらと長時間にわたって話し合った。中継ぎ待機。3年前“誤審”で敗れた因縁の米国戦、勝敗を左右する重要な局面が背番号11に託されることになった。

 「山田さんと(いつ登板するか)ある程度の話はしました。決勝の先発?違いますね、多分」

 ダルビッシュは準決勝でブルペン待機することを示唆した。前回登板は17日の韓国戦で、5回85球。仮に日本代表の試合が21日に組み込まれていれば、大会規則により中3日での登板はかなわなかった。だが19日の韓国戦に快勝し、2次ラウンドを1位で突破。準決勝が22日になったことで中4日でマウンドに上がることが可能になった。首脳陣から練習中に告げられると、ダルビッシュは力強くうなずいた。

 松坂―ダルビッシュの“鉄板”リレー。原監督は練習後「ここからは甲子園だ」と負けたら終わりの1戦必勝態勢で臨むと宣言した。「準決勝に勝たなければ決勝はないわけだから」。まずは目前の試合に全精力を傾ける。当初は決勝戦での先発を予定していたダルビッシュを前倒しする形になったのも、その思いが強いゆえだ。

 練習に先立つ公式会見では、準決勝の先発について「相手がもし、同時に言おうというならそれに応える」とジョンソン監督にメッセージ。米国がオズワルト先発を発表すると、それを受け「松坂です」と明かした。かつて指揮官は「松坂は日本人メジャーリーガーのエース。ダルビッシュは日本のエース」と評した。日米両エースがバトンをつなぐ。そして準決勝を突破すれば、決勝には安定感抜群の岩隈が先発。さらに準決勝の球数次第ではダルビッシュの連投も可能になる。先発3本柱を最大限に活用した、連覇への青写真だ。

 「ここにいられるだけでうれしいし、ここまできたらブルペンも絶対に重要な役割。あと1回負けたら終わりなんで。とにかく最後までいられるようにしたい」とダルビッシュ。昨夏の北京五輪ではエースとしての働きができず星野監督の信頼を失うと、米国との3位決定戦では大敗の9回に登板するシーンもあった。国際舞台に弱いというレッテルを張られてから約7カ月後、今度は中継ぎの切り札としてLAの地で輝く。