2009年03月05日

469.判決(控訴審)

上告が棄却されたので、二審の控訴審判決が確定判決となった。
判決のことを書く場合、法律に触れなければならない。私は素人なので法律のことは書きにくいが、とりあえず自分のことは棚に上げて書いていくことにする。ただ、このブログではコメントで有用な指摘が沢山あったし、コメント内で重要な議論もあった。個人情報保護法に関しては、このブログは結構レベルが高いのではないかと密かに思っている。

この判決は「スクエニは5万円払え」が結論であるが、金を払うには当然理由があり、長文の理由文が書かれている。
事実認定には、やや突っ込みの甘さが見られるが、刑事裁判でないのである程度は仕方がない。事実全体としては証拠を基にした堅実な判断だと思う。
理由文は、大きく二つの部分からなっている。一つは個人情報保護法における各種義務違反に関する判断と、もう一つはスクエニのシステム運営に関する判断だ。
個人情報保護法に関する部分は、非常に教科書的な感じで、これ以降の裁判の良い判断ベースになるのではないかと思う。裁判長も判例の基礎となるような気で判決を書いたのかもしれない。システム運営者にケッコウ厳しいが、個人情報システムを構築する良い指針となるだろう。
スクエニのシステム運営に関する部分では、スクエニのことをボロクソに言っている。スクエニが何か悪い心証を裁判長に与えたのだろう。

・個人情報保護法における判断

1.正確性確保義務
判断の前提を、正確性とし、その理由を不正確による不利益が個人情報本人に及ばないためとした。これは一見当たり前のことだが、素晴らしい判断だ。この部分だけでもこの判決は値打ちがあるし、私はこの判決に関与できて誇らしい。事業者は正確性確保義務を、引越しした場合の住所変更の場合とか、限定的に解釈しようとするが、これからはそれでは通らない。

2.削除義務
削除要求から2ヵ月後の削除を、違法とした。遅滞なく削除しなければならない。

3.通知義務
削除したことを通知するのには、単に「適切に処置した」という通知では不十分とした。削除方法、削除内容も通知する必要があるのだ。

4.調査義務
この判決で特筆すべきは、調査義務を広く解釈していることだ。

この判決の解釈として、事業者に正確性を確保するための努力、特に自助努力を求めていると解することが出来る。個人情報保護法は正確性の確保を求めているが、抜け道が沢山あり、あいまいな点が多かった。この判決では、事業者の勝手なシステムで、正確性の確保義務が免責されるものでないとしているし、削除や通知においては事業者に自発的な調査も求めている。怪しい個人情報は調べなければならない。

事業者は、個人情報の取扱においては正確性を前提とし、自発的な調査もしなければならないのだ。スクエニは、怪しい個人情報による入会者に対しては、自発的に調査をして、しかるべき適切な措置をとるべき義務を負わされたと言っていいだろう。POLには怪しい氏名や住所がいっぱいありそうだ。調査しろ。



yoshy2k7 at 12:16│Comments(0)clip!まとめ 

この記事にコメントする

名前:
URL:
  情報を記憶: 評価: 顔