JRA 騎手の送迎タクシー代で無駄遣い…検査院指摘

日本中央競馬会(JRA)で騎手の送迎用タクシーに規定外の無駄遣いがある一方、騎手や調教師向けの宿舎では駐車場を無料で貸していたとして、会計検査院は15日、JRAに改善を求めた。10、11年度でタクシー代は3600万円の節減、駐車場代は9800万円の徴収ができたとしている。
 JRAは滋賀県栗東(りっとう)市と茨城県美浦(みほ)村にトレーニングセンター(トレセン)を所有。賞金レースの性質上、レース前にトレセン内の調整ルームにいた場合に騎手は他者との接触防止のため競馬場までのタクシー利用が可能と規定されているが、競技最終日に競馬場からタクシーでトレセンに戻る騎手が続出。規定のない地方競馬場の大会でもタクシー利用が目立った。

 検査院によると、2年間の騎手のタクシー利用代は8600万円(運行3861台)。このうち約4割の3600万円(1615台分)は規定外の不適切な利用だった。中には栗東トレセンから金沢競馬場(金沢市)まで6万5000円で利用したケースもあった。

 また、JRAは両トレセンの敷地内に独身寮571戸、世帯用宿舎2004戸を所有し、騎手や調教師、厩舎(きゅうしゃ)従業員に貸している。しかし、車の所有者が同敷地内で利用する駐車場(1700台分)については無料だった。検査院は2年間で9800万円徴収できたとしている。

 JRAは「騎手のタクシー利用は公正な競馬の施行と騎手の安全のために必要で、駐車代は宿舎の家賃代に含まれるという主張が受け入れられず残念。検査院の指摘は真摯(しんし)に受け止め今後協議したい」としている。