まとめ

2009年04月03日

474.裁判評価

・裁判結果

良い判決が得られたが、時間がかかってしまった。時間がかかったのは裁判制度の問題もあるが、スクエニの引き延ばし作戦の影響が大きいと思う。スクエニが書面を真面目に提出し、和解交渉を無駄に使わなかったらもっと早く終わっていただろう。
個人情報保護法での運営側有利の悪い判断が出ることを恐れていたが、判決では正確性確保義務をベースとした個人にとってよい判断をしてもらえた。

・スクエニの態度

スクエニはすべて司法制度内での勝負で、それ以外のチャンネルは一切使わなかったし、最初はわりと正直な態度で、引き延ばし作戦以外では悪い印象はなかった。最後の上告理由書で悪質な嘘を書いたのでガッカリした。
一般的に裁判の引き延ばし作戦は相手の疲弊を狙っているのだろう。私の場合、裁判の最大の目的は「変なはがき」の送付をやめさせることで、これは裁判提訴と同時に実現してしまった。ある意味で目的を達成した裁判を続けていたようなものなので、疲弊することはなかった。あとは趣味みたいなもので、何とか勝って金を取ってやろうと裁判を続けていた。
スクエニの裁判戦術は、何を目的としていたのかよくわからない。引き延ばし作戦は理解できるが、勝訴を目的として裁判をしていたとは思えない。勝訴を目指すには裁判所提出書類がデタラメすぎた。スクエニは何も考えずに裁判をしていたのではないかな。訴えられたから仕方なく裁判をしていたように感じる。判決が確定しても金を払おうとしなかったのは現実感がなかったからだろう。

・裁判評価

裁判は初めての経験で非常に興味深かったし面白かった。裁判経過は予想したものと違っていたが、裁判結果はほぼ予想通り、あるいはそれ以上だった。裁判を経験したといえるほどの経験はしなかったが、裁判に参加したことには間違いない。
裁判では厳密な法律的判断だけではなく、常識的判断の役割が大きいことも分かった。逆にいえば法律に関係なく、常識的におかしいことは裁判をしてもよいということだろう。
なんでもそうだが、やってみなければ分からないことが多い。裁判などは遠い存在だったが、実際には身近な優れた制度であることが分かった。法廷内では個人だろうが法人だろうが、貧乏人だろうが大企業だろうが、みな同じ存在だ。冤罪などがあり裁判所も何かと評判が悪いが、民事訴訟に関しては十分信頼できる存在だと思う。


まだ残された大きな問題があり、その問題を指摘してこのブログを終わろうと思っている。



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2009年03月22日

473.上告審

二審(地裁)で負けたスクエニは上告した。

上告審は一審、二審とはゼンゼン違っていた。
上告審は90%以上が不受理、棄却となり、法廷が開かれることはほとんどない。上告するほうは書面を提出するが、上告されるほうは何もしなくてよい。私もなにも書面を出さなかった、ただ判決を聞いただけだ。
上告審はあんまり意味のない制度で、判決が変ることはほとんどなく、確定判決を遅らせる時間稼ぎの意味しかない。日本の裁判は三審制と言われているが実質は二審制ではないかな。
スクエニが上告したので判決確定が半年遅れてしまった。

・スクエニは何のために上告したのだろうか。

時間稼ぎには成功しているが、本気で勝訴を目指して上告したとは思えない。
スクエニは裁判の素人ではないので上告審の性質はよく分っていただろうし、逆転勝訴はほぼ不可能なことも知っていただろう。
不思議なのはスクエニが出した上告理由書だ。
上告理由書は、一見すると長文の力作だが、よく読むとウソ八百でなぜこんな書面を出したのか意味不明だ。本気で勝訴を目指すなら法律判断、法律解釈のみを書くはずなのに、事実関係を沢山書いている。その事実関係がウソだらけだった。確かめにくい部分はウソを書いてもばれないだろうが、すぐばれるミエミエのウソが書かれていた。
上告審で事実関係を書いてもしかたがないし、裁判所提出書類にウソを書くと問題が多いと思うのになぜウソを書くのかよく分らない。裁判所提出書類は公開されているもので、法定保存期間内であれば日本政府が責任を持って保存する。スクエニのウソは長期間書面で残るのだ、書面の回収は不可能だし、いまさら書いた覚えがないとも言えない。

