袴田事件 「一致DNA認められず」 検察側の鑑定結果で

1966年に静岡県清水市(現静岡市清水区)で起きた強盗殺人「袴田事件」の第2次再審請求で、検察側推薦の鑑定人が行ったDNA型鑑定結果が16日、公表された。証拠の衣類に付着し袴田巌(はかまだ・いわお)死刑囚(76)のものとされた血痕と、袴田死刑囚本人とのDNA型について「完全に一致するDNAは認められなかった」とした。弁護団が明らかにした。弁護側推薦鑑定人は既に「不一致」と鑑定している。

 確定判決は5点の衣類に袴田死刑囚と被害者の血痕が付着しているとして、袴田死刑囚が犯行時に着用していたと断定した。しかし、袴田死刑囚は「自分のものではない」と主張、無実を訴えてきた。

 鑑定対象は、袴田死刑囚の着衣とされた白半袖シャツ。事件当時の鑑定では「右肩部分の血痕が袴田死刑囚と同じB型」とされたが、今回の検察側推薦の鑑定人は、袴田死刑囚の血痕ではなかった可能性が高いことを認めたことになる。

 一方、5点の衣類のうち、下着に付着し誰のものか分からないとされてきた「血痕様の部分」について、検察側推薦の鑑定人は「袴田死刑囚に由来するとして排除できない」とした。

 昨年12月、弁護側推薦の鑑定人は、5点の衣類に付着し被害者のものとされた血痕が、被害者のDNAと不一致だったと鑑定。検察側推薦の鑑定人は「一部一致の可能性」を指摘した。