日航パイロット、退職強要の禁止申し立て

会社更生手続き中の日本航空のパイロットなどで組織する日本航空乗員組合は4日、会社側が実施中の早期退職者の募集にからみ、白紙の勤務スケジュールを渡すなどで、退職を強要しているとして、東京地裁に退職強要禁止の仮処分申し立てを行った。機長、副機長87人も同様の申し立てを行っている。

 組合側は「退職を迫る面談ばかりを繰り返すなど、違法な状態が続いている」と会社側を非難。とくに、パイロットは定期的に乗務できないと、各種の免許や資格が失効する可能性があり、「白紙のスケジュール提示は人格権の侵害にあたる」と指摘している。

 日本航空は再建計画のなかで、1500人規模の人員削減を進めており、9月から10月22日まで希望退職の募集を行ったが、計画に届かなかった。このため、機長や副機長など運行乗務員130人、客室乗務員140人、合計270人の希望退職を再募集している。募集期限は9日までだが、計画達成は厳しい状況となっている。