April 02, 2017

行動の見た目より“機能”をみよ:『メリットの法則――行動分析学・実践編 』 4

メリットの法則――行動分析学・実践編 (集英社新書)
奥田 健次 集英社 2012-11-16
売り上げランキング : 3561
by ヨメレバ
※電子書籍あり
【推奨対象者】より臨床的な行動分析学の視点を学びたい方,問題行動に悩む当事者や支援者 
 
 本書は“行動分析学”を用い,発達障碍,特に自閉症の子どもに対する支援のために全国各地を飛び回る,「子育てブラックジャック」の異名を持つ専門行動療法士・臨床心理士の奥田健次氏(個人HP)によって書かれた,行動分析学の基本原理を不登校や強迫性障害などの臨床事例から分かりやすく解説した入門書です。

本書発刊に際して,著者からのビデオメッセージもあるようです。

内容は以下の通りです。

まえがき
第1章 その行動をするのはなぜ?
1.実用的な心理学
2.奇声をあげるアキラくん
奇声をあげたら、お母さんと離れ離れに/通常学級に入学したアキラくん/陥りがちな「循環論」の罠/原因を「行動随伴性」で考える
3.身近な例で考える行動分析学
すぐに弱音を吐くタカシさん/「甘えているから」では、問題は解決しない

第2章 行動に影響を与えるメカニズム(基本形)
1.原因と結果を「真逆」に考える
「症状」と「行動」は異なる
2.行動とは何か?
「試験勉強」「破壊行為」は具体的でない/行動の前に原因がある「レスポンデント行動」
3.行動を強める「強化」の原理(基本形)
「好子」出現の強化/「嫌子」消失の強化
4.行動を弱める弱化の原理(基本形)
嫌子出現の弱化/好子消失の弱化
5.四つの行動原理で、あらゆる行動を説明する

第3章 行動がエスカレートしたり、叱られても直らないのはなぜ?
1.行動の直後に何が起こったのか注目せよ
2.なぜダイエットが難しいのか
3.行動が消えてしまうメカニズム(消去の原理)
恋に敗れて、行動が消去される
4.とても大切な消去の原理
5.社会生活に重大な変化を及ぼす「強化スケジュール」
6.強すぎる消去抵抗、消去バースト
消去の連続に耐える
7.叱られても止められないのはなぜ?(回復の原理)
失敗はこうして繰り返す
8.「アメとムチ」という発想を捨てよう
「ムチ」の副作用

第4章 行動に影響を与えるメカニズム(応用形)
1.日常の行動はもっと複雑
人間の行動をより深く理解するために
2.行動を強める強化の原理(応用形)
嫌子出現「阻止」の強化/嫌な思いをしないために/好子消失「阻止」の強化/持ち物が増えると悩みが増える
3.行動を弱める弱化の原理(応用形)
嫌子消失「阻止」の弱化/好子出現「阻止」の弱化/「じっとしている」は死人にもできる
4.阻止の随伴性に伴うリスク
5.強迫性障害を形成するメカニズム
不安を引き起こす刺激を与え続ける/刺激を自動的にシャットアウトする
6.阻止の強化による強迫性障害
7.エクスポージャーを行動分析学でとらえ直す
不安を減らそうとしてはいけない

第5章 行動は見た目よりも機能が大事
1.行動の機能は四つしかない
物や活動が得られる/注目が得られる/逃避・回避できる/感覚が得られる
2.同じ行動のように見えるが同じ行動ではない、という落とし穴
機能の重複
3.家庭での問題から(不登校の連鎖、そして回復へ)
3兄弟の不登校/不登校を支える行動随伴性/学校に行かない兄は「かわいそう」/“心の中身"は不毛な議論
4.ウソを簡単に見抜く方法
(1)学校を休むと家で遊べる(物や活動)
(2)母親と一緒にいられる(注目)
(3)学校に嫌なことがある(逃避・回避)
(4)機能が複合している場合、シフトしていく場合
5.てんびんの法則
家庭で過ごす理由/おのずと学校に行く確率を高める方法
6.奇声をあげる男の子
7.嘔吐を繰り返す女の子
8.リストカットがやめられない女子学生

第6章 日常にありふれた行動も
1.トークンエコノミー法
トークンエコノミー法とは何か/お店がポイントカードを作る理由/視覚的な達成感/トークンエコノミー法は「さじ加減」が決め手/手応えのある仕事/トークンエコノミー法のバリエーション/不登校と「そもそも」論/「ワクワク感」を大事にしよう/ポイントを減点するレスポンスコスト
2.FTスケジュール
ニューヨークでのこと/「わんこそば」方式/強度行動障害者の施設において/その日のうちに現れる明確な効果/迷信行動/
迷信行動とエクスポージャー
3.“任意の努力"を目指して
「したからやる」行動随伴性を

