テレビ不振…BDレコーダーも下落“底なし” 価格以外に差別化できず

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ブルーレイディスク(BD)レコーダーの出荷が激減している。価格下落も止まらず、今年に入って4万円を割り込むケースも出た。BDレコーダーがDVDに代わる媒体として本格的に普及したのはわずか2〜3年前。そのBDレコーダーが早くもテレビと同様に価格競争の荒波にさらされている格好だ。

BDレコーダーの販売はテレビの需要に左右されるだけに、電機各社にとってテレビ事業と歩調を合わせた事業立て直しが急務になっている。

 「週末でも客足は鈍い。テレビ販売そのものが不調なだけに、(周辺機器の)BDレコーダー需要に期待していたが、それも不発気味だ」

 閑散とした都内の家電量販店のテレビ売り場で、担当者はこう肩を落とす。電子情報技術産業協会(JEITA)によると、BDレコーダーの国内出荷台数は、70万台以上だった昨年12月に比べ、年明けは月20万台前後と激減している。

 需要減に伴い、レコーダー全体の単価下落も深刻だ。昨年1〜2月に平均5万円台だった価格は、1年後の今年1月には4万円を割り込んだ。年末年始商戦を終え、現在は4万円前後で推移しているが、調査会社のBCNの道越一郎アナリストは「BDが各家庭に行きわたり、価格以外に差別化が難しくなっている」と指摘する。

 昨年末から3月末にかけて、東芝やパナソニック、シャープなど、大手各社が相次いで新製品を発売。家庭内のネットワークと接続し、スマートフォン(高機能携帯電話)やタブレット端末と連動して、映像を見ることができる機種も登場した。予約録画していない番組やスポーツ中継を記録しておき、さかのぼって視聴できる機能など、各メーカーは差別化を図るが、価格下落に歯止めをかけるにはいたっていない。

 「レコーダーは、家庭内サーバーとしてさまざまな映像コンテンツを保存して楽しめる機器となる可能性を持っている。しかし、十分に満足できる機能をもった製品があるとはいえない」と道越アナリストは話す。

 レコーダーはテレビとの連動が鍵となっており、パナソニック、シャープ、東芝、ソニー4社のシェアが9割に上る寡占市場。これらの電機大手にとって、テレビの周辺機器であるレコーダー需要の喚起にはテレビの復活も欠かせない。