・最悪のウソ

こんなことが書かれていた。スクエニが公式アナウンスを出していないかぎり、この内容を今現在のスクエニ公式見解と判断してよいだろう。

「上告人において、かかる被上告人に関する情報を第三者に公開していたものではなく、被上告人以外に閲覧することばできないような状態になっていたものである。」

これは事実関係における重要な部分でのウソで、最低最悪な信じられないウソだ。

・代理人弁護士

スクエニが何故ウソを書くのか理解不能だが、代理人弁護士もおかしいと思う。スクエニに騙されてウソを書いたのなら能力不足だし、自らの意思でウソを書いたのなら倫理感不足だ。資格を持った弁護士ならもっと誇り高く仕事をすべきだろう。

ただ、他の裁判ブログを見てもウソの問題は想像以上に多く、ウソの主張やウソの証言に関する記述もよく見られる。もしかしたら民事裁判はウソだらけなのかも知れないが、せっかくの裁判制度なのだから正直な態度で臨むのがよいのではないかと思う。



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2009年03月16日

472.判決(控訴審)

・スクエニのシステム運営に関する判断

3.再入会禁止措置

スクエニは再入会禁止措置は困難であると主張したが、判決では再入会禁止措置は不可能とはいえないとした。
判決にはこう書かれた。
「被控訴人法務・知的財産部長××××も,原審において,入会登録禁止措置を取るのは困難である旨証言しており(甲14),-----再入会禁止措置を講じるためにはシステム及び人的体制の構築に膨大な時間と費用がかかり,実効性にも問題があるから,このような措置を強いられる理由はないと主張している。しかしながら,被控訴人は,規約違反行為者の強制退会措置や会員資格の一時停止処分を行っていること(甲9)-----------特定名義の者に対しては入会手続を行わず,当該名義人に対して入会通知証を送付しないようなシステムを作成すること,又はそのような対処をする人的体制等を取ることは不可能とはいえない」

裁判長は機械的システムの検証をするのではなく、証言と証拠を基に実証主義的に判決を書いていて、わざわざ証言者の実名まで書いてある。

(甲14号証)はスクエニの証言で以下の内容だ。

【スクエニ】    あのー、ほんとにまあ、なりすましをどうやって防ぐかというのは、カ・・・としては認識してはいるということですね。ただ、ここにも書きましたけど、うまくぴったり、完全にきれいにできるようなものがなかなかない。先ほど、司法委員の方からもありましたけれども、氏名と住所だけだと、どうしてもこの、いろんな問題が出てきちゃう。同姓同名とかですね、・・・(聞き取れず)し、じゃあどんどん個人情報をたくさん集めていけばいいのかというと、また今度は漏れが出てくるという問題もある。それから機械でどの程度、その曖昧な部分を認識できるかというような話も出てきますし、たとえばマンションの部屋番号がある、なしとかですね。そのへんをどうするかという話もありますし、なかなか実効性のあるものが・・・(聞き取れず)。
  結局、オールオアナッシングなので、「うちがなりすましを防ぐ手段を取っています」と言えないようなものでやったとして、結局、漏れがあると、それはそれでまた・・・な話にもなりますし、ということでちょっとまあ、頭の痛い……。もちろん、人が……(笑)。
【裁判官】     実際には、そういう措置は今のところは取っていないということですね。
【スクエニ】     今のところは取れていない。

(甲9号証)はスクエニのプレイオンラインサイトの一般情報で「規約違反行為者への一斉対処について」だ。再入会BANの件数が書かれている。

・以前にRMTへの関与や不正行為により強制退会となった会員による再入会
5月23日(水) 約950件
  (tp://www.playonline.com/ff11/polnews/news10419.shtml)


インターネットサイトが直ちに証拠価値があるとは思わなかったが、スクエニが一審でサイト情報を証拠に使っていたので、私もサイト情報を試しに証拠に使ってみた。スクエニが毎月発表している一斉対処のBAN情報だ。見事に証拠に採用してくれた。証拠採用してもらえると思っていなかったので1月分しか出さなかったが、こんなことならもっと沢山出しておけばよかった。


