February 04, 2018

ことばの“レディネス”をアセスメントする:『乳児健診で使える はじめてことばが出るまでのことばの発達検査マニュアル』 4

乳児健診で使える はじめてことばが出るまでのことばの発達検査マニュアル
長尾 圭造,上好 あつ子 明石書店 2009-11-26
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by ヨメレバ
【推奨対象者】乳児の健診・臨床に携わる方,1歳前後までの子を持つ保護者の方,乳児期の発達に興味関心のある方

 本書は,長尾こころのクリニック院長の児童精神科医・長尾圭造氏と,西宮市立中央病院小児科の臨床心理士・上好あつ子氏によって書かれた,ことばが出る前の乳児の“ことばのレディネス(発語前言語能力)”の解説と,これを測定するために作られた“長尾式発語前言語発達検査(N-PLS: Nagao Pre-Linguistic Scales)”のマニュアル本です。

内容は以下の通りです。

はじめに

パートI 乳児期のことばの発達のしかた
 1.乳児期のことばのレディネスと幼児期早期のことば
 2.乳児期のことばのレディネス検査化
 (1)発語する以前のことばのレディネスとは
 (2)ことばのレディネスの定義
 (3)ことばのレディネスを構成するもの
 3.レディネス検査の構成と項目の概要
 §1.言語状況における場での様子
 §2.象徴化されたものを有する能力
 §3.表出能力

パートII 乳児期のことばのレディネス発達検査
 4.テスト項目の説明
  A:児から母親への働きかけ
  B:母親の働きかけに対する情緒的反応
  C:時間的空間的広がりのある場・状況の理解とかかわり方
  D:外界対象物の認知
  E:構音(発声と喃語)
  F:身体運動を伴った外界への働きかけ
  G:静観する態度
  H:喃語
  I:要求表現(対象物を獲得するための表現)
  J:コミュニケーションの分化
  K:自発的探索・能動的行為によるまわりへの働きかけ
  L:場とコミュニケーシヨン
  M:記号化の始まり
  N:対象把握行動
  O:伝達機能の分化
  P:ことばの理解(初期)
  Q:対象操作能力
  R:発語の始まり
 5.望ましいテスト状況とテスト実施手順
 (1)望ましいテスト状況
 (2)テスト実施手順
 6.テスト用具
 7.テストの標準化について

パートIII 発達検査の利用法
 8.テスト結果の活用のしかた
 9.テスト結果の読み方
 10.テストの子育てへの利用法
 付録:母子手帳補充版用「母親もできる わが子のことばの発達チェック」

パートIV 発達検査の臨床応用のしかたとその結果(参考症例など)
 相談例 症例1:自閉症の疑いで受診したが、経過を見ているうちにそうではないことを示せた例
 治療例 症例2:先天性甲状腺機能低下症例で小児科にて治療をしたが、その結果、判定を依頼された例
 予想される発達障害の程度や特徴を知る発達経過観察例 症例3:ダウン症による言語遅滞の例
 ハイリスク新生児のフォロー例 症例4:新生児期低酸素脳症例
 ハイリスク新生児のフォロー例群 症例5:極小未熟児・超未熟児の発達予後

 参考文献
 最後に

 付録:長尾式発語前言語発達検査(N-PLS: Nagao Pre-Linguistic Scales)

(目次より)
 「わが子はいつしゃべるようになるだろうか?」
 「うちの子はまだしゃべらないけれども,大丈夫かしら?」

こうした“ことばの発達”についての心配というのは多くの保護者にとって最大の関心事であると思います。特に,“発達障害(神経発達症)”に強い関心が寄せられている昨今では,「ことばを発したか/否か」という分かりやすさのためか,余計に気になってしまうポイントだと思われます。

しかし,いざ子どもの発達のおくれに関して相談に行ったとしても,「様子を見ましょう」という決まり文句しか言われず,途方に暮れるということも少なくありません。

かと言って,「子どもがいつことばを発するのか,ことばが出る前に分かる」方法なんてあるのでしょうか。本書で解説されている,“長尾式発語前言語発達検査(N-PLS: Nagao Pre-Linguistic Scales)”(以下,N-PLS)はまさにそんな,“ことばのレディネス(発語前言語能力)”を測定するために作られた言語発達検査です。


 では,N-PLSで測定される“ことばのレディネス(発語前言語能力)”とは,何を指すのでしょうか?本書パート気任蓮“ことばのレディネス”の測定項目として,発語に至るまでの言葉の準備状態,すなわち“非言語的言語能力(non-verbal linguistic ability)”を構成する以下の項目が挙げられています。

