住宅全壊、ローンは? 敷金は? =法律Q&A、ネットに掲載―「阪神」の教訓生かし

東日本大震災の被害拡大を受け、近畿6府県の弁護士会で構成する近畿弁護士会連合会は、1995年1月の阪神大震災の際に作成した書籍「地震に伴う法律問題Q&A」の全文をインターネット上で公開した。同連合会は「津波や原発被害は盛り込まれていないが、被災者や、被災地で活動する弁護士らの役に立てば」としている。
 「Q&A」によると、地震で家屋が全壊した場合、借家人は敷金(保証金)の返還を請求できるが、全額返還請求が可能かどうかは、滞納家賃や特約の有無で異なる。借家の一部損傷の場合は、地震などの不可抗力による場合でも、家主には原則修繕義務があるが、損傷の程度が大きい場合は修繕義務はないとされる。
 一方、全壊した家のローンは引き続き支払わなければならない。阪神大震災の時と同様、深刻な課題となりそうだ。
 阪神大震災の際の法律相談のマニュアルを書籍化した「Q&A」は、計289の一問一答形式で、95年3月に出版。今回、法律関連の雑誌と書籍を発行する「商事法務」のホームページに掲載された。無料で全文を閲覧できる。アドレスはhttp://www.shojihomu.co.jp/。