2017年06月24日

坂本三郎先生の『小公女』

第一次新漫画党員でアニメーターの故・坂本三郎先生が
漫画家時代後期に描いた伝説の作品「小公女」

以前から読んでみたいと思っていた「幻」といえるこの作品を
なんと60年の永きにわたり保管されていた
南波健二先生のご厚意でお貸しいただけました!!

何と言って感謝の言葉を伝えていいかわからないほど
舞い上がっております!
南波先生、本当に、本当に有り難うございます!!

小公女…さて藤子A先生の『まんが道』および
続編の『愛…知りそめし頃に…』の中で坂本先生は
締め切りに追われる中、編集者から何度も描き直しをさせられて
結果不満足な出来になった事で色々と疑問を感じて
漫画家を引退する…と描かれています。
その描き直しさせられた作品名は出されていませんが
ストーリーの流れからこの『小公女』だと示唆するような描き方をされているので
ある種の「曰く付き」な作品なのです。

けれどこの時期の坂本先生を時系列で追うと
S30年『なかよし』3月号付録で『小公女』発表。
同年6月『漫画少年』連載の新漫画党合作漫画図鑑から離脱。
(※その後も『漫画少年』で単独作品は発表している)
同年6月『少年クラブ』まんが全集の企画で
『頼光の鬼たいじ』発表(※阪本三郎名義)
同年10月『漫画少年』休刊。
(※なお同誌11月号に『やんちゃグループ』という作品を発表予定だったが
執筆されたのか構想のみだったのかは不明)
翌S31年初頭『小学生上級版』に新漫画党競作1コマ漫画執筆。
そして同年5月に新漫画党脱退願いを出す…と、
『小公女』発表から「新漫画党」脱退までは1年弱の時間があります。

そう『小公女』は坂本先生の漫画家引退作では無いのです。
引退作ではなくても引退のきっかけになった作品の可能性はありますけど、
1年以上も時間が空いてる事実を考えると
本当にそうなのだろうか?と疑問に思っていた部分がありました。

石ノ森章太郎先生の著作によると、どの作品かは触れてませんが
「締め切りに間に合わないから急げとせき立てられ、
最終的に作者に無断で編集者が他の漫画家に残ってる部分を描かせた」という、
前述の『まんが道』よりもかなり詳しくそのもめた理由に言及しています。
編集者ともめたという事については山内ジョージ先生の著作でも
言及されています。

そして何よりも坂本先生ご本人が
生前娘さんに「編集者ともめて漫画家を辞めた」と伝えていたというので、
それが漫画家引退の理由だというのはもう間違いは無いでしょう。

では、そのもめた作品とは『まんが道』で示唆されてるように
『小公女』なのか?あるいは別の作品なのか?

坂本先生は詳細を語らず亡くなられていますし、
証言も上記の数例のみしかないのですが…
とにかくその『小公女』を読んでみて
明らかに坂本先生のタッチではない箇所があれば
『まんが道』が示唆していた事や石ノ森先生が言及した事は
真実である可能性は高くはなると思います。
だからずっと読んでみたいと思っていたのですよ。

で、読んでみた感想ですが…
暖かくかわいらしい絵柄は坂本先生のタッチではあると感じましたが、
ところどころ締め切り時間に追われていたと感じられる
荒れた描画も散見できます。

小公女最終章扉絵こちらの画像は最終章の扉絵です。
この最終章19Pに至っては、たぶん坂本先生の手が
全く入っていない可能性が高いと思います。

坂本先生の息子さんにもそうした一部画像を見てもらいましたが
「父のタッチではない」とお答えいただきました。

断言はもちろん出来ないものの
「『小公女』に他人の手が加えられた事で編集ともめた」
その可能性は高いでしょう。


だとすれば、それから引退までの1年間、
坂本先生は大いに悩まれた事でしょう。
そしてその中間地点にデビューしてからずっと主戦場とした
『漫画少年』の休刊という大事件も起きています。
これは私の勝手な推測ですが、休刊時の学童社はゴタゴタしてましたでしょうし
そこでも編集とのトラブルがあっても不思議はないと思います。

そうすると『小公女』と漫少休刊がダブルパンチとなって
漫画家引退に繋がったのかもしれません。

ここまで書いた事はハッキリ言うとすべて推論でしかないのですがw
あながち外してはないと思いますし、
坂本先生の研究が一歩…いや半歩は進んだと思えるのですが…
いかがでしょうか?

yota874harahara at 23:34コメント(0)トラックバック(0)漫画家に関する話トキワ荘の話 

2017年06月17日

つげ作品ファンアート

本年の日本漫画家協会賞の大賞は、つげ義春先生が受賞されました。

予想通りつげ先生は16日の授賞式自体は欠席したそうですが、
読売新聞のインタビューによると受賞自体は喜んでいられるそうなので
私もつげファンの一人として喜ばしく思っております^^

