愛子 荷物運搬会社ストでスキー用具行方不明

20091218-00000016-maip-spo-view-000 金メダル候補が思わぬトラブルに巻き込まれた。バンクーバー五輪代表の上村愛子(30=北野建設)らフリースタイルスキー・モーグルの強化指定選手が18日、遠征先の欧州から成田空港に到着。だが、帰国便のフィンランド航空が委託する荷物運搬会社のストの影響で荷物が届かないトラブルが発生。スキー板などが日本に届くメドはついておらず、今後の調整に影響が出る可能性も出てきた。

 上村にとっては命の次に大事とも言えるスキー用具が、行方不明になってしまった。フィンランド・ヘルシンキ空港でモーグル日本勢が預けたはずの荷物が、現地の荷物運輸会社の行ったストの影響でロストバゲッジに。スキー板、ブーツなどスキー用具一式を含む荷物が届かなかった上村は「どこにあるか分からないと(空港職員から)言われた。全部大事なものです…」とポツリ。日本勢が利用したフィンランド航空の成田空港支店は「普通、荷物が遅れる場合は(運輸会社から)報告があるが、連絡が全く来ない。最悪のケースとして1週間以上かかってしまうこともあり得る」と説明した。

 4年に1度の大舞台が残り約1カ月半に迫っている選手にとっては死活問題だ。既に五輪代表に内定している上村は、11日の今季W杯開幕戦(フィンランド・スオム)で2位に入るなど仕上がりは順調で、今後は五輪前最後の遠征となる北米でのW杯に向けて1月4日に出発予定。特にブーツは上村個人の足型に合わせた特注品だけに、このまま用具が届かないとなると国内での調整に大きな影響が出る。モーグル代表の高野弥寸志ヘッドコーチは「今後はスキーの感覚を維持していく必要がある。2、3日であれば大丈夫だが1週間以上となれば大問題」と最悪の事態を想定した。

 上村は国内での調整拠点となる長野・白馬村まで荷物を届けてもらうように申請。「今後は、すぐにでも雪に乗りたいと思っています。スキーのために年末もクリスマスも過ごします」と練習へのモチベーションは高いだけに、無事に荷物が届くことを願うしかない。