表 ことばのレディネスから見た検査の構成(p.13 表1-1をもとに作成)
ことばのレディネスから見た検査の構成


これらの項目をもとに,N-PLSは以下の3つのセクション:§を柱として検査項目が構成されています。

  • §1. 言語状況の場の様子
  • §2. 象徴化されたものを有する能力
  • §3. 表出能力(構音および喃語)
    (p.14)
それぞれのセクションでは,検査項目が月齢ごとに系統的に並べられています。これは,ビネー式知能検査の年齢尺度のような検査項目の並べ方を想像してもらえれば分かりやすいかと思います。つまり,ことばが出始めるまでの発達の連続性が分かりやすい項目立てになっていることが特徴です。

例えば,「§1. 言語状況の場の様子」における乳児と養育者との関係性の発達に関する「i) コミュニケーションの形成」は,

  • [A:児から母親への働きかけ]
  • [B:母親の働きかけに対する情緒的反応]
  • [I:要求表現(対象物を獲得するための表現)]
  • [H-5:社会的喃語(呼びかけと応答の発声)]
  • [J:コミュニケーションの分化]
    (p.15)
という項目によって,発達が分化されていく様子が把握できるようになっています。


 実際の各項目の詳細はパート兇脳楮戮鵬鮴發気譴討い泙后ここでは,出産予定日から数える生後日数(日齢,post conceptional age:PCA)を横軸とした健常乳児119名の項目通過率曲線が示されています。

例えば,前述した[B:母親の働きかけに対する情緒的反応]は,さらに,

  • [B-1:情緒的反応の出現(機法
     
    空腹・痛み・不快などで乳児が泣いているときに,母親が抱いたり近寄ったり話しかけたりすると,その声や態度により一時的に泣きやむ。
  • [B-2:情緒的反応の出現(供法
     
    乳児を寝かせたり,乳児用のイスに座らせたり,抱いたりしているときに,母親があやすように近づいていくと,母親のほうを注視しながら何度も[アウ]とか[ウバー]とか[ウックー]などの声を発する。あるいは,表情が微笑んで語りかけるような印象を受ける
  • [B-3:情緒的反応の分化(機法
     
    養育態度のうち,母親の拒否・無視・不快といった態度には,快反応を示さないで,不機嫌・泣きそうな表情・悲しそうな表情・キョトンとした表情などの中性,ないしは不快な反応を示す。たとえば,普段よりも少しきつい口調で児に「ちょっと待ちなさい」などと話しかけると,児が普段と異なった反応を示す
  • [B-4:情緒的反応の分化(供法
     児にとって好ましい,望ましい状況が出現すると,そのこと(状況の変化)が理解できて,リズムや抑揚のある喃語を発して応じ返したり,あるいは,手足をバタバタと動かす。(中略)視線は,話しかけている人の方を見る
    (pp.28-30より,説明文は一部を抜粋。赤字下線は筆者)
と,段階を追ってチェックできるようになっており,情緒的交流がよりはっきりと,そしてやり取りする情緒も状況に沿って分化したものになっていきます。これらの発達の変化がとても良く分かる項目立てになっていることが分かるでしょうか。

さらにこの[B:母親の働きかけに対する情緒的反応]は,[M:記号化の始まり]へとつながっていきます。具体的には,「両手を水平に広げる姿勢を示すと,それだけで抱かれることがわかり喜ぶ表情を示す」(p.42)という行動を示すわけです。つまり,「両手を水平に広げる」行動が呈示されると,“直後”に抱いてもらえるという快体験が予測されるので,「両手を水平に広げる」という行動が快感情を予想させる“記号”として機能しているわけです。[B:母親の働きかけに対する情緒的反応]はそのための準備段階というわけです。
(Skinnerの行動分析学を彷彿とさせる内容で,個人的に言語行動が言わんとしていることがこれまで以上に理解できたようで,思わぬ収穫でした)

このように緻密に編まれた検査項目は,パート気任盡正擇気譴討い襪里任垢,SapiaやSaussure,Chomsky,Bloom,Warron,Brunnerなどの言語理論や認知発達論などをしっかりと下地にしており,各項目の関連が乳児の発達の様子を活き活きと描いたものになっているのもうなずけます。

