成田空港、2012年度に民営化後初の最終赤字へ 震災影響大きく経常損益も

成田国際空港会社の森中小三郎社長は、11日に会見し、2012年3月期の業績予想について、経常、最終損益とも04年の民営化以降、初めて赤字に転落する見通しであることを明らかにした。東日本大震災と東京電力福島第1原発事故が影を落とすとみており、森中社長は「今まで以上に危機意識をもって対処していく」と述べた。

 12年3月期の見通しは、経常損益が6億円の赤字(前期は234億円)、最終損益が32億円の赤字(同99億円の黒字)となると予想。売上高は前期比14%減の1616億円、営業利益は同76・3%減の76億円を見込む。同社は震災などの影響で旅客数が同約650万人減少するとみており、これが大きく響く。

 この日発表した11年3月期連結決算は、11年4〜9月期に国際線の新規就航があったことなどから売上高が同4・5%増の1878億円、営業利益は同50・1%増の320億円など、増収増益だった。

 また森中社長は、集計中の11年のゴールデンウイーク期間(4月28日〜5月8日)の成田空港の利用者が、1年前に比べ20〜30%減となる見通しを示した。当初は48%減と見込んでいた。震災などの影響で観光の自粛ムードが広がっていたが「間際の予約が増えた」(森中社長)という。