4.過失判断

過失の有無に関し、判決ではこう書かれた。
「入会通知証を郵送する前に,なりすまし入会であると推定できる特定名義の者に対しては入会手続を行わず,当該名義人に対して入会通知証を送付しないようなシステムを作成すること,又はそのような対処をする人的体制等を取ることは不可能とはいえないところ,-----------被控訴人は,本件サービスによって利益を得ているにもかかわらず,なりすまし入会の対策を事前に何ら講じずに,事後においても被害者に手間を掛けさせることによって入会登録が継続することによる被害が拡大することを防止すれば足りるとするものであり,------------業者の自己都合に終始する極めて不適切な主張や対応といわざるを得ないものであるから,被控訴人の上記主張は採用できない。
したがって,被控訴人が,控訴人に対し,入会通知証ないしイ鯀付した行為や,その後の被控訴人の対応は違法であり,不法行為が成立する」

最後はボロクソだ。
裁判長は、スクエニの再入会禁止措置は不可能との主張を、証拠に基いて認めなかった。スクエニの逃げ道をスクエニ発表情報で塞いだといえる。もともとスクエニには自己矛盾があった。再入会禁止措置は不可能といいながら、規約等では違反行為者の再入会は認めないとしていた。スクエニを信じるなら内部機械システムと対外的な発表に齟齬があったといえる。裁判では機械システムには触れずに、対外的な発表からスクエニは再入会禁止措置を現実に行っているではないかと判断した。

自己矛盾は身を滅ぼすので整合性が必要だ。スクエニは上告理由書で整合性を取ろうとしたが手遅れだった。



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2009年03月12日

471.判決(控訴審)

・スクエニのシステム運営に関する判断

2.信義則上の義務

判決にこう書かれた。
「なりすすし入会であると判明した場合には,その被害を受け,通報等した者が,再度同様の被害を受ける事態が発生することを防止するために適切な措置を取って対処すべき信義則上の注意義務が発生するというべきである。」
「住所,名前等で特定できる控訴人名による再度の入会申込みがあったとしても,なりすまし入会であると判断し,入会の手続をしない措置を取るべき信義則上の義務が生じていると解すべきである。」

信義則は民法の条文の最初に書かれていることで、相互に相手方の信頼を裏切らないよう行動すべきであるという法原則だ。法律家には常識なんだろうが、素人には分りにくい。法律にはこう書かれている。

 民法第1条2項
   権利の行使及び義務の履行は、信義に従い誠実に行わなければならない。

裁判所は技術的な解釈は得意でないので、スクエニ機械システムには深く入りこまないで信義則をもとに判断した。同じ被害者が、何度もなりすまし被害を受けることは防がなければならないということであり、2通目のなりすまし通知証ハガキを送るなということだ。それは機械的システムで困難であろうがなかろうが関係ないことだとしている。裁判長が公開法廷で言っていた「2通目はなんとかしろ」がこの判決の文章になったのだろう。

同じ被害者に何度も「変なはがき」を送ってはいけない。それは信義則上の義務に反し不法行為が成立するのだ。システム運営者は気をつけなければならないことだが、普通の会社では同じ被害者に何度も「変なはがき」を送らないだろうし、問題が起これば即座に改善努力するだろう。同じ被害者に何度も「変なはがき」を送り続けるのはスクエニ固有の問題かもしれない。
判決が言っているのは、スクエニは金儲けするなら真面目にやれと言うことだ。


なりすまし防止に関して、判決ではこう書かれた。
「なりすまし入会自体を防止するための適切な措置を講じておくことが望ましく」

このあたりはアイマイで、やや判決に不満があるが、機械的システム、認証システムに関係してくるので、技術的な背景や社会システムとも関連する。この裁判だけでは「なりすまし入会防止」の基準を定めるのは無理だった。
私自身は、なりすまし防止の手法は多数あると思っているし、コストもそんなにかからないと考えている。入会確認電話をかけるだけでもよいし、仮パスワードシステムでもよい。完全になりすましを防ぐのは難しいが、少しの努力で大幅に被害を減らすことは出来る。

コメントに書いてもらったが、スクエニが新しくワンタイムパスを導入をするそうだ。パス発生器を郵送し、ワンタイムパス必須にすればなりすましは激減しC国人RMT業者を排除できるだろう。
実際は有料で希望者のみにパス発生器を配布するようなので、このワンタイムパスシステムでなりすまし防止効果はなさそうだ。大幅に遅れた垢ハック対策という感じがする。



