四ツ國日記

宮脇慎太郎 Photographer / solow  http://www.shintaromiyawaki.com

2013年04月

manchuria④:精神の型紙

名称未設定 11

























真鑑真号で同室になり、暫く上海での行動を共にしていた彼。
今では名前もすっかり忘れてしまったが、彼は母親が中国人、父親が日本人。
今では両親が別居して暮らしており、年に数回こうやって船に乗り、母親に会いに来るのだそう。

最初船で同室だったこともあり仲良くなったのだが、彼の話す流暢な関西弁とキャラクターもあって、すぐに仲良くなったし、途中まで完全に日本人だと思っていた。

実際は彼自身その事で日本でイジメにも合い、今も心は日本と中国の間で揺れ動いているそう。実際に中国語はカタコトしか話せず、気分的には日本人だとも。

上海駅までも道があまり分からないとの事で自分と一緒に地図を見ながら歩いて行った。そこに佇む女性に近寄り、照れくさそうに僕に「母です」と紹介する彼。

彼女は完全に関西の肝っ玉カアちゃんタイプで、これから一人旅を続ける僕の事をあれこれ心配してくれ、北京行きの切符を買う手助けまでしてくれた。そして二人の故郷はここからさらに南下する所らしく、僕とは行く方向が間逆。いつかそこに遊びに来いとも。

「必ず行くよ、元気で」と言ってから一枚撮らせてもらった写真。そして叶えられなかった約束。こんな思い出が旅にはいくつ転がっているのだろう。


今彼は日本と中国、どちらで働いているのだろうか。もし中国なら、中国語は覚えたのだろうか。もし日本なら、今も年に数回は真鑑真号に乗って母親に会いに通っているのだろうか。


彼と過ごした船上の三日間を今でも忘れることは無くて、学校の事から始まって将来の事、恋愛の事など色んな話をした。今でも東シナ海の星空を見上げながら語り明かしたそのデッキでの一晩を思い出す。風は生暖かく、天空はどこまでも高く。


言葉が精神に嵌める型紙なら、日本語を母国語として生まれ育った彼は日本人だと言えよう。でもそんな事は大した問題じゃなくて、結局彼と僕が意思の疎通が出来て同じ船の上で笑ったという事実が大事な気がする。



どこまでもどこまでも、混じって交じって合わさって、平らになっていけばいい。



なんとなくだけど、母親の元で楽しい毎日を過ごす彼を想像した。そしてそこに僕が久々会いに行っても、あの時と変わらぬ流暢な関西弁で笑い会える、そんな気が今も、している。



続く


日産PAOクンとのお別れ。

先日5年間お世話になった愛車、日産PAOをついに手放しました。

思えば香川に帰ってきてからずっとお世話になった愛車、この小さな車体に色んな思い出が詰まってる。

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手に入れた時の写真、昨日の事の様に思い出す。
この日産のパイクカーシリーズは昔から好きで、大学時代に乗っていた車はBe-1だった。それに乗って大阪から一ヶ月くらいかけて北海道の知床半島までを旅したことも。

マーチをベースにした軽快な車体はどんな場所にも僕を連れて行ってくれた。まさに魔法の道具。部品の調達のし易さも魅力だった。そして何とも愛着のわく丸っこいカタチ。

夢が詰まった、車にそれを託せた幸福な時代の遺産。そしてその頃からこのPAOは気になっていて、次に乗るならそれと決めていた。そして東京から香川に帰ってきてすぐに、Be-1を買った車屋さんに電話した。すると丁度整備し終わったPAOがあるとのこと。即決した。

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クリーム色の丸みを帯びたボディは日本の優しい風景によく似合う。色んな所に行ったなァ・・・

そして一番不思議なのは、これを買った時には2人だった家族が、今では4人になっているコト。そう、もう2ドアのPAO君はこの家族にはフィットしなくなって来てた。正直前回の車検の時に一度手放そうかとは思っていたのだけれど、譲る話が無くなったりして結局2年間また乗ったのだった。そして今回の車検、いよいよ決断する時。確実に別れの時は近づいてきてたんだ。

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心に決めてる一つの思い。こいつをスクラップにだけはしたくないなということ。自分が手放した時、誰も乗り手がいなければ確実に廃車になるのは分かっていた。

それから必死に譲る相手を探す日々、でもある日ツイッターで里親募集を呼びかけると、思いの他に問い合わせが沢山来た。SNSというのはこういう時本当に便利。これも5年前ではmixiしかなかったから考えられない。クローズドのコミュニティーから世界は限りなくオープンに加速していってる。そして名車の人気に感謝。

多数の問い合わせの中でも一番緊急にPAOを必要としていたのが、関東から香川に震災で非難移住したお母さん。乗っている軽自動車はフロントガラスに大きくヒビが入り、今にも危険な状態。結果彼女に無償譲渡することに。



そしてPAO君とのお別れの日。今までの感謝を込めて家族で大掃除!