また,項目が系統化されているため,ビネー式知能検査と同様に現在の発達水準の次の水準にある項目へと橋渡しがされるように周りから刺激を与えていく,などの具体的な促し方や,次はおそらくこうした変化が出てくるという見通しを持ちやすくなる,というメリットがあります。


 パート兇慮緘召肇僉璽鉢靴砲蓮ぅ謄好箸了楾塰,梁勝ど現牴修離如璽燭掲載されています。また,パート犬砲麓尊櫃了例が載っています。この内,

  • 「相談例 症例1:自閉症の疑いで受診したが、経過を見ているうちにそうではないことを示せた例」
  • 「治療例 症例2:先天性甲状腺機能低下症例で小児科にて治療をしたが、その結果、判定を依頼された例」
は非常に学ぶところが多い事例報告となっています。

症例1では,生後3ヶ月の子どもの様子を見ていて「インターネットで自閉症を調べたら,6ヶ月の乳児が示す自閉症の早期症状がすべてこの次男に当てはまる」(p.84)と心配になり受診されたとのことですが,通常こうした事例に対しては「様子を見ましょう」で終わることが非常に多いのではないかと思います。

ここでは,N-PLSを用いて1か月間隔で診察と検査を行っていくことで,最初は正常下限(-2SD)を示していた検査結果が,平均と下限を行きつ戻りつしながらも平均範囲まで成長していく姿がグラフとなって捉えられています。子どもの発達が決して直線的なものではないことを改めて教えてくれる事例です。

また,症例1では検査結果だけでなく,「兄は活発で,やや多動傾向のある子どもで,その子育て経験が基になっていた。つまり兄の活発さが,一つの基準となっていたこと」(p.85)という家族内の状況も書かれてるのも大事な部分です。つまり,親が不安を持った要因を当該児が置かれていた状況も踏まえた上でアセスメントをしており,地味に学ぶべきポイントです。アセスメントを検査結果だけで行うことの危険性がよく分かる事例です。

また,N-PLSでは検査を継続的に実施することで,グラフやプロフィールとして自分の子どもの発達の進み具合が視覚化されるようになっています。それを示されたこともあってか,「だんだんと安心できるようになった。このところ,もう心配していない」(p.90)という母親の発言に至るまでになるところからは,検査の本当の活かし方の1つの例が描かれているように思われます。

症例2は,先天性甲状腺機能低下症を抱えた女児に対して継続的にN-PLSを実施した事例です。先天性甲状腺機能低下症は治療をしないと知的障害をきたすとされていますが,この事例では治療開始が遅くなかったかどうか,ホルモン剤投与が発育に与えた影響はないか,といった点での検査オーダーでした。N-PLSを継続的に実施することで,正常発達に至っていると示せたため,小児科からのオーダーに専門性を持って応えられた事例となっています。


 以上の通り本書は,ことばが出る前の乳児の“ことばのレディネス(発語前言語能力)”を測定する“長尾式発語前言語発達検査(N-PLS: Nagao Pre-Linguistic Scales)”についてのマニュアル本であると共に,単なるマニュアル本に留まらない言語発達に関して非常に有用なアセスメントの視点を教えてくれる指南書です。

N-PLSが作成されたのは,'80年代後半から'90年代前半で本書出版の2009年よりだいぶ前になります。そのためか,N-PLSを活用しているという話は寡聞にして知りません。

しかし,N-PLSは特に発達障害のための検査として作成されたものではないようですし,付録に「母子手帳拡充版用 母親もできるわが子のことばの発達チェック」が付いていることからも,子育ての際の参考にしてもらえるようにという狙いもあるようですので,もっと広く活用されても良いのではないかとも思います。

巷ではウェクスラー式知能検査のような,統計的根拠をもとにした分析的検査の方が重宝されるようですが,本当に数値の意味するところを分かっているテスターはどれだけいるのでしょうか?数値をもとに,当てはまる記述をテキストから書き写す空疎な所見を書いてしまうのは,本書にあるような臨床観察や背景理論に根ざしていないテスターの不勉強のせいだと言っても過言ではないでしょう。

ウェクスラー式知能検査のような検査ばかりがもてはやされ(ちなみに,WIPPSI-が2017年12月に発売されています→出版社HP),ビネー式知能検査や新版K式発達検査のような生活に根ざした検査が軽んじられるような風潮はいかがなものかと思います。もちろんウェクスラー式知能検査であっても,行動観察は重要な要素になっています。ただ,悲しいかな,観察結果を所見にまで昇華させる基礎理論を今の訓練システムでは十分に教えてもらえないのが実態です。