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2009年03月08日

470.判決(控訴審)

この判決のスクエニのシステム運営に関する部分は、個人情報保護法から離れ、文体もノビノビしているように感じる。スクエニのシステム運営といっても、オンラインシステムやコンピュータシステムに限定した判断ではなく、一般的な商業サービス運営者としての判断だ。

・スクエニのシステム運営に関する判断

1.他にも大量に被害者がいることを判断ベースとした。

判決にこう書かれた。
「本件サービスにおけるなりすまし入会が月10件から数十件発生し,その事実を被控訴人も把握していると認められる」

数千件のなりすまし入会があることを裁判所は認識し、この事実を基礎に判断してくれた。これは予期せぬ、想像以上の素晴らしい成果だ。
私は書面で繰り返し多数の被害者の存在を書いたし、なりすまし入会数に関するスクエニ証人発言を書面中に転載もしたが、正直なところ、他の被害者のことを判決文に書いてもらうのは無理かなと考えていた。

ところが、実際の判決では、他の被害者のことを書いてくれた。しかもシステム運営に関する部分の冒頭に書いてくれた。
この裁判は慰謝料請求裁判で、私に対する慰謝料を払うかどうか、いくら払うかを決める裁判で、特に他の被害者を取り上げなくても裁判は成立ったはずなのに、わざわざ他の被害者のことを取り上げてくれた。私は、嬉しいだけでなく、何があったのだろうかとチョット不思議な気持ちだった。

今は、こういうことではないかと考えている。

裁判長は公開法廷では、「個別に考える」と言っていたので、その時点では他の被害者のことを取り上げる気はなかっただろう。
公開法廷後に長く続いた和解交渉で何かがあったのだ。一つはスクエニが悪い心証を裁判長に与えたのだろうが、それ以外にも注目すべき出来事があった。

具体的な他の被害者の存在(また来たよ様のケース)

私は和解交渉で、他に被害者がいること、その人に15通も通知証ハガキが来た、20通以上も来たと、実況中継の如く裁判長に伝えていた。裁判長は「そうですか」というだけで反応はイマイチだった。裁判長の前でスクエニに対し「これはどういうことだ」と言ったこともある。その時も裁判長は特に反応しなかった。
裁判長とスクエニの和解交渉の中で、他の被害者のことも話し合われたのではないかな。どんな話をしたのかは分らないが、スクエニはなりすましを防ぐのは不可能との主張をしていた。裁判長からすれば、数千件の規模に達するスクエニのなりすまし問題は社会的に看過できない問題と認識したのかもしれない。

要するにスクエニは裁判所を舐めたのではないか。裁判所を試したと言ってもよいかもしれない。裁判所からすれば、慰謝料請求訴訟が起っているにもかかわらず、それと同じ被害、あるいはより大規模な被害が併行して起っていることになる。
裁判長には舐めるないい加減にしろという気持ちがあり、他の被害者のことを判決文に書いたのではないかな。

一般社会はヴァナ・ディールではない。現実社会の司法制度は尊重すべきものだ。裁判所を舐めてはいけない。



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2009年03月05日

469.判決(控訴審)

上告が棄却されたので、二審の控訴審判決が確定判決となった。
判決のことを書く場合、法律に触れなければならない。私は素人なので法律のことは書きにくいが、とりあえず自分のことは棚に上げて書いていくことにする。ただ、このブログではコメントで有用な指摘が沢山あったし、コメント内で重要な議論もあった。個人情報保護法に関しては、このブログは結構レベルが高いのではないかと密かに思っている。

この判決は「スクエニは5万円払え」が結論であるが、金を払うには当然理由があり、長文の理由文が書かれている。
事実認定には、やや突っ込みの甘さが見られるが、刑事裁判でないのである程度は仕方がない。事実全体としては証拠を基にした堅実な判断だと思う。
理由文は、大きく二つの部分からなっている。一つは個人情報保護法における各種義務違反に関する判断と、もう一つはスクエニのシステム運営に関する判断だ。
個人情報保護法に関する部分は、非常に教科書的な感じで、これ以降の裁判の良い判断ベースになるのではないかと思う。裁判長も判例の基礎となるような気で判決を書いたのかもしれない。システム運営者にケッコウ厳しいが、個人情報システムを構築する良い指針となるだろう。
スクエニのシステム運営に関する部分では、スクエニのことをボロクソに言っている。スクエニが何か悪い心証を裁判長に与えたのだろう。

