ギター初心者は、楽譜自体に慣れていないことが多く、どうしても「タブ譜」付きの楽譜に頼りがちです。

出版社もそれを売りにして、購入者の気を引こうとしています。

何故、タブ譜に人気(?)があるのか。

その理由は2つ考えられます。

1つ目は、楽譜を読む力がないため。

2つ目は、ギターのポジションを把握していないためです。

両者はもちろん密接に関係しているのですが、タブ譜に頼ることはお奨めしません。なぜなら、


    タブ譜の誤りは非常に多く、なんの疑いも持たずに盲信するのは危険。
    いつまでたっても楽譜を読む力がつかない。
    さまざまなポジションに対応できず、表現の幅が広がらない。

からです。

1番目は説明は要らないでしょう。

2番目の楽譜を読む力は大切です。普通のギターの楽譜は、五線譜だけで記されています。そこには音符のほかに、右手・左手の指の指示も書かれていますし、弦の指定もあります。

こうしたギター譜独自の記譜法には早く慣れなければなりません。これはそれほど難しいことではありませんが、別の記事で詳しく説明したいと思います。

特に大事なのが3番目のポジションのことです。つまりどの弦のどのフレットを押さえると何の音が出るかを把握することは非常に大切なことです。

ピアノは、ある1音に対して1個の鍵盤しかありません。吹奏楽器はある1音に対して指使いが決まっています(替え指という例外もありますが)。

しかしギターは弦が6本あるので、1音に対して何通りものポジションが可能であり、それがギターの表現力を広げています。弦によって音色が異なるからです。もちろん音によっては特定の弦でしか出せない音もあります。

これは旋律だけでなく、和音を弾く時の選択の幅にも関わってきます。初心者にとって、1つのコードにたくさんの押さえ方があることは混乱を招き、それらを覚えるのにうんざりしてしまうかもしれませんが、そのバリエーションの豊富さこそ、他の楽器ではまねできない優れた点だといえるのです。

ですから、ギターの各ポジションは早く覚えてしまいましょう。

そうは言っても、ただやみくもに、ここを押さえるとドの音が出る、レの音が出る、という覚え方では非効率的ですし、あまり良い方法とはいえません。

あなたが良く知っている、簡単なメロディを各弦で弾くのがお勧めです。

たとえば「ちょうちょ」を例にとってみましょう。

ちょうちょう


これを普通に弾けば第3・4・5弦を使いますが、2本の弦だけで弾いてみるのです。つまり第1・2弦、第2・3弦だけ、という具合です。開放弦は使わないでください。高い方からの3セットについては、1オクターブ上になります。さらに第1・2弦のセットでは、2オクターブ上での演奏も可能です。

一つのセットに限ってみても、色々なポジションが可能です。それら全ての可能な方法をここで示すことはしませんが、第4・5弦でのパターンを例に挙げておきましょう。赤丸が押さえる場所になります。

第4・5弦でのポジション例


また弦の限定はありますが、1本の弦だけで弾いてみるのも役に立ちます。

変化記号の付いた音のポジションも同じ方法で覚えてしまいましょう。

「ちょうちょう」を半音上げてみます。両方とも同じ高さの音ですが、シャープ系とフラット系で表現が変わります。楽譜の読み方の基本は私のサイトを参照にしてください(楽譜のしくみ)。

ちょうちょう


6本の弦はそれぞれ別の調の主音と捉えることもできます。つまり、5種類の調で「ちょうちょう」が演奏できるわけです。

第1(&6)弦はホ長調(E Major)、第2弦はロ長調(B Major)、第3弦はト長調(G Major)、第4弦はニ長調(D Major)、第5弦はイ長調(A Major)です。すると同一ポジションで、5つの調による異なるの音高のメロディで練習できます。この場合は開放弦が主音になります。使うフレットを示しておきましょう。もちろん全弦共通です。

移調のポジション


このメロディは階名で歌えば「ソミミファレレドレミファソソソ」になりますが、実際には各弦で次のような楽譜の音になります。
異弦の調

もしあなたに余裕があれば、他のメロディでも同じように練習すれば、ギターのポジション理解力は飛躍的に伸びるでしょう。たとえば違う音域の「さくら」の最初の4小節などお勧めです。

さくら