んで、つげ先生の受賞をファンの一人として祝したいという事で、
いわゆる「ファンアート」をいうのを珍しく描いてみました。
ツイッターのほうではすでにUPズミですが
こちらブログでも貼っておきますね。

紅い花ゲンセンカン主人海辺の叙景












つげ先生というと「ねじ式」「無能の人」シリーズが
代表作といわれてますし、もちろんそれらの作品も大好きですが
ここは自分の特に好きな
「紅い花」「ゲンセンカン主人」「海辺の叙景」の
3作をチョイスしました。

私がつげ作品に最初に触れた中学生の頃は
普通にキクチサヨコやコバヤシチヨジ等の
オカッパ少女の愛らしさに魅せられていましたが
今はどちらかといえば「ゲンセンカン主人」や「義男の青春」等で描かれる、
いわゆる「年増女」(失礼)のリアリズムあふれる
エロチシズムに魅せられてますねw

ちなみに私がつげファンになったのは
元「たま」の石川浩司さんの影響です。
竹中労・著「たまの本」で石川さんが
つげ先生のファンとかかれてて興味をもち、
その独特な世界にすっかりハマってしまい、現在に至ってます。


yota874harahara at 21:51コメント(0)トラックバック(0)漫画家に関する話 

2017年05月31日

「トキワ荘再建」進捗状況

ブログの更新一ヶ月ぶりのご無沙汰でした。
生きてますよw

最近は4コマの連載以外はのっぺらぼうな日々を過ごしてます。
トキワ荘通りへも今年に入ってから一回も足を運んでない
なんて状態でもありますが、
「トキワ荘熱」は未だ衰えてない…と自分に言い聞かせていますw

さて、2020年にミュージアムとして再建される予定の「トキワ荘」ですが、
その再建にむけての会議は定期的に行われており、
こちら豊島区のHP上にて会議録が公開されています。

https://www.city.toshima.lg.jp/132/1608050916.html

ご興味のある方は是非ご覧下さい。

で、パプリックコメントも募集していたのですが、
すでに3月末に締め切られております。

会議がだいたい平日開催ゆえ、
私は未だ会議を傍聴できていないままなのですが、
そのパプリックコメントのほうも気がついたら締め切りがすぎた為に
意見を送っていないという体たらく…

そんなんで「トキワ荘熱」だなんてエラそうに語れませんわな。>_<

そうした「意見」
「トキワ荘再建」にむけての会議録を一通り読んでみて浮き上がった疑問点などを、
このブログやSNSなどで書こうとすれば書けなくもないのですが、
募集されていたパプリックコメントをスルーして
外野であーだこーだ意見を垂れ流すのはフェアではないので書かないでおきます。

とにかく、より良い施設が完成する事を願ってやまないという思いだけは
ブレずにもっているという事だけ書くにとどめておきます。

しかし気がつけば今年も半年すぎようとしてますし、
2020年なんてあっという間でしょうね〜

yota874harahara at 16:38コメント(0)トラックバック(0)トキワ荘の話 

2017年04月27日

「トキワ荘リスペクト書店」開設

講談社が「じぶん書店」という新たなサービスを開始しましたね。
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1704/20/news100.html

と、いう事で私も早速ー「マイ書店」を開設してみました^^

書店名は「トキワ荘リスペクト書店」
名前どおりトキワ荘関連の本をそろえて紹介します。

https://www.jibunshoten.com/bookstore/7rtlIUpb

ただ、当然ながら講談社の電子書籍オンリーですので、
今のところは紹介したい本の半分も紹介しきれてません(>_<)

まずトキワ荘を語るときに避けては通れない「まんが道」は
小学館から出ていますので(あとは中央公論新社、過去は少年画報社)
講談社では取り扱っておらず、結局避けて通っているという事になっています…

ただ、こうして新たなサービスがスタートするという事は
講談社もきっと取り扱う電子書籍を増やして行くのだと思いますので、
それは今後に期待したいですね!

じゃないと「トキワ荘関連」なんて自分に縛りをかけてしまった為に
紹介できる本がなくなり、放置する事となりそうですからねぇ…

yota874harahara at 20:31コメント(2)トラックバック(0)トキワ荘の話 

2017年04月21日

遺作の書籍化

漫画家、はやせ淳先生が、
自身のアシで、「ガロ」に作品を発表していた
漫画家、故・中西章文先生の遺作を書籍化するにあたり
所在のわからない著作権継承者(ご身内の方)を探していると
ツイートしたところ、地元・高知新聞が記事にとりあげ、
無事、継承者である中西先生のご実兄と連絡がとれた事が話題となってますね。

http://www.kochinews.co.jp/article/93666

https://www.kochinews.co.jp/article/93892/

これはツイッター等のネットの力もさる事ながら、
やはり地元に影響力をもつ地方新聞の力も大きい、
両者の相乗効果が実を結んだ結果だと思います^^

この件がきっかけで、他にも著作権継承者の不明な
漫画家の作品が世に出てほしいですね!

