逆イールドが発生したら、しばらくしたら景気後退に陥る可能性が高くなると言われています。ただ、実際に逆イールドが発生してから景気後退になるまでにはある程度の時間がある事が多かったことから、すぐに慌てる必要がないとしても、ではいつになったら警戒すればいいんだろうか?

そんな事は正確に予測できるものではないけれども、例えば逆イールドをもとに株価が下るタイミングを過去の事例で推測するのであれば、逆イールドが2回発生した後に逆イールドが解消されたぐらいから株価が下る感じでイメージしていると判断しやすいのではないだろうか。

逆イールド2回目(2年債)

逆イールドは、発生すると1度だけではなく、2度3度と繰り返し逆イールドが発生した後に景気後退に陥る事が多いです。なので、1度目の逆イールドではなく、2度目ぐらいの逆イールドを目安に株価の動きをみてみると、こんな感じになります。

リーマンショックで有名な2007年・2008年頃でみてみると、2回目の逆イールドが発生して、その後に逆イールドが解消されたのは、この辺りです。

逆イールド2回目(2007年)

2回目の逆イールドが解消されたあとも株価は上昇していますが、しばらくすると下落し始めたので、2回目の逆イールドが解消された頃に保有株を手放していれば、ダメージをかなり限定することが出来ていたという事になります。


次は、同じように2回目の逆イールドが解消された頃を2000年頃のITバブル崩壊の時の動きでみてみると、こんな感じです。

逆イールド2回目(2000年)

今度は、すでに高値から下落を始めており、ズルズルと落ちていっている状態です。でも、この後にも更にドンドンと下がっていっている事を考えれば、このタイミングで保有株を手放していれば、この時もダメージをかなり限定的にすることが出来ていたことになります。


最後は、1990年の下落の時の状況を2回目の逆イールドが解消された時期を照らし合わせてみてみると次のようになります。

逆イールド2回目(1989年)

この時も、その後しばらくは乱高下することになりますが、結局は下落しているので、2回目の逆イールドが解消された時期に保有株を手放しておくとダメージを限定的にすることが出来ています。


このように、逆イールドが発生して2回目の逆イールドが解消された頃に、一旦保有株をある程度避難させておけば株価下落によるダメージを軽減することが出来る可能性があります。

いわゆるアノマリーみたいなやつですね。

未来を予測する予言の元となる指標や経済理論などは存在しないので、あくまでも過去の事例であり、確率と可能性の問題なのですが、逆イールドが発生した時には警戒した方がいいというのは経験則からすると、なかなか確率が高いものだとは思います。

ただ、毎回精度にバラツキがあり、時期もバラバラなので、こんな感じの事が過去には起こっているんだなという認識のもとで、自分のポートフォリオと相談しながら、今後の戦略を練っていくのがいいのではないかなと思っています。

私はというと、今年は逆イールドになった1回目と2回目が短時間であったとはいえ、数回逆イールドが発生したという事で、早めに避難を開始する事にしています。もちろん、逆イールドだけで判断しているわけではなく、自分の資金の状態、インフレの状況や急速な利上げの決定などを踏まえて、トータルでみて、ダメージの軽減を図る事を最優先課題としています。


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