安心できる超特急 N700A試乗会、「定速走行」を実演
東海道新幹線に8日デビューする5年半ぶりの新型車両「N700A」の試乗列車が1日、東京−新大阪間に運行された。走行中の運転席を報道各社に公開し、ダイヤが乱れた際に遅れを取り戻す新機能「定速走行装置」を実演した。同装置は、スピードを自動的に維持する新開発のシステム。前の列車との間隔を守りつつ高速で走ることで、遅れを回復しやすくする。試乗列車で運転士が同装置のボタンを押すと、自動列車制御装置(ATC)に従い加速した。
安全面では、地震などに備え、ブレーキをかけてから止まるまでの距離を1999年に登場した700系よりも2割短縮した。
開発を担当したJR東海新幹線鉄道事業本部の坂上啓・車両部車両課長は「安定輸送を向上させ、安心して乗っていただける車両にした」と説明した。
車内は、防音性の高い床材を用い、より快適に。グリーン車の全席や普通車の窓側にコンセントを設け、近年の利用者のニーズにも応えた。消費電力は700系より19%少ない。
N700Aは2013年度までに13編成が投入され、700系を置き換える。製造費は1編成(16両)で約49億円と、2007年に登場したN700系より3億円高いという。