…と言ってる私だって、
坂本三郎先生の著作権継承者である
ご長男と連絡がとれているのですから、
はやせ先生の行動力を見習わないといけませんね…>_<

う〜ん…豊島区の協力もあればなぁ。な〜んて…  |ω・`)チラッ

yota874harahara at 16:07コメント(0)トラックバック(0)漫画家に関する話 

2017年04月08日

41

最近ブログを放置気味ですので
誕生日に生存報告をUPします。

そう、誕生日なんですよ。
もうこのトシになると嬉しくないですよね。
厄年ですしw

41歳。ついにバカボンパパと同い年です。
41歳の春ですよ。

40になると成人式の倍生きたと、色々思う所もありますが、
そうなると二度目の成人式なんてやってみてもいいかな?
なんてこのごろ思ってます。

だから41歳になったら同い年のバカボンパパのごとく
ステテコに腹巻き、ねじりハチマキの「晴れ姿」で
記念写真を撮影するとかw

聖地トキワ荘通りでそうしたイベントやれたら
面白いなぁと思ってますが、
実現はかなり難しいでしょうね…
そう思ってるうちについにタメ年になってますし。

まあこれからも色んな事はあると思いますが
バカボンパパにならい
「これでいいのだ」イズムで行けたらいいですね〜

オマケに「元祖天才バカボンの春」の動画を貼っておきます。
懐かしい…


元祖天才バカボンの春 投稿者 LatonyaAlves



yota874harahara at 20:56コメント(0)トラックバック(0) 

2017年03月18日

また訃報が…

昨年から漫画家・漫画関係者の訃報が続いていて
悲しく思っておりましたが、
また一人、漫画関係者である『編集者』の方が亡くなられてしまいました。

白取千夏雄さん。
元「ガロ」副編集長として「4コマガロ」や
古屋兎丸先生や福満しげゆき先生を担当され、
故・やまだ紫先生の夫でもあった方です。

2005年に白血病が発症し、近年はメルケル細胞癌の闘病の末
昨日3/17に残念ながら亡くなられてしまったとフェイスブックで知りました。

白取さんのブログには
その凄まじいまでの闘病の様子が記録されております。
http://shiratorichikao.blog.fc2.com


最期の更新は14日。
そして古屋兎丸先生のレスの承認をした所で
力つきてしまった…と推測されます。

私は白取さんとはご面識もなく、お会いした事もありませんが、
数年前、拙ブログにて元青林堂社長兼ガロ編集長であった
山中潤さんのインタビュー記事をUPした時に
白取さん直々にこちらにレスをしていただき、
その上、拙ブログのおかげで山中さんと連絡がとれたと
お礼の言葉まで書いていただいたという事がありました。

そのレスから数年後にお二人はあのガロ分裂騒動以来の
再会を果たしたとの事で、
もし私のブログ記事が万分の一でもその再会のお役にたてたのであれば
本当に光栄に思っておりましたが、
結局私は白取さんとは一度もお会いする事は出来ませんでした。

必ずや病気に打ち克って編集業に復帰するという
鬼気迫るまでの強い意志でもって闘病されていたので、
本当にご無念だとは思います。

氏の魂の安らかなる事と、ご冥福をお祈りさせていただきます。

合掌。

yota874harahara at 20:36コメント(0)トラックバック(0)山中潤氏の語る「ガロ」 

2017年03月05日

まんが道大解剖

まんが道大解剖待ちに待ったサンエイムック
「まんが道大解剖」購入しました^^

いや〜「完全保存版」の看板に偽りなしの
素晴らしい内容で期待通りでした!
この内容のムック本が1000円ほどの安価で購入できるなんて!

この本の事は執筆ライターの一人であるMさんから
去年に「藤子A先生のお姉様松野喜多枝さんのインタビューを掲載する
まんが道の特集本を作っている」と伺ってて
いつ発売するかその時から心待ちにしていました。

そのお姉様のインタビューの他にも
もちろんA先生ご本人のインタビューにもあり、
さいとう・たかを先生や担当編集者の方々や
手塚プロ松谷社長や、ドラマ「まんが道」主演の二人
竹本孝之さん長江健次さんのインタビューも掲載されていて、
その上にあの伝説の「原稿落とし事件」で
実際に編集部から送られて来た原稿催促電報の実物までも公開するという
実に盛りだくさんの資料的価値も高すぎな内容で、
読んでて大興奮してしまいました!

