ITネズミ講、600人から2億円…会社社長ら逮捕

福岡県警は10日、大学生らを対象に「ネズミ講」を開設したとして、インターネット関連会社「サイバークラブ」(大阪市)の社長久米猛容疑者(37)ら5人を無限連鎖講防止法違反の疑いで逮捕した。

 捜査関係者によると、同社は今年1月まで「クリエイチャー」の名称で営業。久米容疑者らは、2007年8月〜08年6月の間、大学生ら約200人に「インターネットに掲載する広告を扱う代理店を運営しないか」と持ちかけ、加盟金の名目で、1人当たり約30万円を入金させ、計約6000万円を集めた。その際、「新会員を紹介すれば、1人につき2万円を報酬として支払う」などと勧誘した疑い。

 約30万円が支払えない学生に対しては、身分や年収を偽って消費者金融から借金して金を工面するよう指示したケースもあるという。

 被害は、福岡や兵庫など西日本地区の大学生に集中。県警は、久米容疑者らが05年以降、約600人から計約2億円を集めていたとみている。

 県警は08年6月、代理店契約を巡り、内容を記した書面を交付しなかったとして、同社事務所など10か所を特定商取引法違反(書面不交付)容疑で捜索。その後の捜査でネズミ講を開設していた疑いが浮上した。