あとがき
参考文献
(目次より) 

 著者は『拝啓,アスペルガー先生』『マンガ 奥田健次の出張カウンセリングー自閉症の家族支援物語』など様々な著書やTV番組への出演などで非常に著名な方であり,既成の枠にとらわれない柔軟かつ的確な介入によりさまざまな問題を解決へと導く,筋金入りの行動分析家でもあります。その本人自らが,豊富な臨床事例を用いながら行動分析学の基本を説いたのが本書です。

既に行動分析学の入門としては,杉山尚子氏による『行動分析学入門―ヒトの行動の思いがけない理由』が出ていますが,どちらかと言えば本書の方が不登校などの臨床的なテーマが多くなっています。そのため特に支援者など臨床現場の方はまずはこちらを読んだ上で,著者自らあとがきで勧めているように『行動分析学入門―ヒトの行動の思いがけない理由』を読むと,より理論的な部分が分かりやすくなると思います。


 さて,本書の冒頭(第1章)では以下のような事例が紹介されています。

 アキラくん。2歳になっても意味のある言葉がまったく出ておらず,一人遊びばかりしていた。遊びの内容も,物を並べるだけとか,回転するもの(扇風機や換気扇)を凝視するばかりで,同じ年齢の子どもがやるような遊びとは異なっていた。興奮すると,突然甲高い声をあげて,ひきつけのような状態になることもしばしば見られた。保健師に「自閉症かもしれません」と言われて,両親は地元の病院を受診した。医師には,「重度のてんかんを持つ知的障害のある自閉症です」と診断された。
 別の医師の紹介で,アキラくんが私のクリニックに連れてこられたのは,その1か月後のことだった。お母さんと面談している最中,アキラくんはほとんど1人遊びをしていたが,10分に1回程度,隣の家にまで響くような声で叫ぶことがあった。アキラくんが奇声をあげるたびに,お母さんは私との面談の最中でも,アキラくんを抱っこして肩をトントンとやさしく叩いて介抱してあげた。そうすると,アキラくんの奇声はすぐに収まった。お母さんは,「ご近所さんにご迷惑をおかけしてばっかりで……」と疲れ果てた様子であった。またしばらくするとアキラくんは奇声をあげて,この日の初診では,1時間で7回の奇声が見られた。(後略)
(pp.12-13)

もし,自分が支援者だとしたら,この奇声の原因をどう考えるでしょうか。そして,どのような支援・介入を行うでしょうか。よくありそうな説明は,本書で取り上げられている「興奮状態が高まったから」「欲求不満が高まったから」(p.16)などでしょうか。それ以外にも,本ケースのように診断が下りているあるいは強く疑われる場合「自閉症(発達障碍)だから」という説明も多く耳にしますし,「愛情が足りないから」「甘えん坊だから」などというおよそ専門家とは思えない説明もまた多く耳にすることがあります。

著者はこうした「循環論」を実用的でないとして忌避しています。なぜ「循環論」はいけないのでしょうか?それは,
 しかし,こうした説明には大きな欠陥がある。「循環論」になってしまうのだ。「奇声をどうして頻発するんだ?」,「興奮状態が高まったからだろう」。「興奮状態が高まったらどうなるの?」,「奇声をあげるだろう」。こんな説明は実用的と言えるだろうか。
 循環論ほど役に立たない議論はないのに,世間は循環論を愛しているかのように思われる。つまり,世間でも学校でも病院でもどこでも,循環論が蔓延していて,問題の解決に至る情報が隠されてしまっていると言える。
(pp.16-17) 
と述べられているように,循環論に陥ることで具体的な支援からは遠ざかってしまいます。これでは,専門家としては失格です。

では,行動分析学ではこのケースをどう見立て,どう介入していくのでしょうか。キーワードは,“行動随伴性”です。具体的には,以下のように行動の直前と直後の関係から問題を見ていきます。

行動分析2 (640x360)
図1 行動随伴性の例(pp.19-20,図1-3,1-4をもとに作成)

