鳩山さんとツーショット…ポスター「どうしよう」

20100603-00000632-yom-pol-view-000鳩山首相の退陣表明から一夜明けた3日、民主党内では、今夏の参院選マニフェストの表紙変更や、「鳩山ポスター」の取り扱いについての検討が始まった。

 鳩山内閣の閣僚らは「今日が最後の仕事になるかも」「残念だ」などと戸惑いをにじませた。

 東京・永田町の民主党本部ではこの日午前9時から、目前に迫った参院選に向け、「マニフェスト企画委員会」が開かれた。あいさつに立った仙谷国家戦略相は「青天の霹靂(へきれき)のような政局になった」と率直な思いを吐露。高嶋良充筆頭副幹事長も「マニフェストの表紙が替わる事態になったが、週明けにはまとめたい」と話した。

 民主党千葉県連では、参院選用に3000枚近く鳩山首相と立候補予定者が並んで写るポスターを張り出していた。県連代表の生方幸夫衆院議員(62)は「公示まで時間がない中でどうしようか」と頭を抱える。議員会館の自室にも、昨夏の衆院選で使った鳩山首相とのツーショットのポスターを今も張っており、退陣を受けてはがすつもりという。

 鳩山首相とともに小沢一郎・民主党幹事長(68)も辞任することで、「幹事長代行」の退任が決まった輿石東参院議員(74)。甲府市内の輿石議員の事務所では、3日朝から、スタッフが総出で後援会入会カードなどの印刷物に向き合い、「幹事長代行」の肩書をペンで塗りつぶす作業に追われた。

 配布を続けると公職選挙法に抵触する恐れがあり、事務所幹部は「ポスターなどをすべて作り直すか、文言だけを消すかはこれから考える」と話す。

 閣僚らも、今回の辞任劇に複雑な思いを見せた。午前10時から都内で開かれた中央教育審議会に姿を見せた川端文部科学相は、あいさつの中で、「早ければ、あす午後にも新内閣が発足する」と前置きした上で、「驚きとご心配、ご迷惑をかけたと思いますが、『教育が重要な政策である』という民主党の理念は内閣が替わっても変わらない。今日が最後の仕事になるかもしれないが、実りある議論を賜りたい」と語った。

 「やっぱり残念」と表情を曇らせたのは、長妻厚生労働相。午前9時前、都内の自宅前で読売新聞の取材に応じ、「官僚政治、役所文化を変えるには一定の時間がかかるので、もう少し時間がないと、(国民に)変わるという実感は示せない」と振り返った。