家族3人殺害で死刑求刑=動機の認定焦点−裁判員裁判・宮崎地裁

生後5カ月の長男と妻ら家族3人を殺害したとして、殺人などの罪に問われた無職奥本章寛被告(22)の裁判員裁判は25日午後も、宮崎地裁(高原正良裁判長)で続き、検察側が死刑を求刑した。弁護側の最終弁論を経て結審する。

 奥本被告は起訴内容を認めているが、量刑判断に影響する事件の動機について検察側と弁護側の主張が対立。裁判員がどう認定するかが焦点だ。判決は来月7日に言い渡される。

 検察側は論告で動機について、奥本被告が自由気ままに遊べない不自由な生活と義母の叱責(しっせき)などから、家族が邪魔になったと考えたとし、「身勝手極まりない」と非難。「犯行態様も計画的で冷酷だ」と述べた。

 弁護側はこれまでの公判で、奥本被告が自分や両親に関し、たびたび義母からののしられ、精神的に追い詰められたことが原因と主張している。

 起訴状によると、奥本被告は3月、宮崎市の自宅で、長男雄登ちゃんと妻くみ子さん=当時(24)=、義母池上貴子さん=同(50)=を殺害。雄登ちゃんの遺体を近くの資材置き場に遺棄したとされる。