2年連続、全都道府県で下落=三大都市圏は下げ幅縮小―地方厳しさ続く・基準地価

国土交通省が21日発表した7月1日時点の基準地価(都道府県地価)は、全国平均で住宅地、商業地ともに前年より下落した。住宅地は3.4%で19年連続、商業地は4.6%で3年連続となる。三大都市圏では下げ幅が縮小したが、2年連続で全都道府県で下落しており、景気低迷を受けた不動産市況の厳しさが全国的に続いている実態が鮮明になった。

 調査対象は、2万2701地点。このうち、継続地点で地価が上昇したのは、名古屋市緑区や川崎市中原区など27地点。一方、下落したのは2万1457地点で、2008年9月のリーマンショックに伴って急速に市況が悪化した前年とほぼ同水準だった。

 東京、大阪、名古屋の三大都市圏の下落率は、住宅地が2.9%(前年5.6%)、商業地が4.2%(同8.2%)でいずれも前回からほぼ半減した。同省は住宅地での下落幅縮小の理由として、「住宅ローン減税などの政策効果に加え、マンション購入に値ごろ感が出たことが主因」と分析。商業地については、「一部地域で不動産投資の動きが回復したため」とみている。

 一方、地方圏の下落率は、住宅地が3.6%(前年3.4%)、商業地が4.8%(同4.9%)。人口減少や中心市街地の衰退の影響で、下げ止まりの兆しが見られなかった。そうした中、仙台市や福岡市などは地下鉄の整備や、新幹線開業などを控え、下落幅が縮小した。