小田急電鉄の乗車券(4)西日本旅客鉄道と近畿日本鉄道の乗継割引乗車券

2020年01月05日

小田急電鉄の乗車券(5)

「小田急電鉄の乗車券」第5回は、小田急電鉄株式会社のMSR端末券と鉄道情報システム株式会社のマルス端末券を比較し観察します。
また、タカタカBで過去に幾度か話題にしている、東日本旅客鉄道株式会社の乗継割引運賃相違問題のマルス券を久しぶりに購入してみました。
喜多見⇒宿河原 経由登戸 2020.-1.-1










宿河原⇒喜多見 2020.-1.-2










喜多見⇒宿河原間と宿河原⇒喜多見間の連絡乗車券です。
小田急電鉄と東日本旅客鉄道は、登戸駅を接続駅として連絡運輸を行っています。また、次の区間のおいて、乗継割引乗車券を発売しています。

小田急電鉄成城学園前・読売ランド前間各駅と東日本旅客鉄道久地・中野島間各駅との相互間

乗継割引運賃適用区間の旅客運賃の割引額は、大人10円、小児10円で発売額は次のとおりです。
・130円(喜多見・生田間各駅)+140円(久地・宿河原間各駅)
=270円(小児140円)乗継割引運賃260円(小児130円)
・160円(成城学園前、読売ランド前各駅)+140円(久地・宿河原間各駅)
=300円(小児150円)乗継割引運賃290円(小児140円)
※小田急電鉄160円区間については、千歳船橋、祖師谷ケ大蔵及び百合ケ丘の各駅について、乗継割引運賃が適用されず口座割れします。

なお、割引額の内訳については、小田急電鉄株式会社旅客営業規則第78条の2(乗継割引運賃の計算方)で次のとおり規定されています。
(1)大人乗継割引運賃
ア 前条第1号及び2号は、当社線大人片道普通旅客運賃から10円を差引いた額と他社線の大人片道普通旅客運賃を併算した額とする。
イ 省略
(2)小児乗継割引運賃
ア 前条第1号及び2号は、当社線小児片道普通旅客運賃から10円を差引いた額と他社線の小児片道普通旅客運賃を併算した額とする。
イ 省略

前条第1号及び2号は、次のとおり規定されています。
78条(乗継割引運賃の適用区間)
(1)南新宿〜代々木上原間各駅と東日本旅客鉄道中央本線信濃町〜東中野間、山手線高田馬場〜原宿間各駅相互間
(2)成城学園前〜読売ランド前各駅と東日本旅客鉄道南武線久地〜中野島間各駅相互間
(3)以下、省略
なお、小田急電鉄株式会社は旅客営業規則をWEB公開していませんが、東急電鉄は公開しており、東急電鉄株式会社旅客営業規則第94条の2(乗継割引普通旅客運賃)において、割引額の内訳等が確認することができます。

券面を観察するとMSR券には、乗継割引運賃を示す「乗割」が印字されているのに対し、マルス券は割引を示す印字がありません。
東日本旅客鉄道発足当時の通達「東京地区における連絡普通旅客運賃の乗継割引の実施について」では、「(1)旅客運賃の割引に対する表示は、旅客営業規則第188条(旅客連絡運輸規則83条で準用)第1項二の(ハ)に定める「割引」とする。」と通達されています。
現在は、どのように通達されているか分かりませんが、同じ内容で通達されているならば、券面に手書又は印章で「割引」表示が必要になります。
参考までに自動券売機で発売した連絡乗車券を掲げておきます。
宿河原から登戸⇒小田急線130円 2020.-1.-1





宿河原から登戸⇒成城学園前 2020.-1.-1





券面には、乗継割引運賃を示す「割引」が印字されています。
小田急線130円区間は金額表示、160円区間は区間は口座割れするため、着駅を駅名表示しています。

往 喜多見⇒宿河原 経由登戸 2020.-1.-1










復 宿河原⇒喜多見 経由登戸 2020.-1.-1










往 宿河原⇒喜多見 2020.-1.-2










復 喜多見⇒宿河原 2020.-1.-2










喜多見⇒宿河原間及び宿河原⇒喜多見間の往復乗車券です。
券面の旅客運賃を観察すると小田急電鉄発売が520円、東日本旅客鉄道発売が540円と印字されており発売額が異なります。
東日本旅客鉄道株式社は、他の鉄道事業者と異なり、乗継割引運賃の適用は、片道乗車券に限ると解釈しており、往復又は連続乗車券を発売する場合、割引運賃が適用されず、通常の旅客運賃で発売します。
ちなみに西日本旅客鉄道株式社は、東日本旅客鉄道株式社と解釈が異なり、往復又は連続乗車券の場合も乗継割引を適用した運賃で連絡乗車券を発売します。
なぜ、東日本旅客鉄道株式社が乗継割引運賃適用は片道乗車券に限るとしているのか。
一説によると、これらの連絡乗車券の乗継割引運賃導入については、昭和56年7月に運輸政策審議会から答申された「長期展望に基づく総合的な交通政策の基本方向」において乗継運賃の積極的な導入が提言され、交通行政の政策として、運輸省が各鉄道事業者に導入を推進して実現したものです。
これを受けて、日本国有鉄道は、昭和57年4月20日の運賃改定に際し、帝都高速度交通営団と乗継割引運賃を適用した連絡乗車券の発売を開始しました。
昭和57年4月19日付の日本国有鉄道公示第19号(日本国有鉄道と帝都高速度交通営団との連絡特殊割引乗車券の発売方)及び首都圏本部通達第6号(営団地下鉄との連絡特殊割引乗車券の取扱方等について)
当時は、連絡特殊割引乗車券といいましたが、帝都高速度交通営団と日本国有鉄道との連絡普通乗車券の発売券種が旅客連絡運輸規則の規定により、片道乗車券に限り、往復及び連続乗車券が発売できなかったことから連絡特殊割引乗車券の発売は片道乗車券に限るとの定説が確立し、これが現在まで続いているのではないかと言われています。
現在も東京地下鉄株式会社線と東日本旅客会社線の連絡乗車券は片道の発売に限ります。

昭和59年4月20日からは、西武鉄道株式会社、京王電鉄株式会社、東京急行電鉄株式会社及び京浜急行電鉄株式会社各線とノーラッチ接続の連絡乗車券に対して乗継割引運賃制度を開始(昭和59年4月19日付、首都圏本部通達第6号西武鉄道ほか3社線の連絡普通旅客運賃の乗継割引制度の設定について)し、その後も順次拡大しましたが、最近は鉄道事業者が乗継割引制度に消極的で新規に導入することがないようです。

yosi44125 at 16:17│Comments(0)

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