2018年01月16日

「21世紀をサヴァイヴするためのグレイトフル・デッド入門 第2回御礼

 昨夜は「21世紀をサヴァイヴするためのグレイトフル・デッド入門」の第2回に大勢お越しいただき、ありがとうございました。楽しんでいただけたならば、幸いです。

 バラカンさんも楽しそうでしたし、あたしは心底楽しんでおりました。会場の風知空知のオーディオ・システムはほんとに音がいい。田口スピーカーをはじめとして、アンプなどにも気を遣っておられるのでしょう。加えて、昨夜は音源を出す MacBook での再生用プレーヤー・アプリとして Audirvana Plus を使い、DAC には Chord Mojo を使ってみました。これは一般的な DAC とは一線を画す独自で最先端の D/A テクノロジーを注ぎこんだもので、その威力をあらためて実感しました。とりわけ、低域の表現の良さは半端でなかった。スピーカーの後ろになるあの位置で聴いてあれだけ気持ちよかったのは凄い。なお、《30 TRIPS AROUND THE SUN》からの音源は 96KHz/24bit のハイレゾです。

 昨夜かけた音源のリストです。曲名の次の数字は演奏回数、初演、終演の日付です。


Big River/ Johnny Cash
399回= 1971-12-31 > 1995-07-06
※原曲は〈Ballad Of A Teenage Queen〉 Sun 283 のB面として1957年12月録音、翌年3月リリース。ビルボードで最高14位。
1973-03-28 Springfield Civic Center, Springfield, MA, 4:38, from《Dave's Picks, Vol. 16》

Me And Bobby McGee/ Kris Kristofferson & Fred Foster
118回= 1970-11-06 > 1981-12-11
※最初の録音は Roger Miller による1969年5月のもの。《PEARL》収録のジャニス・ジョプリンのヴァージョンが シングル・カットされてナンバーワン・ヒットとなる。
1972-04-14, Tivoli Concert Hall, Copenhagen, Denmark,6:04, from《Europe ’72: The Complete Recordings》

Goin’ Down The Road Feeling Bad/ (Delaney Bramlett)
298回= 1970-10-10 > 1995-07-05
※今回の原曲はウッディ・ガスリーのもの。デッドは1970年の "Festival Express” の際、Delaney Bramlett から習った。
1978-05-14, Providence Civic Center, Providence, RI, 7:50, from《30 TRIPS AROUND THE SUN》

Desolation Row/ Bob Dylan
58回= 1986-03-25 > 1995-07-02
※原曲は《HIGHWAY 61 REVISITED》(1965)  収録。
1990-03-24, Knickerbocker Arena, Albany, NY, 9:55, from《Postcards Of Hanging》

Man Smart (Woman Smarter)/ Norman Span
226回= 1981-07-02 > 1995-06-21
※トリニダードの Norman Span が King Radio の名前で1936年、ニューヨークで録音。作曲もおそらくこの人。1956年にハリー・ベラフォンテがナンバーワン・ヒットさせる。なお今回、聞き比べとしてかけたのはカーペンターズの版。
1992-03-20, Copps Coliseum, Hamilton, ON, Canada, 10:02, from《30 TRIPS AROUND THE SUN》

Hey Jude/ John Lennon & Paul McCartney
Dear Mr. Fantasy/ Traffic
58回= 1984-06-14 > 1990-07-21
※Traffic のデビュー・アルバム《MR. FANTASY》(1967) 収録。
1990-03-22, Copps Coliseum, Hamilton, Ontario, Canada, 13:12, from《Spring 1990》

Not Fade Away/ Buddy Holly
565回= 1968-06-19 > 1995-07-05
※バディ・ホリーの The Crickets の名義で1957年10月リリース。ビルボードでは最高48位。
1979-10-27, Cape Cod Coliseum, South Yarmouth, MA, 9:13, from《30 TRIPS AROUND THE SUN》

Morning Dew/ Bonnie Dobson
259回= 1967-01-14 > 1995-06-21
※グレイトフル・デッド版の歌詞はドブソンによればこの歌詞は Fred Neil によるもの。
1977-06-07, Winterland Arena, San Francisco, CA, 13:14, from《Winterland June 1977: The Complete Recordings》

Turn On Your Lovelight/ Bobby Bland
348回= 1967-08-05 > 1995-06-15
※ボビィ・ブランドのシングルとして1961年リリース。チャートではR&Bで最高2位、ポップスで最高28位。
1990-03-29, Nassau Coliseum, Uniondale, NY, 7:41, from《Spring 1990 (The Other One)》

We Bid You Good Night/ Pinder Family with Joseph Spence
64回= 1968-01-22 > 1991-09-26
※Joseph Spence (1910-84) はバハマの人。1965年にアメリカ人ミュージシャン Jody Stecher と Pete Siegel がバハマで録音したものが今回の原曲。
1969-05-24, Hollywood Seminole Indian Reservation, West Hollywood, FL, 3:21, from《Road Trips, Vol.4 No.1》


 年末からずっと選曲のために、グレイトフル・デッド漬けでしたが、そこであらためて思い知らされたことは、デッドはいくら聴いても聴き飽きるということがないんですね。アイリッシュなどの伝統音楽はそういうところがあります。またかよと思いながらも聴いてみると、いくらでも聴いていられる。ちょっともうげっぷが出るから別のものを聴いてみようという気持ちになりません。デッドも同じで、昨日も朝から晩までデッドを聴き、今日も起きたら聴きはじめて寝るまで聴き、明日も終日デッドを聴くだろう、という生活を2、3週間続けても、その音楽に飽きるということがまるでない。

 同じ曲のヴァージョン違いを30、40、50と聴いて、やはり聴き飽きることがない。いくら毎回違うとはいえ、曲そのものは同じですから、いい加減飽きてもおかしくはないわけですが、そういうことがない。むしろ、これはどうだろう、次はどんな具合だろうとどんどん聴いてゆきたくなります。いつまで聴いても、聴くのをやめたくなるということが全くありません。

 そりゃ、おまえはデッドが好きだからだろう、と言われればそうかもしれませんが、まずたいていのものでは、どんなに優れたものでもどこかで飽きがくるものです。たぶん、これは音楽の優劣の問題ではなく、好き嫌いの問題でもなく、もう少し違う、もっと根本的なところに関わることではないか。ラストの〈Turn On Your Lovelight〉はいくらでも聴いていられそうです、とお店のスタッフもおっしゃっていました。

 昨日はまたデッドの音楽のもつ矛盾した側面に眼を見開かされました。デッドの音楽は基本的に「ゆるい」ものです。いい加減といえばいい加減。少々チューニングが狂っていても、音程がはずれても、歌詞を間違えたり忘れたりしても、まるで問題になりません。一方で、その音楽は実に緻密に組み立てられています。演奏者のからみ合い、ビートの刻み方、曲の構成がそれは細かくなされています。しかも、あらかじめ決めたことに添うのではなく、その場で、即興として生成されてゆきます。

 この二つの側面から生まれる効果の気持ち良さ。いくら聴いても飽きないことには、この快感も寄与しているかもしれません。

 年初めの、寒さの底の月曜日にもかかわらず、ほぼ満員のお客様にご来場いただき、めでたく第3回も行うことになりました。期日、内容はまだ決まっておりません。時期としては春、もう少し暖かくなった頃でしょう。内容についてはまだ白紙です。リクエストがあれば、どぞ。(ゆ)



yosoys at 10:47|PermalinkComments(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック イベント