つまり,「奇声をあげる」という行動の直後にどのような結果が伴っているか,これを見ることで行動の原因を探るわけです。本ケースの場合は,「奇声をあげる」ことで「お母さんに抱きしめてもらえる」という“メリット”があったから,「繰り返し奇声をあげていた」。だから,「奇声をあげても」「母親から抱きしめなられなくなる」ことで「奇声をあげるメリットがなくなる」こと(=消去)を狙った介入を行い,さらに「静かに一人遊びしている」ときを見計らって「抱きしめてあげる」介入(=適応的行動の弁別強化)も行うことで,奇声という問題行動を減らしていくことができるということです。

このように,行動分析学で問題を理解することで「循環論」では難しかった具体的な支援を行うことができ,そして実際に問題を解決していくことも可能となるわけです。


 このように具体例で説明されると『なるほど』と思えます。しかし,いざ自分が支援の場に携わると,なかなかこのような見方ができず,気がつくと「循環論」に陥っていることが如何に多いことか。しかし,それもそのはずです。
 当たり前のことだが,「今,ここ」で起こっている出来事は,「原因が先」で「結果が後」である。だから,ある行動が起きる理由について考えるとき,人はその行動の前に何が起きたのかを考えようとしてしまう。
 ところが,人や動物の行動の原因について考えるときは「真逆」に見なければならないのである。つまり,その行動がなぜ起きるのかについての理由を考えるとき,その行動の前に何が起きたのか考えるよりも,その行動の結果として何が起きたかを考えなければならないのだ。(中略)
 このユニークな行動分析学を正しく理解しようとする場合,このような世間一般で当たり前と思ってきたモノの見方や習慣を,意図的に放棄しなければならない
(pp.28-29;赤字強調筆者) 
と書かれているように,「行動の直後に何があるのか」という発想は,行動分析学を学ぼうとしない限りはなかなか思いつきません。意図的に日頃から人間の行動について,行動分析学的に考えていく癖をつけていく必要があるわけです。

 こうした行動分析学のものの見方について,第2章では基本となる,

●「好子」出現の強化
●「嫌子」消失の強化
●「嫌子」出現の弱化
●「好子」消失の弱化

という4つの行動原理が,「青信号で横断する」などの日常の何気ない行動を具体例として分かりやすく解説されています。

また,第3章では,

●消去
●消去抵抗
●消去バースト
●自発的回復
●強化スケジュール

など,行動の直後に結果が伴わない場合や,結果の呈示の仕方などの解説が続きます。ここでも,「ダイエットが何故続かないのか」などの卑近な例をもとに分かりやすい解説がなされています。


 ここまで読んでいくと「いやいや人間の行動はもっと複雑だから」とか,「臨床的な問題はこんな単純にはいかないよ」などと批判したくなる気持ちも出てくるかと思います。著者はこうした批判も予測していたのでしょうか,第4章では“阻止の随伴性”という,類書ではあまり出てこない随伴性の応用形を取り上げて,こうした批判にあくまで行動分析学の範疇で答えようとします。

例えば,アルバイトや仕事をする際にミスやそれによるクレームを防ぐために「指さし確認」などをしている人もいるかと思いますが,これこそ下記の通り,

行動分析3 (640x166)
図2 嫌子阻止の随伴性の例(p.93,図4-1をもとに作成)

と,阻止の随伴性の例となっています。つまり,
 客からの厳しい怒鳴り声や,会社へのクレーム,再発達のために店に戻って上司に叱られることなどは,いつも起こっていることではなく,いつか起こる可能性のある嫌子である。「注意深く検品しなければ,やがていつか商品を入れ忘れて,クレームが来るかもしれない」とか,「指差し確認をすれば,商品の入れ忘れは減る」というように行動随伴性を言語化したものは,「ルール」と呼ばれる。ルールはそれ自体,好子にも嫌子にもなりうる。ルールによって制御される行動は,「ルール支配行動」と呼ばれる。嫌子が出現することは,極力阻止したいものだ。前ページの図4-1(上記図2)で示した注意深く商品を指さし確認する行動は,客からのクレームや上司からの叱責などの嫌子が出現するのを阻止するための行動である。これを,「嫌子出現阻止の強化」と言う。(中略)嫌子出現阻止の強化は,怒鳴られたり,恥をかいたり,ケガをしたり,事故を起こしたりしないためにしている行動を考えるときに便利な枠組みである。
(pp.93-94;括弧内筆者) 

という,いつか起こる好子や嫌子の出現,消失を阻止するための随伴性もあるのです。さて,これを読んでいて思ったのは,「あれ?これ,指さし確認がひどくなったら,強迫性障害といえるのでは?」ということです。実はこの阻止の随伴性,強迫性障害のメカニズムや治療法である“曝露反応妨害法”の説明にも使えます。