検査をただ取るだけでなく,本書の症例1のように対象者を取りまく状況や観察結果を踏まえ,さらにしっかりとした理論に根ざしたアセスメントを実施したいと思える本でした。
(言語学など新しくしっかり勉強したい分野が出来たのは嬉しい悩みです)


【関連文献】
●行動分析学をさらに学ぶには…
オススメ『行動分析学入門―ヒトの行動の思いがけない理由』
(本書の姉妹編とも言える本で,“行動分析学”の泰斗が一般向けに記した行動分析学の入門書であり,日常的には馴染みが薄いと思われる,行動分析学がどのように人間の行動を捉えようとするかという“行動観”を,日常例を題材に分かりやすく学べる良書です。本書よりもより理論的な部分が丁寧に書かれており,合わせて読むことで行動分析学のものの見方がより深く学べます)

●発達障碍の支援法の1つであるABA(応用行動分析)についての分かりやすい本は
『できる!をのばす行動と学習の支援―応用行動分析によるポジティブ思考の特別支援教育』
(特別なニーズを要する子どもを支援する際に、応用行動分析(ABA)の考え方を用いて個人と環境の相互作用に着目し、不適切な行動を減らそうとするのではなく適切な行動を学習しやすくするという子どもの良いところを見つけてのばす支援法について書かれたテキストです。イラストが豊富に示されており、専門家でない人にもおすすめです)

『プラス思考でうまくいく行動支援計画のデザイン』
(応用行動分析(ABA)などと同じように障碍のある個人の問題行動を場面文脈から理解し、代替スキルの教授や環境調整などを通じて支援をしていこうとする一連のプロセスである“プラス思考的行動支援計画(Positive Behavior Support Plans:PBS)”に関するテキストです。支援ツールとしてのABAを、子どもの生活を向上させるという長期的な視点のもとに活かす大切さを教えてくれます)

●支援の実際については
オススメ『クラスで気になる子の支援 ズバッと解決ファイル―達人と学ぶ!特別支援教育・教育相談のコツ』
(多忙な教師や保護者向けに、通常学級にいる様々な困難な支援ニーズを持つ子どもを支援する方法を、具体的・実践的・取り組みやすいというポイントからその道のベテランが"ズバッ”と解説したガイドブックです)

『発達障害の子どもたち』
(アスペ・エルデの会を立ち上げられ、長年発達障碍の問題に従事されてきた児童青年期精神医学者が、発達障碍の誤解と偏見を解きつつ、その全貌を概観した解説書。実際の事例が豊富であり、特に特殊支援学級に通わせるか否かという問題については統計的なデータも参考にしながら、納得のいく解説を行っています)

『発達障害は治りますか』
(『コツ三部作』など精神科臨床で数々の業績を重ねておられる精神科医・神田橋條治氏と、長崎で感覚統合療法を用いて発達障碍を持つ人々を援助している作業療法士・岩永竜一郎氏が、発達障碍をめぐる援助のあり方について対談したものを本にしたもの。診断して終わり・・・ではなくその後の支援に結びつくような視点をもつにはどのようにすれば良いのか、支援者にとって参考になることが沢山書かれています)

●保育の現場にいる方は
『保育士のための気になる行動から読み解く子ども支援ガイド』
(保育の現場で見られるようになった障碍や特別なニーズを抱える“ちょっと気になる子ども”の行動について、現場の保育士がどのように理解し、対応をすれば良いかを解説し、保育という活動がそのような支援にとってとても大切な場であることを示したガイドブックです。保育士の方には日々の多忙な保育現場でそのまま使える内容が多く書かれており、参考になると思います)

●基本的な心理アセスメントについては・・・
『臨床心理アセスメントの基礎』
(臨床心理学的援助活動の大事な要素である,心理アセスメントについて,その起源から最新の流れまでを整理し,質問紙法や投影法などの心理検査を,発達検査などの対象・領域別に整理・概観した,学部レベルには最適のテキスト。知識に漏れがないか点検する意味でも,不安のある人は一読しておくと良いかもしれません)

オススメ『改訂 臨床心理アセスメントハンドブック』
(昨今のエビデンス・ベーストの流れに即し,妥当性や信頼性研究などの客観的な心理アセスメントに求められる情報を可能な限り掲載し,最新の研究の流れも紹介することで,実証的な臨床心理学に求められる心理アセスメントに必要な知識を盛り込んだハンドブックです。量的分析の解釈法も再録されています)


