ひょんなことから Head-Direct が HiFiMAN のブランド名で出そうとしているイヤフォンの新作 RE-252 を試聴してます。これの表記には RE252 と RE-252 とあるんですが、ケースには RE-252 と書いてあるのでハイフン付きでいきます。
   
    Head-Direct では RE0、RE1、RE2 というシリーズを出していて、これの後継ということになるんでしょう。バランスド・アーマチュアではなく、直径9ミリのネオジム・ドライバが仕込まれてます。このREシリーズはなので、Head-Direct では "In Ear Headphone" と呼んでます。Monster Beats なんかも同じ方式ですかね。
   
    ちなみにネオジムが正しく、よくある「ネオジウム」は誤り、とウィキペディアにありました。ネオジムは金属元素で、鉄、ホウ素と化合させると超強力な永久磁石になるそうで、これがヘッドフォンに使われると音質が良くなる仕掛け。
   
    どのくらい強力かというと「数センチの大きさでも10kg以上の吸着力があるため、扱う際には指を挟まないよう手袋をするなどの注意が必要である」とウィキペディアの「ネオジム磁石」の項にある。ということは、これの仕込まれたヘッドフォン/イヤフォンをつけていると、マグネットの健康器具をつけているのと同じ効果があるのであらふか。
   
    それはホラとしても、音質の良いものを聞けば、自然とココロはおちつき、血液サラサラ、筋肉もリラックス、をを、やはり健康と環境に良いではないか。
   
    さて、RE-252 は、一時は RE3 のことではないかというウワサもあったが、モデル番号としてはこれで決着の由。まず形が尋常でない。写真をご覧あれ。

    写真ではわかりにくいでしょうが、材質はやわらかく、ハード・ケースではありません。音が出るパイプからケーブルの鞘まで一体になってます。突起もやわらかくて、どんな風にも曲がりますが、離すとすぐ元にもどります。この突起はどんな風に使うのかというと、こんな具合

    一種のつっかえ棒の役割でしょうか。振動を抑えるのかな。とにかく耳穴に対して固定する役割のようです。
   
    表面は一見ツルツルですが、わずかに粘着力があり、指がべとべとするようなことはありませんが、埃などは付着しやすく、付くとまずとれません。
   
    ケーブルはやや太めの、絡み対策をしてあるもの。ケーブルの鞘末端からT字プラグ根元までの全長約1.2メートル、ケーブル分岐までは約365ミリ。と付属の書類、つまりプラスティックのケースの底の内側にはめこみになった紙にあります。
   
    ついでにここに書いてあるスペックは
   
    インピーダンス:16ohm
    感度:103db/1mw
    Rate Input: 2mW
    最大入力:15mW
    周波数特性:16〜22,000Hz
   
    ですが、Head-Direct の Fang さんによると、まだ完成品ではなく、「効率 efficiency」を改善中で、最終製品になるまでにはあと2、3週間かかるそうな。値段は200〜250USD だそうですから、REシリーズでは最上級機なのかな。
   
    付属品は黒いゴムのシングル・チップが大中小3種。透明シリコン(?)のダブル・フランジが大小2種。デフォルトで付いていたのは黒の中のチップ。バランスド・アーマチュアのものとは違って、穴が大きい。耳垢フィルタのスペア5セットが貼りつけられたシート。コードをネクタイなどに留める小さな洗濯ばさみのようなもの。延長コード。
   
    箱から出してまだ5時間超えたところですが、まさにハイエンド・ヘッドフォン(あたしが知っているのはK701)なみの広大で透明な音場、細かいニュアンスまで聞かせきる表現力、ハイスピードなレスポンスと、まったく文句ありません。妙な味付けもなく、真っ正直に音を伝えることに徹してます。あえて味付けと言えば、どの音も磨きあげたように艶やかになる感じ。Head-Fi のレヴューによれば、エージングが進むと低域がさらに良くなるそうなので、ひっじょーに楽しみ。もっとも人工的な「重低音」なんぞとは無縁の、羽毛のように軽く、深みのある低域です。
   
    電車の車内放送ははっきり聞こえるので、遮音性は必ずしも良いとは言えないと思いますが、タイムドメイン式のように音の形が明確なんでしょうか、騒音の中で聴いても音楽はしっかり聞こえます。少くとも、バス、電車の中で聞く分には今のところ問題ありません。ヴォーカルとギターだけでも、騒音に音楽が埋もれないです。
   
    音楽のジャンルは特に問わないようで、ジュリー・ファウリスのガール語版〈ブラックバード〉、リーラ・ダウンズの〈Ojo De Culebra (With La Mari De Chambao)〉、ライナー&シカゴ響のリムスキー・コルサコフ〈シェヘラザード〉第4楽章、鬼束ちひろ〈陽炎〉、エヴァリー・ブラザーズ〈Lay it down〉、アルバム《LULLABIES FROM AXIS OF EVIL》 、グレン・ムーア〈Moot〉など、どれもこれも、初めて聞くもののように音楽に没頭できます。
   
    以上、とりあえず第一印象。(ゆ)