・個人情報保護法における判断

1.正確性確保義務
判断の前提を、正確性とし、その理由を不正確による不利益が個人情報本人に及ばないためとした。これは一見当たり前のことだが、素晴らしい判断だ。この部分だけでもこの判決は値打ちがあるし、私はこの判決に関与できて誇らしい。事業者は正確性確保義務を、引越しした場合の住所変更の場合とか、限定的に解釈しようとするが、これからはそれでは通らない。

2.削除義務
削除要求から2ヵ月後の削除を、違法とした。遅滞なく削除しなければならない。

3.通知義務
削除したことを通知するのには、単に「適切に処置した」という通知では不十分とした。削除方法、削除内容も通知する必要があるのだ。

4.調査義務
この判決で特筆すべきは、調査義務を広く解釈していることだ。

この判決の解釈として、事業者に正確性を確保するための努力、特に自助努力を求めていると解することが出来る。個人情報保護法は正確性の確保を求めているが、抜け道が沢山あり、あいまいな点が多かった。この判決では、事業者の勝手なシステムで、正確性の確保義務が免責されるものでないとしているし、削除や通知においては事業者に自発的な調査も求めている。怪しい個人情報は調べなければならない。

事業者は、個人情報の取扱においては正確性を前提とし、自発的な調査もしなければならないのだ。スクエニは、怪しい個人情報による入会者に対しては、自発的に調査をして、しかるべき適切な措置をとるべき義務を負わされたと言っていいだろう。POLには怪しい氏名や住所がいっぱいありそうだ。調査しろ。



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2009年03月01日

467.和解交渉とブログ

裁判では、一審からブログのことが話題になった。私はブログと裁判は全くの別物と考えていたので、ブログの話題が出たときには少し驚いた。裁判をしながらブログを書いている人が多数いて、裁判ブログが無数に存在するので、裁判所はブログに慣れているのだと思う。

当たり前のことだが、公開法廷のことをブログに書いてもあまり問題にはならない。問題は和解交渉とブログで、なかなか難しい問題があると思う。和解交渉が始まった時、最初は気にせずなんでも書いてやれと思っていたが、裁判長に注意して書いたほうがいいんではないかと言われてしまった。相手のある交渉なので、交渉途中は書かないほうがよいだろうということだった。それからは注意して書くようにした。
スクエニは和解の交渉内容も、和解結果もすべて書かれたくなかったようだ。交渉の結果、和解文自体は公表してよいことになったが、肝心の和解そのものが成立しなかった。
スクエニが出した和解文には、交渉内容を秘密にすることと、秘密を漏らしたら金を払えという文面も入っていた。「さらに」の入らない和解文では、私は秘密保持義務のみを負わされたことになる。逆にスクエニは新たに何もしなくてよくて、交渉内容の秘密を保てたことになる。交渉内容といっても、私はたいした交渉はできなかったし、スクエニ側の交渉内容は知らないのだが。

和解交渉で、スクエニはブログのことを何度も言っていたようで、裁判長も気にしていた。
こんな会話があった。

裁判長「ブログにどんなことを書いているのか」
私  「和解交渉では書くことがあまりないので、何分かかったか時間を書いている」

裁判長は笑っていた。裁判長が笑ったのはこの時だけだ。

スクエニはブログに書かれるのを嫌がっていたようだ。交渉ごとで勝つためには、相手の嫌がることをするのが鉄則だ。裁判においてブログはケッコウ効果のある手段だと思う。他の裁判ブログでは、実名、写真入りのものまであって、大丈夫かなと思ってしまう。

民事訴訟は、関係者以外で傍聴する人などほとんどいないので、傍聴人がいない法廷が普通だ。私は時間待ちに、何度か短時間傍聴したが、ボソボソと地味に裁判している感じだ。たまに活気のある裁判もあったが、基本的に内容が分らないので、傍聴しても面白くないしついていけない。
裁判の公開原則からいえば、ブログの果たす役割は想像以上に大きいのではないかと思う。一方の当事者からのものなので、中立ではないことに注意しなければならないが。



