「自殺」改め「自死」…島根県文書、遺族に配慮

島根県は自殺対策総合計画の名称を「自死対策総合計画」に改め、4月から市町村への文書でも「自死」という語句を使うことを決めた。

 自殺という言葉のイメージを嫌う遺族が多いため。内閣府などによると、行政文書で「自殺」を「自死」に統一する自治体は全国で初めてという。

 計画は県の自殺防止策の基本方針を示し、2012年度末が改定の時期。遺族から「自殺の言葉には自分を殺した人というイメージがあり、死者の尊厳も守れない」との声が寄せられ、表現を改めることにした。

 パンフレットや通知文、県の資料などで「自死」と記載。県は「新しい表現で遺族への偏見をなくし、自死予防を進めたい」としている。

 全国自死遺族連絡会(仙台市)の田中幸子代表(64)は「画期的だ。各地の遺族団体が要望しており、大きな一歩。他の自治体にも広がってほしい」と話した。