行動分析5 (640x360)
図3 嫌子出現阻止の強化とエクスポージャー(p.114,図4-11をもとに作成)

正直,この“阻止の随伴性”を学べたことだけでも本書を読んで良かったと思えます。

「儀式行為による一時的な不安の低減」という従来の強迫性障害の病理モデルは一見すると分かりやすいのですが,特に行為が伴わない観念タイプの強迫性障害だと,上手くエクスポージャーが組み立てられず不発に終わることが多いと感じていました。

これまでは何となく“認知”を持ち出したりして,余計にややこしくしていたわけですが,この“阻止の随伴性”という視点から行動を見ることで,「何を阻止しようとしていたのか」をしっかりアセスメントできるようになると感じました。その上で,「阻止しようとしていた対象」にしっかり対応したエクスポージャーを行うことが本当の治療になるのだと痛感しました。上手くいかないからといって,すぐに複雑なモデルや技法に飛びつかないように気をつけたいものです。


 5章ではさらに,行動がどのような働きをしているかを分析する“機能分析”の重要性が紹介されています。すなわち,行動を正しく捉えるには,行動の“形態”ではなく,

●物や活動が得られる
●注目が得られる
●逃避・回避できる
●感覚が得られる

という行動の“機能”をしっかり見極めることが重要であるわけですが,それは,

行動分析4 (640x360)
図4 行動の機能分析(p.126,図5-5をもとに作成)

上図でわかるように,「新技のペン回し」という一見して同じ行動(形態)であっても,さまざまな機能が伴う場合があるからです。したがって,どのような機能を果たしているのかを先入観なしにアセスメントしないと思わぬ落とし穴にハマることになります。

このことは,同じ章で解説されている不登校への対応を読めばよく分かります。例えば,「学校に行きたくない」と子どもが言った場合,どう対応したら良いでしょうか?「学校でいじめられているのね!?じゃあ休みなさい!」と,すぐさま言って休ませれば良いのでしょうか?

この場合でも,もちろん「いじめっ子に合わなくてすむ」という「回避」の機能が働いている可能性はあります。しかし,それ以外にも「家にいるとマンガが読める」という「活動が得られる」機能や,「母親と一緒にいられる」という「注目」の機能などが,重複して機能しているかもしれず,行動の形態にとらわれない理解が求められるわけです。


 ここまででも実用的な内容が盛りだくさんといった感じなのですが,第6章では“トークンエコノミー法”の上手な活用の仕方が解説されています。特に,トークンエコノミー法が上手くいかない場合,それは「どの程度の行動にどの程度の価値と頻度で提示するのか」(p.178)という“さじ加減”を間違えていることが指摘されていますが,合わせて具体的な工夫のヒントも紹介されており,上手く活用できていない保護者や支援者は必読の内容となっています。

また,“定時(fixed-time:FT)スケジュール”による“強度行動障害”への介入事例も紹介されています。ここでは,行動の直後の呈示ではなく,問題行動の出現を随伴させないために小刻みに好子を呈示する“非随伴性強化法”なるものが紹介されており,行動分析学の応用範囲の広さに舌を巻かずにはいられません。


 以上の通り本書は,行動分析学を用いて数々の問題を解決してきた徹頭徹尾,臨床の人である行動分析家による行動分析学の入門書であり,「循環論」ではなく真に実用的な援助をという一貫した哲学をもとに,豊富な具体的をもとに行動分析学の日常行動や臨床場面での活かし方を解説した援助者必携のテキストです。

唯一感じた難点を記すと,日常行動から臨床事例まで非常に幅広い内容が含められており,行動分析の汎用性が感じられる一方で,タイトルにある「実践編」の通り「では自分の行動を」というところまでにはやや距離を感じる人がいるのではないかという点です。

もちろん,本書で書かれている内容をもとに,自分の行動を分析するのは自分しかいないのですが,後半の専門的な内容を削って,前半の日常行動の具体的な改善例を更に展開していく方が一般の人には参考になったのではないかと少し思いました。もっとも臨床現場にいる身としては,行動分析学のものの見方をより実際に即した形で学ぶことができとても参考になったのですが。

また,これは他書においても著者が記していることですが,著者がやったことをそのまま真似ても絶対成功しないということは肝に銘じておきたいと思います。そもそも,本書を最後まで読めば,単に行動の形態を真似するだけではダメだということが分かるはずです。