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2009年02月25日

465.裁判経過和解

スクエニは2008/6/2の和解交渉で
「なりすまし防止の為努力してきた、今後も努力する」
と言う内容の和解案を出してきた。この内容では今までどおりでよく、新たに何もしなくてもよいことになってしまう。裁判長もこの和解案文で済ます気はなかったようで、文言をどう修正するか考えていた。私は以下のように「さらに」を付加するのがよいのではないかと提案した。
「なりすまし防止の為努力してきた、今後さらに努力する」
裁判長はスクエニにこの内容で検討しろといって、次回の和解期日が設定された。
なんとなく和解でまとまりそうな雰囲気だった。私は、こんな内容で和解したらブログのコメント欄にボロクソに書かれるなと違う心配をしていた。

最後となる2008/6/18の和解交渉は今までと違っていた。
スクエニ側はいつもは2人だが、この日は3人来ていた。一人はスクエニ社員(法務部員?)だった。裁判長との交渉途中で外に出てきて3人でなにやら相談していたが、社員はいなくなり、残った二人がさらに裁判長と話していた。裁判長とスクエニは計1時間半くらい話していた。

スクエニと入れ違いに、私が呼ばれて部屋に入ったが、私が裁判長と話したのは以下の通りで、数分で終わった。
裁判長「さらにをいれることはできないそうです。」
私  「ア、そうですか。」

ただちにスクエニが呼ばれて、判決となることを言渡された。参加者全員が狭い部屋に立って裁判長から判決の段取りを聞いていた。何ともいえない雰囲気で、私は徒労感を感じた。

スクエニ、私の順に裁判長と話していたので、形式的には私が和解を拒否したことになるが、実質的にはスクエニが「さらに」を入れないことで和解を拒否したのだ。

この日の和解交渉が運命の分かれ道だった。

スクエニは「今後さらに努力する」の文言を受け入れれば和解できたのに、そうしなかった。和解案として「今後さらに努力する」はそう強い表現ではなく、どちらかと言えばスクエニに有利な文言だ。スクエニが判決を選択したと言ってよいだろう。単なる時間稼ぎに和解交渉を利用したとするなら相当問題だが、スクエニは和解する気はあったと思う。最後に突然態度が変わったと見るのが正しいだろう。

・だれが判断したのか?
和解を蹴っ飛ばして判決を選ぶ判断は、スクエニ社員がしたのだと思う。和解交渉に来ていたスクエニ社員が判断したのか、もっと上位の社員に判断を仰いだのかは知らないが、スクエニ社員が判断したとみて間違いないだろう。

・なぜ判決を選んだのか?
当然、勝訴すると信じたのだろう。敗訴すると考えたら和解を受け入れただろう。スクエニは最後の和解交渉で長い時間裁判長と話していたが、「さらに」を入れろと裁判長から相当強く言われたはずだ。その場にいたスクエニ社員は判決になっても勝訴すると感じるものなのか疑問があるが。和解交渉全体としてはスクエニ有利に進行していたので、判決になっても勝訴すると事前に判断していたのかもしれない。

裁判経過を客観的に見れば、スクエニは馬鹿じゃないかとしか思えないが、何らかの根拠があってスクエニは判決を選んだのだろう。たぶん個人情報保護法の各種義務規定の解釈を甘く考えていたのだと思う。



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2009年02月23日

464.裁判経過ο族

裁判は和解交渉に移行したが、最初は裁判長も1、2回で終わらせる気だったようだ。ところが、スクエニが驚異のネバリ腰を発揮して長期間の和解交渉となった。計7回の和解期日があり、2008年2月から6月まで半年近くかかった。

和解交渉の大半はスクエニと裁判長の話し合いで、ほとんどの時間、私は廊下で座って待っていた。私はうまく和解交渉に入っていけなかった。どう主張すればよいのかよく分らなかった。部外者みたいな感じだった。

