がんの要因は過剰鉄分か=ヒトと同様の染色体変化―名古屋大

実験用ラットに鉄分を投与し腎臓がんを発症させ、染色体が変化する様子を調べたところ、ヒトのがんと共通する特徴があることが判明したと、名古屋大の豊国伸哉教授らの研究グループが発表した。研究成果は29日付の米科学誌プロスワンに掲載された。
 豊国教授らは、ラットの腹に特殊な鉄分を過剰に投与し腎臓がんを発症させた後、ラットのがん細胞から染色体を抽出するなどして解析。ヒトの腎臓がんの染色体と比較したところ、似た位置に欠損や増加などの変化が見られたという。
 豊国教授は「ヒトのがんも、主に過剰な鉄分によって引き起こされている可能性がある。がんが発生する原理の解明に貢献できるかもしれない」と話している。