尚,少々穿った見方とは思いますが,「こんなことできんのやろ?」「専門家なんて肩書きついとるけど,実際は全然治せてないんちゃう?」「悔しかったらこのレベルまで追いついてみせい」という,良い意味での叱咤激励のメッセージも本書から読み取れました。

現場では著者が言うように,「循環論」を振り回し,問題を複雑に考えることで権威を守りたい専門家が多い(専門用語や難しい概念を使うことで賞賛を得る,専門用語が分からない者が自分に力量がないから支援が出来ないと勘違いして勝手に責任を背負ってくれることでさらに権威が守られる,という機能もあるのでしょう)と思いますが,そうした役立たずの専門家へのきついお灸でもあるのでしょう。

行動療法や行動分析学は「人間の行動を単純化し過ぎている」とか「本質的な問題をみていない」と批判されることは多いと思いますが,本書を読めば如何に人の行動を詳細に見ようとし,その人の行動の本質的な機能を分析するために細やかな見方をしているのかが分かるのではないでしょうか。蛇足になりますが,きちんとした精神分析家は実用的なものの見方をして支援をしていると思います。どの流派であっても,自分の専門性を誇示したい人ほど循環論に陥りやすい難しい概念をこねくり回すようになり,反実用的になっていくのでしょうか。そうはなりたくないものです。



【関連文献】
●行動分析学をさらに学ぶには…
オススメ『行動分析学入門―ヒトの行動の思いがけない理由』
(本書の姉妹編とも言える本で,“行動分析学”の泰斗が一般向けに記した行動分析学の入門書であり,日常的には馴染みが薄いと思われる,行動分析学がどのように人間の行動を捉えようとするかという“行動観”を,日常例を題材に分かりやすく学べる良書です。本書よりもより理論的な部分が丁寧に書かれており,合わせて読むことで行動分析学のものの見方がより深く学べます)

●発達障碍の支援法の1つであるABA(応用行動分析)についての分かりやすい本は
『できる!をのばす行動と学習の支援―応用行動分析によるポジティブ思考の特別支援教育』
(特別なニーズを要する子どもを支援する際に、応用行動分析(ABA)の考え方を用いて個人と環境の相互作用に着目し、不適切な行動を減らそうとするのではなく適切な行動を学習しやすくするという子どもの良いところを見つけてのばす支援法について書かれたテキストです。イラストが豊富に示されており、専門家でない人にもおすすめです)

『プラス思考でうまくいく行動支援計画のデザイン』
(応用行動分析(ABA)などと同じように障碍のある個人の問題行動を場面文脈から理解し、代替スキルの教授や環境調整などを通じて支援をしていこうとする一連のプロセスである“プラス思考的行動支援計画(Positive Behavior Support Plans:PBS)”に関するテキストです。支援ツールとしてのABAを、子どもの生活を向上させるという長期的な視点のもとに活かす大切さを教えてくれます)

●支援の実際については
オススメ『クラスで気になる子の支援 ズバッと解決ファイル―達人と学ぶ!特別支援教育・教育相談のコツ』
(多忙な教師や保護者向けに、通常学級にいる様々な困難な支援ニーズを持つ子どもを支援する方法を、具体的・実践的・取り組みやすいというポイントからその道のベテランが"ズバッ”と解説したガイドブックです)

『発達障害の子どもたち』
(アスペ・エルデの会を立ち上げられ、長年発達障碍の問題に従事されてきた児童青年期精神医学者が、発達障碍の誤解と偏見を解きつつ、その全貌を概観した解説書。実際の事例が豊富であり、特に特殊支援学級に通わせるか否かという問題については統計的なデータも参考にしながら、納得のいく解説を行っています)

『発達障害は治りますか』
(『コツ三部作』など精神科臨床で数々の業績を重ねておられる精神科医・神田橋條治氏と、長崎で感覚統合療法を用いて発達障碍を持つ人々を援助している作業療法士・岩永竜一郎氏が、発達障碍をめぐる援助のあり方について対談したものを本にしたもの。診断して終わり・・・ではなくその後の支援に結びつくような視点をもつにはどのようにすれば良いのか、支援者にとって参考になることが沢山書かれています)

●高機能自閉症スペクトラム障害(アスペルガー症候群)については
『みんなで学ぶアスペルガー症候群と高機能自閉症』
(アスペルガー症候群や高機能自閉症を抱えた子どもを持つ保護者こそ、子どもの最高の理解者であり大切な支援者であるという視点から、保護者向けにこの障碍の持つ特性を分かりやすく提示するとともに、成長に合せた関わり方など具体的な提案が書かれているガイドブックです。保護者向けの本なので、専門家でなくても分かりやすく書かれておりお進めです)

