四ツ國日記

宮脇慎太郎 Photographer / solow  http://www.shintaromiyawaki.com

2011年12月

日本の中のチベッ ト ~広島・龍蔵院~

発展著しい瀬戸の軍都広島。

ここに日本でも希有なチベット人による正式なチベット寺院がある。
龍蔵院という真言宗の寺を間借りする形で。。。

広島駅からすぐ近くと聞いていたが、思ったよりも距離がある、それも急な坂を登ったり降ったりを繰り返した、入り組んだ住宅街の中。

車のナビは確かにここが目的地だと言い張るが、にわかにそれは信じられなかった。そして狭い山道を暫く登ること15分くらい、やっとこさたどり着いた。

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思ったよりも狭い、本当にここか?と思っていたがタルチョ(チベットの旗みたいなもの)を見つけて確信する。ここが日本のチベット寺院なんだ。


そしてもの凄く小さな本殿。。。

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元々神仏混交だった寺院なので鳥居がある、そこにタルチョがはためき、一瞬何教か分からない異様な外観。だが不思議と全体に調和が取れている気もした。

そして中はもっと凄い。

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ご自由に入って参拝してください、という札書に甘えて中へ入る、そこは極彩色!所々に日本の仏具を流用しつつも、しっかりとチベット密教式の祭壇ができあがっている。

そして傍らには。。。

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法王(ダライ・ラマ)の玉座が!凄い!思わず興奮。その時後ろに人の気配を感じ振り返ると、ニコニコとしたチベット人の若き僧侶が佇んでいた。

ぺこりと挨拶するが彼は構わず微笑んでいる、どうやら彼は日本語を解さないようだ。本当にここは日本なのだろうか?混乱してきた。彼はちょっと待てという仕草をして別棟の中へ。出てきたのは中年くらいのチベット人僧侶。

「こんにちわ」

あ、日本語だ~!そして彼も先ほどの若者に負けないくらいのニッコニコの笑顔。最近あんまり巷でみないようなね。

「こんにちわ、僕は四国の香川県からきました」

「ああ、香川ならいったことあります。ゼンツウジというお寺で砂マンダラを描きました」

凄い!世間話でしばし盛り上がる。どうやら彼が一番在日期間が長いらしく、あと二人いる僧侶はつい先日チベットから来たばかりなのだそう。定期的に僧侶が入れ替わりつつ、この寺院を維持しているらしい。

「どうぞ、中へ」

別棟の居住スペースに招かれて入ると、そこにはもう一人の僧侶がいて日本のテレビを見ていた。

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彼はチベットではかなり偉い僧侶みたいで、明日から来日してるダライ・ラマと供に東北へ行くと言っていた。たまたまだったが今日来てよかった。

本棚に火の鳥発見!ダライ・ラマ法王の写真もある。

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彼はチベットから来たばかりなので、色々現地の食物をお土産で持ってきていた。ヤクのチーズなど色々もらって食べる、それぞれまさに珍味といった味で美味かった。ビールが飲みたい。

これから今日最後の法要があるというので、この後見せてもらった。チベット語のお経はなんともいえない抑揚の利いたリズムで、日本のお経とはかなり違う。最高に早くなったときは鈴をかき鳴らしかなり激しい!でも根っこの部分では似てるなとも思った。入り込んでしまえば、意識は宙へ飛ぶ。観客?それは僕一人。

決して気取ったり気張ったりしてる様子も感じられず、一連の行為は全て自然体だった。僕はたまたまこの日にピンポイントで訪れただけだが、彼らにとってはこれが普通の日常だ。突然の来客にも極めて紳士に対応し、遥かに連なるチベットの山々のように静かな三人の立ち振る舞いと喋り方が印象的だった。全ていつもの通りということだ、当たり前だがこれは凄いことだ。一日の殆どを、この空間で過ごすそう。


国を追われ、その神秘性も相まって複雑な運命を歩むチベットとその人たち。映画の2012にも大津波に動じず最後を迎えるチベット人の老僧侶が出てきたが、たとえ明日世界が終わると知っても、彼らは毎日の法要を当たり前のようにこなし、その日を過ごすのだろう。



今は都会の隠者のような生活を送る日本のチベット人。それらを包み込む日本の仏教界に感謝すると同時に、あまりにもひっそりとした寺院にもっと便利のいいところをあてがってあげればいいのにとも思った。





帰りは街燈一つない真っ暗な山道。

「ライトはありますか?」

と皆心配してくれた。

「大丈夫です、持っています。今日は本当にありがとう!」

僕はその場を後にした。






これを書いている今も、きっとあの寺院ではチベットのお経が今日もあげられている。
それを想像するだけで、今日もえいやっ!と頑張ろうかなと思う。




そんな風景が無数にある。また、会いに行こうかな。







多謝!



ピンホールカメラ講座やります。

縁あって地元の商店街にできたアートスペースにてピンホールカメラ講座をすることになりました。

僕自身暗室作業は久しぶりなので、父親から学生時代に譲り受けたラッキーの引き延ばし器を掃除したり点検したり足りないものをヨドバシカメラに買い足しに行ったりとかなり楽しんでます。

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50年の時を経てもなお現役バリバリの暗室機材たちは頼もしい限り、黒光りしたモノクロームたちは歴戦の古参兵のようです。アナログ魂炸裂!

さて、以下詳細~。

12月17日(土)
「第1回トキ大写真部◎ピンホールカメラ講座」

【とき】①11:00~14:00 ②14:30~17:30
【ところ】TAG[トキワアートギャラリー]・トキワ街周辺で撮影
【講師】宮脇慎太郎(写真家)
【授業料】2,000円
【準備物】30cm四方程度の箱(光が入らないよう密閉できるもの)
【定員】各10名(合計20名)(予約優先)ご予約は087-887-0343[トキワアートギャラリー]まで

ピンホールカメラとは、レンズを使わずに針穴(ピンホール)を利用したカメラです。今回のワークショップでは、箱の中を黒く塗り、小さな穴を開けてピンホールカメラを作り、街で実際に撮影します。その後暗室でプリントの作業まで行います。
★トキ大写真部として定期的に写真の講座を開催予定です。ということで部員大募集中★


http://www.daigaku.tokiwa-tag.com/schedule.html




多謝!

クニウミの島が流す二等辺三角形の涙

神話の時代、日本列島で一番最初に作られた島「淡路島」
そこにひっそりと廃墟界では伝説の建築物があり、何度か足を運んでいる。


鳴門の浜辺からでもハッキリと確認できるくらいの特徴的な外観。真下から見上げるとそこがまさしく世界の中心であるかのような錯覚を覚え、悲しいまでに独り天を突くコンクリートの塊が、絶対に忘れられない強烈な印象を見る者に残す。そこはまるで古代の神殿のよう。

わこうど


四国に縁もあり戦前、戦後の日本という国に形を与え、「天皇」と言われた大建築家。彼が唯一クニウミの島に残した忘れられた足跡。まるで打ち捨てられた事すら計算であったかのような完璧な筋書。


ここにいる間は、ここにいただけ時間と切り離される気がする。これからも何度も足を運ぶんだろうな。








多謝!








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