●アセスメントの具体的なやり方については…
オススメ『医療・保健・福祉・心理専門職のためのアセスメント技術を高めるハンドブック―ケースレポートの方法からケース検討会議の技術まで―』
(より良いアセスメントやケース・カンファレンスを行うために必要なアセスメント技術を,分かりやすいケース・レポートの具体的な書き方・効率的なケース・カンファレンスの進め方を解説することを通じて示したハンドブックです。雑多な情報に埋もれやすい援助職の現場では大いに役立つとともに,日頃のアセスメントを振返るためにも有用な1冊です)


●領域別・問題別に必要なアセスメント手法を学ぶには・・・
オススメ『|実践|心理アセスメント―職域別・発達段階別・問題別でわかる援助につながるアセスメント』
(心理アセスメントについて,医療や教育などの「職域別」・児童期や成人期などの「発達段階別」・認知症や性被害などの「問題別」に具体的な事例をもとに援助のイメージができるような形で解説が書かれたテキストです。数ページで簡潔に解説されているため,自分の関心のある領域に求められるアセスメント手法は何かを知るためには最適だと思います)


●精神科領域の心理アセスメントについては…

オススメ『精神科臨床における心理アセスメント入門』
(長年精神科臨床に従事されている津川律子氏によって書かれた,心理アセスメントの現状や,専門家として何が必要かといったことについて読者に再考を促すような本です。単なるマニュアル本ではありません。“精神科臨床”と銘打っているが,領域によらず,ここで紹介されているような心理アセスメントの6+1の視点は,心理臨床を行う上でとても参考になります。これから心理臨床に携わるような大学院生は必読です)


●発達障害のアセスメントについては…
オススメ『「臨床心理学」13(4)-特集 対人援助職の必須知識 発達障害のアセスメントを知る』
(知能検査だけに留まらない発達障碍支援に必要な包括的なアセスメントの視点・ツールについて最新の情報をコンパクトに紹介した雑誌です。従来の“知能・認知機能”評価だけに留まらない幅広い視野から発達障碍支援に必要なアセスメントの視点とツールが包括的に紹介されており,知っておきたい情報がコンパクトに収録されている本誌は忙しい心理士にとって非常に有用な情報源になると思われます)


●検査結果の伝え方については・・・

『事例でわかる心理検査の伝え方・活かし方』
(心理検査について書かれた本の中でも,検査結果を医師などの他職種や,クライエント本人にどのように伝え,そしてどのように活かしていけば良いのかを,“医療”・“福祉”・“司法”・“産業”の領域ごとに実際の事例とそれに対するベテラン臨床家のコメントで構成された,アセスメントフィードバックの解説書。中堅の人が書いたもの(とされている)で,実際の検査報告書も載っているため書き方が分からない初学者にはある程度参考になるとは思いますが,正直ガチガチの専門用語で固められたものが多いという印象で,むしろ周りとの連携の仕方の方が参考になるという本だと思います)


●さまざまな報告書の書き方で悩んでいる人は・・・
『心理学と精神医学の分野での報告書の書き方』
(長年,学生相談や心理相談に従事され,学生の指導も担当されてきた心理学者によって書かれた手引書。報告書の持つ基本的な機能や,系統立った報告書を書くための様式や,具体例が豊富にされておりとても参考になります。良い報告書を書くために膨大な時間を浪費してしまう前に是非)

『精神科症例報告の上手な書き方』
(心理領域ではなく,精神科医によって書かれた報告書の書き方についてのマニュアル本。資料の検索から,学会誌への投稿まで幅広く丁寧に解説されています。バランスよく解説が書かれており,また,論文が長くなった際などのトラブルシューティングが簡単ながら載っておくと役に立つかもしれません。心理学分野の人は本書の他も当たったほうが良いと思われます)

『エッセンシャルズ 心理アセスメントレポートの書き方』
(心理アセスメントの中でも特に教育分野における心理教育的アセスメントにおけるアセスメントレポートの書き方に関して,検査結果や観察所見などで得られたデータをもとに解釈や援助方針を組み立てる,レポート作成のプロセスに焦点を当てた解説書。類書に比べて,データをどうまとめてレポートに結実されるかというプロセスが丁寧に解説されています。教育領域の内容が多くなっていますが,医療領域の方でも参考になると思います)
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