●保育の現場にいる方は
『保育士のための気になる行動から読み解く子ども支援ガイド』
(保育の現場で見られるようになった障碍や特別なニーズを抱える“ちょっと気になる子ども”の行動について、現場の保育士がどのように理解し、対応をすれば良いかを解説し、保育という活動がそのような支援にとってとても大切な場であることを示したガイドブックです。保育士の方には日々の多忙な保育現場でそのまま使える内容が多く書かれており、参考になると思います)

●思春期・青年期の発達障碍支援に関しては
『思春期・青年期の発達障害者が「自分らしく生きる」ための支援』
(「思春期・青年期」という学校から社会という心理・社会的な移行期に求められる支援の在り方について、学際的な立場から具体的な支援の実際とそのポイントを分かりやすく記した既存の本の間隙を埋める貴重な本です)

●発達障碍を持つ進学希望者を支援する方、あるいは受け入れ側の担当者の方は…
『発達障害のある高校生への大学進学ガイド──ナラティブ・アプローチによる実践と研究』
(システム構築・実施の当事者の方々が支援を受ける学生へのインタビューや、高校教員や大学職員へのニーズ調査、英国での支援紹介などを通じて、類例の少ない高大以降支援体制や大学における発達障碍支援のあり方とシステム構築の実際を紹介したガイドブックです) 

●支援者のあり方については…
『子どものこころを見つめて──臨床の真髄を語る』
(日本の児童精神医学を牽引されてこられた児童精神科医3名が集い、昨今の“DSM”や“発達障碍”の興隆を見据えながら子どもの臨床にとって大切なことを語り明かした対談本です。単なる対談本の域を超えて、児童精神医学だけでなく現在の臨床のあり方に対する“警鐘”を鳴らす本でもあり、臨床現場で従事している人あるいは保護者を含めた支援者に広くおすすめしたい内容となっています)

 ●アスペルガー症候群(AS)を抱える本人(中高生)向けの本としては…
『あなたがあなたであるために―自分らしく生きるためのアスペルガー症候群ガイド』
(主に中高生向けにアスペルガー症候群(AS)のことを知り、そしてそれを抱えた上で“少数派”の自分が“多数派”の中でどう生きていくのかということを解説した当事者あるいは支援者のためのセルフヘルプ本です。“障碍”や“個性”などという固定的な枠で捉えることなく、アスペルガー症候群(あるいは広く発達障碍全般)に関して、“あなたがあなたでいるために”という書名に違わず、 “間違っている”のではなく“多数派とは違う”という視点から、“多数派”の中で生きる力を身につけるために必要なことを中高生にも分かりやすく伝えてくれる優れた本です)

●当事者(障碍をもつ子どもを抱える家族)向けの本としては
『特別なニーズを持つ子どもを理解する (タビストック 子どもの心と発達シリーズ)』
(身体障碍や知的障碍、発達障碍などを抱えることによって特別なニーズを持つ子ども(child with special needs)について、発達障碍の特性に関してだけではなく、そのような“特性”を持つ子どもが乳幼児期にどのような発達をし、そのことで家族のどのような影響を受けるかということを、親や支援者向けに分かりやすく解説したハンドブックです。障碍に対する対処ではなく、障碍を持つことで家族力動がどのように変化し、それに応じてどのような対応が求められるのかという広い視野で書かれています)

●夫婦・パートナー関係については…
『一緒にいてもひとり―アスペルガーの結婚がうまくいくために』
(パートナーがアスペルガー症候群(AS)を抱えていることで生じる夫婦関係の数々の困難を自身の17年にも及ぶ苦闘の結婚生活をもとに記し、夫がアスペルガー症候群(AS)であると分かってからのお互いに対する認識の変化や、パートナーと上手くやっていくための知恵について記した体験談です。豊富なエピソードやそれにまつわる感情的な苦悩、アスペルガー症候群(AS)という理解がもたらした変化、そして何よりも17年という苦闘の歴史が記された本書は、同じような悩みを抱える当事者の方にとってはきっと役立つものとなると思います)

この記事へのトラックバックURL

http://trackback.blogsys.jp/livedoor/youarethereasoniam/51966399 

トラックバックはまだありません。

コメントはまだありません。

コメントする。

絵文字
 
星  顔