2008年04月04日

墓場の鬼太郎

以前、視聴率無視で、DVDで収益を得る「制作委員会方式」の深夜アニメを憂う様なコトをかきました。
いや、別に今でも基本その考えは変わりません。
しかし、そのおかげで以前はアニメにならなかったであろう作品もアニメになるというプラスの面のコトも書いておきたいと思います。

その象徴的作品が「墓場の鬼太郎」です。
つい最近放送が終了しましたが、
この作品がアニメ化するなんて当初信じられませんでした。

よく知られている「ゲゲゲの鬼太郎」
今も日曜の朝に子供むけアニメとして放送されてますね。
猫娘が萌え娘になったり、鬼太郎の声がコナン(高山みなみ)だったりしてね。
それとおなじ「鬼太郎」が主人公なんですが、全然内容が違います。

墓場の鬼太郎は鬼太郎の原点。
正義の味方でも何でも無い鬼太郎に、ダークな世界観。
さすがに全部それをアニメに再現するコトは色々な大人の事情もあったりと無理ですが、
それでも雰囲気はそれなりに良かったと思います。

さて、その「鬼太郎」ですが、
実はもともと水木しげるの考えたキャラではないのですよね。
墓場鬼太郎 第一集 (初回限定生産版)


もちろん現在の様に鬼太郎がメジャーになったのは水木しげるの功績によるモノです。
と、いうか現在「妖怪」という存在がここまで知られる様になったのも水木しげるの功績です。
と、いうか水木しげる翁そのものがもう妖怪です。(ホメ言葉)

けど、鬼太郎というキャラクターを考えたのは伊藤正美という紙芝居作家です。
鬼太郎は漫画キャラでなく、黄金バットと同様に紙芝居キャラとして誕生しました。
時は昭和8年(1933年)ドイツでナチスが誕生した年です。

だから鬼太郎は「サザエさん」よりも古く、
「冒険ダン吉」とか「のらくろ」とかと同じ時期に生まれでてきたのです。

鬼太郎のモチーフは江戸時代の民話「飴売り幽霊」だそうです。
死んで土葬されてから子供を産んだ母親が、幽霊になって夜な夜な飴屋で飴を買い、
それを自分の子供になめさせて育てた・・・という民話です。
その幽霊に育てられた墓場の赤ん坊を主人公にしたというワケです。

その伊藤正美の「ハカバキタロー」を戦後紙芝居作家になった水木しげるが描く様になって、
それがそのまま水木しげるのキャラになっていきました。
何しろ当時は著作権ウンヌンはおおらかでしたし、
だいいち伊藤本人が水木以外にも「鬼太郎」の紙芝居を描かせていたそうですから。
だから"原作者承諾ズミ"で鬼太郎は水木に継承されていった形になったのです。

それから水木は紙芝居から漫画に転身。
昭和40年(1965年)少年マガジンに「墓場の鬼太郎」の読切発表。
昭和42年(1967年)に連載。
それからアニメ化の際に「墓場」という暗いコトバが嫌われて、
水木しげるの少年時代のあだ名「ゲゲ」からとって、
「ゲゲゲの鬼太郎」と改題。

昭和初期にドロドロと因業渦巻く様に生まれでた鬼太郎は長い年月をかけ、
現在一般的に知られる明朗快活な正義の味方「鬼太郎」になっていったのです。

「ゲゲゲの鬼太郎」のアニメも今回で第五シリーズ。
映画も二作目が作られるそうで・・・

なんか日本人ってけっこうそういう「妖怪」とか好きなのかもしれませんね。
私も妖怪は好きでしてね、妖怪漫画を描きたい気は今でもあります。
人間と妖怪とのおかしな関係とか・・・4コマだとちょっと難しいですよね。





yota874harahara at 23:17コメント(4)トラックバック(0)漫画の話  

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コメント一覧

1. Posted by muzik   2008年04月05日 09:45
またお邪魔します。
墓場鬼太郎は私のオヤジが子供の頃に紙芝居でみたそうです。もう70年くらい前ですが。
小さい頃はソンなバカなと、思っていたのですが、長じて調べるとホントだったので、オヤジの株を大きく上げたのですが、作者までは不明でした。

そのオヤジも今はなく、貴ブログを読んで勉強になりました。
2. Posted by 原田高夕己   2008年04月05日 22:36
>muzikさん。
いつもの様にコレは本やらネットやらで知ったコトなので、細かい箇所にもしかしたら間違いはあるかもしれません。

紙芝居は複数の作家が同じシリーズの話を描くモノなので、生みの親の伊藤正美以外にも作者は存在しますし、漫画でも水木しげる以外に竹内寛行という人の描いた「鬼太郎」も存在します。

水木しげるが紙芝居作家になったのが戦後なので、ご尊父が見たという「鬼太郎」は水木以前の「鬼太郎」ですね。実に貴重な体験談です。




3. Posted by muzik   2008年04月06日 07:31
先生、レスをいただき恐縮です

>ご尊父が見た

尊父と言うほどのものではありませんでしたが、ほら吹きで嘘が多かったのに、これだけが数少ないホントだったので、株を上げただけです。

ただ、目玉のオヤジはいなかったそうです。
4. Posted by 原田高夕己   2008年04月07日 22:53
>muzikさん。
私の方こそ、まだ「先生」と読んでもらえる様な立派な身分ではないので恐縮です。

「目玉の親父」が水木の創作なのかは詳しくわかりません。
「鬼太郎」に関してはもっと色々調べてみたいと思います。

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