松田翔太、金髪オールバックでバイオレンスな役柄に挑戦!暴力の連鎖が渦巻く世界に生きる在日2世を熱演

20110518-00000003-flix-000-0-view俳優・松田翔太が、グ・スーヨン監督のデビュー小説を原作にした映画『ハードロマンチッカー』で主演を務めることが明らかになった。本作のオファーを受けた松田は、自身のアイデアだという髪を渋い金色に染め上げたオールバック姿で撮影に臨むという気合の入りよう。父・松田優作の出生地である下関を舞台に、バイオレンスな世界を生きる魅力的な在日韓国人2世の「グー」を演じている。

 半自伝的な小説デビュー作を原作に、グ・スーヨン監督自らメガホンを取る本作の舞台は、イキのいい方言が飛び交う山口県下関市。松田が演じるのは、在日韓国人2世で高校中退のフリーター、そして日常的に行き場のない暴力と向き合っている主人公・グーだ。4月末にクランクインした撮影は、現在も下関と小倉でオールロケ中。松田は、東映が配給を務める本作について「東映の映画だからこそ、表現できる何かがあると思っています」とコメントしており、初タッグとなるスーヨン監督についても、「グ・スーヨン監督の世界観に飛び込んで毎日を楽しんでいます。完成を楽しみにしていてください」と来春の公開に期待を持たせた。

 暴力やセックス、チンケでありながらディープな愛と憎しみにあふれた世界を生きる主人公グーの姿は、スタンリー・キューブリック監督の映画『時計じかけのオレンジ』でマルコム・マクダウェルが演じたアレックスにも通じるところがある。刹那(せつな)的な暴力の連鎖に巻き込まれながらもたくましく行きていくグーの周囲にいるのは、仲間や高校の先輩後輩、顔なじみの暴力団員、ホステス、刑事。それらを永山絢斗、芦名星、真木よう子、中村獅童、真木蔵人、渡部篤郎といった面々が演じており、スーヨン監督でなければ実現しなかった夢のキャスティングとなっている。

 2003年の監督デビュー映画『偶然にも最悪な少年』でも自身の小説を映像化しているスーヨン監督。同作も本作同様、監督の分身といえる在日韓国人の少年を主人公にした作品だった。本作も、スーヨン監督の下関出身、在日韓国人2世という出自がきっかけとなった作品であることは疑いもないが、劇中でよりフィーチャーされているのは激しい暴力の数々だ。いっそ打ちのめされてしまった方が楽になれるのではないかというほどバイオレンスな世界を生き抜く青年の姿を描いた『ハードロマンチッカー』は今年9月に完成予定。全国公開は来年を予定している。

映画『ハードロマンチッカー』は2012年来春全国公開予定