遺体未発見でも死亡保険金…被災者に特例措置

生命保険各社は、東日本巨大地震で被災して行方がわからず、死亡したとみられる場合、死亡保険金を支払う方針を固めた。

 行方不明者は1万6000人超に上っており、遺体が見つからないケースも予想されるためだ。生保業界は、死亡診断書などがなくても保険金の支払いに応じる異例の措置をとり、残された被災者らの生活再建を支援する考えだ。

 具体的には、地震や津波での被災が確実視され、公的機関が事実上、死亡を認定する証明書があれば、戸籍の抹消を待たずに死亡保険金を支払う方針だ。死亡保険金の支払いには、通常、病院で発行される死亡診断書などの書類が必要になる。しかし、生保各社は被災者の事情を考慮する必要があると判断した。

 1995年の阪神大震災では、生保会社による保険金の支払総額は483億円だったが、今回はこれを大幅に上回り、過去最大規模になる見通しだ。

 また、生命保険協会は、契約者の名前や生年月日などの個人情報がわかれば加入の有無を照会できる「被災者契約照会制度(仮称)」を4月にも創設する。