四ツ國日記

宮脇慎太郎 Photographer / solow  http://www.shintaromiyawaki.com

漂白四ツ国

箸蔵寺 ~阿讃山脈に封印されしジャパン・ゴシック~

全国的にも有名な海の神様こんぴらさんこと金刀比羅宮。その奥ノ院と言われている箸蔵寺、存在は知っていたのだけれども今までなかなか行く機会がありませんでした。

最大のネックになるのはそのアクセス。香川県側からは徒歩以外に一切交通手段が無く、徳島は三好市からロープウェイで行くというもの。

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全国的にも珍しい日本で最初のフニテル式複式単線交走式ロープウェイでいざ山へ。往復大人3000円也。

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独特のバンザイしたような握索器。

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仁王門をこのアングルから見れるのも新鮮。

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はるか下に参道と鳥居。かなりの高度感です。

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かなたに山上駅。このロープウェイ、後で調べたらここ支柱間の高低差が日本一!

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先ほどの仁王門は遥か下。ここまで3分くらいで一瞬の出来事・・・足元がフワフワする。

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到着するとまず社務所などの施設。宿坊もあるのかな。予約すれば精進料理が食べれるみたいです。

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そしてこの社務所の時点でちょっと他には無いほどの彫り物が。ハッキリいって来るまでナメてました。散々全国の寺社仏閣は巡って来たのですが、ここまでのモノはあまり無い。後で住職さんに伺ったのですが、箸蔵寺の彫刻は左甚五郎の弟子達が手がけたもの。今では全国から宮大工が見学に来るほどだとも。

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護摩堂、日曜日だというのに境内ほぼ貸し切り状態。

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空白恐怖症のような執拗なディティール。立体感がいちいち凄い。

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中には堂々と金毘羅大権現の文字が!そう、ここは明治以前の信仰のカタチを残す貴重な場所。
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鐘楼、中は前面に落書きが酷かった・・・ご丁寧に名前と住所を書いてる人も。どういう神経でこういう事をするのだろうか。

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本殿への垂直に近い階段。そこには寺にも関わらず鳥居、神仏習合の証。
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これはキツイ!子供は元気だ・・・
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息切らせ到着・・・

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そこには護摩堂より遥かに大きい本殿が!過剰装飾の怪物・・・

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まさに渦巻く宇宙。正面の額には消えかかっていますが、確かに金比羅大権現の6文字。

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複合建築で屋根の構成も複雑。後ろは傾斜になっていて、せり上がりながら建物が続く。

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東照宮や榛名神社、大神山神社などを見た時以来の衝撃、それをまさか四国で受けるとは・・・何故これほどの建築物が四国の山奥に?そもそも三好市は金比羅宮のある琴平町からは遠く、しかも山脈を挟んで反対側にある。何故ここが奥ノ院?

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しかし磨り減った階段は信仰の篤さを感じさせる・・・
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傍らにあったお堂には彩色が残る。本殿も当時は極彩色だったのだろうか。これだけでもかなり立派。

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境内至る所で見られた円形の灯篭?これも他ではあまり見た事がありません。謎は深まるばかり。

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一面に残る雪がさらに神秘さを増す・・・
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本家金刀比羅宮でさえ、明治の廃仏毀釈後は一切権現色を廃し、一夜にして神社に模様替えしてしまった。仏教色の強い建物は解体され、仏像は焼き払われたり売られたり・・・あれだけの場所なのに国宝が一点も無いことはそういった理由があると思う。そして社寺巡りをすれば全国にこんな例はごまんとある。個人的には中国の文化大革命並みの破壊だとも。
http://waratte.nosmilenolife.jp/edn/edn080813.html


ひいてはこの箸蔵寺。名前こそ寺ですが完全に神仏習合の寺院。調べるとここの宗派のお偉いさんが新政府の重鎮だったらしく、廃仏を免れたとか・・・本尊の金毘羅大権現は完全秘仏で、歴代住職も見たことは無いそう。秘すれば花とは真也。



自分にはこの寺院全体にみなぎる宮大工たちの気迫が、ここを守ったようにも感じました。立て札によると安政元年(1854年)に着工し、完成したのは明治初期だそう。江戸末期といえば徳川幕府のお膝元300年のミラクルピースを経、鎖国日本の職人文化は完全熟成の域に達し、その超絶技巧を競い合っていた最後の時代・・・純粋培養されたその魂は最上級の木材に刻み込まれ、日本の自然と一体となった建築物と融合し、国家により歪められる前の純粋な信仰の形を残してここに封印されているのでしょう。そう、今目の前にしているのはその精神の形。そこに立つことにより、僕らは失われた過去と対話できるんです。

現存すること自体が奇跡の空間はまさにジャパン・ゴシック!いつまで見ていても飽きない。

そして最終のロープウェイで下山。

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暮れゆく吉野川。四国の山は多くの謎を秘めている・・・

なんでもここは自分の星を供養してくれる秘祭もあるよう、要予約ですが。
http://www.hashikura.or.jp/?page_id=136


次は参道を歩いて行こうかな。最後に岡倉天心の言葉を紹介。

「 昔から日本には、外国からの思想が殺到してきたが、日本人は伝統を尊重し、みずからの個性を大切にしてきた。 我々は、今後もさらに西欧化していこうとしているが、世界から尊敬を得るには、我々自身の理想に忠実であることを忘れてはならない。 」




多謝!






風の島

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内海のとある大きな島の南岸。ここを見ると、いつも未来の風景みたいだなあと思う。


しかし物凄い暴風だ、立っていることもままならない。

海に生き、海に死んだ漂海民たち。その魂が風となって風車を回す。
能地、二窓を2台拠点に、瀬戸内海全域に広がった瀬戸の民。
それはそのまま縄文人=海洋民族をルーツにもつ、古代の日本人・・・

自分にはそれらが「俺らを使え」と言ってるようにしか思えなかった。それほど凄い風だった。

日本の神域は、海と山が出会う所に殆どがある、そしてそれは必然。
そこでこれから何かが生まれるような気がしてならない。



「人は自然のひとつ」という世阿弥の言葉が頭をよぎる。



イエスかノーかではなく、多様性のある未来を夢見て、今は。




多謝!





















流星祭

流星祭

四ツ国深山の秘祭・・・

伝説によれば隠れ里の先祖は、古来他の星から船でここにたどり着いた人々。
太閤秀吉以降民間では一切禁じられた火薬精製の技術も、ここでは隠れキリシタンの教えのように一子相伝の口伝にてひっそりと伝えられてきた。
結果村人全員が実質火器取扱免状保持者という特異技能者集団となった。関ヶ原の時には隠密にてこの村の技術者を西軍と東軍が取り合ったとか取り合わなかったとか。

四年に一度の村祭りでは、誰が村一番の火薬を精製したかを、それぞれが規定に沿った自慢の花火を披露することで競い合う。漆黒の闇に降り注ぐ火花。その中を走り回る若人。当然モノによっては暴発もあり、その時には観客席にまで火の玉が降り注ぐ。村人達は恐れるどころか、やんややんやと大喝采。会場のボルテージは最高潮へ。ラストは天空を駆ける船に見立てた舞台で巫女による神楽が舞われ、宴は朝まで続く・・・

規模は縮小されながらも、連綿とこの奇祭は現代でも続けられているそうだ。
いつか星に還る事を夢見て。


Peace!!!





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