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5年前はいつも1人で掃除していたのが・・・

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人生の不思議。
そしてこの幸福な日常を老体にムチ打ちながら、必死でこいつが守っていてくれたのだなァと、今になって別れが惜しくなって来たり・・・

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それは僕だけじゃなくて、大河が一番だったかも。なんせ産まれた時から当たり前のようにあった存在。最後までハンドルを離そうとしなかったよ。

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ありがとう、本当にありがとう。

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君のお陰で、僕は父親を続けてこれたよ。そしてまた成長した。
あ~、このベンチシートがいいんだよなあ・・・色んなところでここに座って景色を眺めたりお弁当を食べたね。

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頼むよ、PAO。次の新しい家族も、お前が守ってやって欲しい。今この瞬間も。笑顔を乗せてどこまでも、走り続けて欲しいよ。そしてまた会おうよ。元気な姿で、あの頃と変わらない愛嬌のある丸目で、僕らを見つめて欲しい。

そしたらそっとなでるよ。大河とコハと一緒にさ、久しぶりって。



ありがとう。






また!
















多謝!

四国最深部の国宝

四国のチベット大豊町。ここに四ツ国最古の木造建築物にして国宝の薬師堂はある。

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鬱蒼とした杉林の中、山の遥か高みに。四国の山地は谷が深く険しい為、古来人々は山の尾根伝いに移動していた。

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無駄な装飾を廃した質実剛健な造りは、周囲の自然と一体化していて本当に美しい。

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屋根は茅葺でもなく柿葺という古来のもの。ディティールをよく見ると反りの下部分は精密な組木で出来ているのがわかる。物凄い技術。

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1000年近く前の木造建築物が今存在するという不思議。この寺院は大火災にも見舞われていて、このお堂だけが奇跡的に焼けなかったという。

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これだけの文化財だと言うのに境内は貸し切り状態。いくら見てても飽きない凛とした佇まい。

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傍らの石仏はことごとく首が無かった。こんな山奥でも明治の神仏分離、廃仏毀釈の嵐が吹き荒れたのだろうか・・・

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駐車場からの眺め、桃源郷のような景色が広がる大パノラマ。

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限界集落に残る究極の水平美を持つ至宝。今回国宝だということでたまたま訪れたが、日本全国には維持すらままならない美しい社寺がどれだけあるのだろうか。ここに来るまでに対向車とすれ違う事も難しい山道を延々登って来たのだが、見かけた人は全てお年寄りばかりだった。

あと20年もしたらここはどうなってしまうのだろう?

しかしここには何も無いが、全てがある、とも思った。最近身の回りでは、都会から四国に移住してくる人たちが急増している。Uターン、Iターンetc・・・震災後確実にそれは加速している。戦後日本が目指した経済成長、それは土と人を切り離し、人と人とを切り離す事の連続だったように思う。全ての問題を先送りしたしわ寄せが、あの日を境に一気に噴出し、列島を引き裂いている。人々の心は離れ、もう皆が一体だったある意味幸福な時代は終わりを告げた。中央より地方へ、集中から多様さへ。矛盾を何かのせいにするのではなく、気付いた人々はもう動き出している。

それが自分たちの世代の宿命なのかなとも思う。揺り戻しなのかなと。

辺鄙だったことが幸いしてか、タイムカプセルよろしく様々なものがまだ残されていたこの島。東西南北全ての場所で気候も人の気質も全く違い、それが丁度いいサイズで収まっている場所。

そして今、この瞬間も巡礼者が旅をしてる日本唯一の場所・・・

自分がそうだったからではないけど、あえて声を大にして今、言いたい。
土に返れと。そして僕らの世代がそれを諦めた時、多分この国が辛うじて保っていた形は本当に終わるのだろうと。


極相に達した経済成長と発展、確かに見えた光と未だ叶えられぬ夢。崩壊はゆっくりと始まっているようにも思える。だけど、まだ希望は確かにある。


深山のお堂にて。

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多謝!

一滴の水に大海を、一粒の砂に世界を

三千世界は森羅万象に宿れり。仕事柄四国を瀬戸内海から山間部、太平洋側に至るまで縫うように移動する事が多いです。今まで散々旅してきて、気づくのはやはりこの島の奥深さ。飽きない。もっともっとダイブしていきたい。日々環境は整ってきてる。

森羅



















多謝!

花祭りとコハの誕生日と

今日は4月8日で仏陀の誕生日。そしてコハの誕生日でもあった。
あれから3年、月日の経つのは一瞬。

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2009年奄美大島を皆既日食が覆った日に授かった命。

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多分コハを一番可愛がったのはタイガー。彼はコハルにどんなに叩かれても絶対に仕返しをしない。

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周囲の人間が愛情を注げば、水を吸うようにどんどん愛らしくなっていくのが分かった。

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人間になり、女の子に。
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中四国関西を中心にいろんな所を一緒に旅した。

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コハがいつかお嫁に行ったら、やっぱり俺は泣くのかな?

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泣かないよ。

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やっぱり泣くんだろうな~。。。

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半径50mの幸福。美しき日々。

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黄金時代。

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優しい瀬戸の風景の中、コハはどんどん女の子になっていく。

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大事にしたい。

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忘れないように。

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日々。

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光。

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これからどんな事が起こるのだろう?ドキドキする。

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歩いていこうよ、家族で。歩幅は合わせてある。












多謝!





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