ソフトバンク、イー・アクセスのLTEサービスを21日から開始

20130321-00000103-reut-000-4-viewソフトバンク<9984.T>は21日、1月1日付で完全子会社化したイー・アクセスの高速通信「LTE」のサービスを同日から開始すると発表した。

ソフトバンクのLTE網と合わせて「ダブルLTE」の名称で、対応端末はiPhone(アイフォーン)5、iPadmini(アイパッドミニ)・iPad(アイパッド)の3機種からスタートする。

ソフトバンクはLTE向けに2.1ギガ(ギガは10億)ヘルツ帯の周波数を使っているが、イー・アクセスの1.7ギガヘルツ帯の電波も同日から提供する。1.7ギガヘルツ帯は米アップル<AAPL.O>がアイフォーン5の世界標準電波に指定しており、アイフォーンユーザーの電波の混雑解消を図る。

1.7ギガヘルツ帯が使える「ダブルLTE」のサービスエリアは当初、東京都内のJR池袋駅周辺からサービスを開始。今後、都市部を中心に順次、拡大していく。ダブルLTEに対応する基地局は、2014年3月末には3.8万局になる予定。

当初は、アイフォーン5など3機種から始めるが、今後も1.7ギガヘルツ帯に対応した端末を発売していく予定。ただ、ダブルLTEは、日米欧の通信会社が採用する「FDD―LTE」方式。これまで同社のアンドロイド端末は「TD─LTE」と呼ばれる方式に互換する「AXGP」と呼ぶ高速通信サービスに対応させている。ダブルLTEの対応機種は増やすが、今後もTD―LTE方式を採用するスマホとのすみ分けは続けていく方針。

スマホのデータがつながりにくくなる要因として、端末のアンテナバーが立ちながらも混雑していることによる「パケ詰まり」の現象が指摘されている。記者会見した孫正義社長は、イー・アクセスとのダブルLTE化は混雑を解消してパケ詰まりを回避できると強調。その上で「イー・アクセスの買収は絶大な効果があった」と指摘した。