そして、執筆者の面々も
稲垣さん、川口さん、向さんといった
私の良く知る人たちの寄稿が連続して掲載されてるのも
ニヤリとしましたねw
三者三様の記事ですが、
お三方の「まんが道」愛、「漫画少年」愛、「トキワ荘」愛が
十二分に伝わる内容でした^^

この本の発売記念サイン会が4日に紀伊国屋書店にて開催されたのですが
やはりというか…なんというか私は抽選をハズレてしまいました>_<

けどサインはいただけなくとも、A先生の元気なお姿を見るだけでも
会場に行ってみたらよかったですね…友人・知人も行っていましたし。

あと紀伊国屋書店の抽選は当選した人のみに連絡をして、
落選者には連絡をしないシステムなので
「あ、連絡こないからハズレって事か〜」って
なんかスッキリ(?)しない部分も正直ありましたね。

ここは手間はかかりましょうが
紀伊国屋さんには落選通知メールも送ってほしかったですね。
例えば
「ショテンクルニオヨバズ」とかいう文面でw

まんが道大解剖 (SAN-EI MOOK)
藤子不二雄A
三栄書房
2017-03-03



yota874harahara at 01:14コメント(0)トラックバック(0)トキワ荘の話 

2017年02月08日

丸山昭氏の訃報

元「少女クラブ」編集長で、
トキワ荘時代の石ノ森章太郎先生、赤塚不二夫先生、水野英子先生らを
育てた名伯楽として知られ、
トキワ荘関連の著書もある丸山昭氏が
すでに昨年の12月に亡くなられていたという訃報が流れ
たいへん驚きました。

http://www.asahi.com/articles/ASK277GZCK27UZVL001.html

http://www.yomiuri.co.jp/culture/20170207-OYT1T50091.html

トキワ荘通りの活動にも多大にご協力をいただいて、
ワークショップや講演等、私も何度か聴講したり
お見かけする機会はあったのですが、
当時のお話を詳しくお伺いする機会を逃したままでした。

昨年の永田竹丸先生のトークライブで
お見かけしたのが最後となってしまいましたが、
その時、坂本三郎先生のお話を伺おうと思っていたものの
気がついたらすでに帰られていてその機会は失われました。
思えばその頃から体調が良くはなかったのでしょうね…

またひとり漫画界の生き証人が旅立たれてしまったのは
本当に悲しく、残念でなりません。
遅まきながらご冥福をお祈りいたします。





yota874harahara at 01:36コメント(2)トラックバック(0)トキワ荘の話 

2017年01月22日

南波健二先生トークライブ

去る1/21は神保町・日本マンガ塾にて開催された
飯田耕一郎さん司会の「南波健二先生トークライブ」に行って参りました。

南波先生講演南波先生の軽妙なトークに
デビュー前からデビュー当初の貸本劇画の思い出話、
そして、師匠さいとう・たかを先生のエピソードの数々…と
内容の濃いトークライブ存分に楽しませていただきました^^

先生のお話で印象に残ったのが、
定義の難しい「劇画」という存在について。
先生は「漫画」そのものを山に例えられ、
その山を登ると、そこにストーリー漫画の景色がみえ、
ギャグ漫画の景色がみえ、4コマの景色がみえ、
そしてそれと同様に劇画という景色も
その山からみえる…と、いうもの。
私はそれを聞いて「なるほど!」と腑に落ちる物を感じました。

劇画集団南波先生と水木先生トークも面白かったのですが、
さらに素晴らしかったのが
貸本の現物に当時の貴重な写真の他にも、
貴重な生原稿まで先生は持参されていました!

画像はその中の写真の一部。
「劇画集団」の写真と
若かりし頃の南波先生と
(ご本人曰くヒッピー風)
中年期の水木しげる先生のツーショット写真です。

写真撮影については南波先生はとてもオープンな方で
トークの最中でも自由に撮影していいと仰ってました。
それでも私はちょっと遠慮してしまって、
そんなに多くの画像は撮れませんでしたけど…

トークライブのあとは聴講者の中から希望者が残り
南波先生や奥様を囲み喫茶店で懇親会。
私もさも当然かの如くくっついていきました。
そっちは遠慮してませんw
この日、私は今年はじめてお会いする方々が多く
軽い新年会みたいな感じでしたね^^

南波先生、飯田さん、この日お会いした皆様お疲れさまでした!

yota874harahara at 22:11コメント(0)トラックバック(0)漫画家に関する話 
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