いくつか主張したが、あっさり跳ね返されてしまった。こんな感じ。

私  「他にも大勢のなりすましの被害者がいる」
裁判長「ここでは個別に扱う」
私  「そうですか」

私  「システムを工夫すればなりすまし発生そのものを防ぐことが出来る」
裁判長「そんなに多くの内容を扱うことは出来ない」
私  「そうですか」

私がうまく交渉できないので、全体としてスクエニ有利に進んでいるのかなと思っていた。
スクエニが何を主張していたのか分らないが、非常に熱心に長時間の交渉をしていた。スクエニと入れ違いに和解交渉の部屋に入っていくと熱気が残っているように感じた。

スクエニは交渉内容をこう言っている。(上告理由書)
「上告人は同和解期日を通じ一貫して、なりすまし入会の防止のため、入会禁止措置を講じることは不可能であるが、今後とも被上告人(ママ)として何らかの適切な措置を講じるよう努力する旨を述べ、同趣旨を規定した和解条項を締結するよう協議を続けてきた。」

これだけの内容で、あんなに長時間の交渉は出来ないので、他にもイロイロ主張していたのだろう。熱心さを感じたし、よくネバルなと感心していた。金の支払などは論外みたいな感じでどっかに消えてしまった。スクエニはなかなか和解案を出さないので、裁判長は和解交渉を打ち切るのかなと何度も思ったが、スクエニにもう一度検討しろと言って次につながっていった。
まるで無限ループの中にいるようだった。私は部外者みたいな感じなので疲れなかったが、スクエニ側はケッコウ疲れたのではないかな。

・社会正義

私は「裁判とブログ作戦」の目標に社会正義も掲げていたが、あくまで追加のおまけ目標という位置づけだった。ところが社会正義という言葉が和解交渉の中で一度だけ出てきたことがある。

裁判官「あなたには社会正義の気持ちもあるのか」
私  「ア、ハイ、あります」

イキナリ社会正義という言葉が出てきてビックリした。社会正義の気持ちがないとは言えないし、少しだけあるともいえないので「ハイ」と答えるのが精一杯だった。裁判自体は金銭請求の裁判だが、和解交渉の中なら社会正義的な主張の余地も多少あったのかもしれない。
今思い出すと裁判官からのアドバイスだったのだろう。このままだとスクエニ有利で終わってしまうよ、もうちょっとうまく主張しなよと言ってくれたのかもしれない。



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2009年02月21日

463.裁判経過テ鷽

第一回期日 平成19年12月21日

スクエニはまともな答弁書を出さなかった。
裁判長がスクエニにこう言っていた。
「いくらかでも金を払って和解することを考えて、書面は早く出すように」
5分以内に終わった。

第二回期日 平成20年1月25日

スクエニは前日に答弁書を出し、和解案は考えてこなかった。第一回期日に裁判長が言っていたことを軽く無視した感じだ。
裁判長がスクエニにこう言っていた。
「個別に考えてよいから、数万円でも払って和解することを考えるように」
和解交渉に移行することになった。
10分以内に終わった。

スクエニは裁判長が言っていた和解案を考えてくることも書面の早期提出も守らなかった。裁判長は怒るのかなと思ったが、再度和解を勧めただけだった。
他の裁判ブログを見ても、第一回期日に答弁書を出さない被告が沢山いる。裁判戦術として答弁書をすぐに出さないケースが多いようだが、それでは、被告側は相手の様子や裁判長の心証を判断してから答弁書を書けることになり、被告側に有利すぎると思う。
裁判長はそのあたりのことは分っていたようで、裁判における書面の役割の話しをしていた。スクエニに対して書面は早く出すようにと何度も言っていたし、かなり強く言っているなと感じた。それでもスクエニは書面を早く出さなかった。ギリギリの前日に提出した。

スクエニは態度が悪い。一審でも二審でも第一回期日にまともな答弁書を出さなかった。遵法精神に欠ける。裁判所はもっと強く書面提出を命じてもよいのではないかな。

スクエニが出した答弁書は雑な感じで、非常に強気な内容だった。本質的な部分で個人情報保護法の解釈が間違っているだけでなく、一切の過失を認めず、なりすましを発見、防止すべき義務はないとまで書かれている。スクエニ自体は郵便局の立場であり、ただハガキを配達しただけなのだとしている。
なぜこんな答弁書を出したのかスクエニの考えが分らない。
結局二審では、スクエニの主張はこの答弁書だけということになった。



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