75円63銭で介入指示=昨秋の円売り、異例の言及―安住財務相

安住淳財務相は10日の衆院予算委員会で、政府・日銀が昨年10月31日、歴史的な円高の進行を阻止するために実施した円売り・ドル買いの市場介入について「(1ドル=)75円63銭で(介入を)指示し、78円20銭でやめた」と明言した。西村康稔氏(自民)への答弁。財務相が、介入の具体的水準を明かすのは異例だ。
 自動車・電機など輸出企業の収益悪化をはじめ、日本経済に深刻な影響を及ぼす円高を放置しない意思を、市場参加者に明確に伝えることを狙った発言とみられる。
 財務相は、介入で円高に歯止めがかかったとして「効果はあった」と指摘。今後については「必要であれば断固たる措置を取らせていただく」と述べ、欧米の通貨当局の協力が得られなくても、状況に応じて単独介入を辞さない姿勢を強調した。