資本増強へ基準厳格化=欧州銀の連鎖破綻防止策―EU

欧州連合(EU)欧州委員会のバローゾ委員長は12日、ユーロ圏債務危機の波及で欧州の銀行が連鎖破綻に陥るのを防ぐため、銀行の健全性を測る目安として、これまでよりも大幅に厳しい自己資本の基準を採用する提案を公表した。
 基準を満たしていない銀行は「資本不足」とみなし、資本増強を断行。金融システム上重要なユーロ圏内の大手行などで問題が見つかれば、欧州金融安定化基金(EFSF)を活用した公的資金の注入も辞さない構えで、多くの欧州銀が資本増強を迫られそうだ。
 欧州の91行を対象に財務状況を調べた夏前のストレステスト(特別検査)では不合格が8行にとどまり、このほど経営が行き詰まったフランス・ベルギー系金融大手デクシアも合格していた。EU各国はギリシャ危機の再燃で状況が悪化したとして各行の再点検を急いでおり、早ければ来週にも暫定結果がまとまる見通し。合否判定は、この結果に基づいて改めて行われる。