朝が来て、俺は自然と目を覚ます。
そこに爽快感はない。
不快な1日が、また始まってしまった。
ダルくて重たい心と身体を起こし、俺はかみさんの仏壇の前に座る。
かみさんに線香をあげて、位牌を見つめる。
俺は身体の真ん中から深いタメ息を吐き出す。
バルコニーに出て、タバコを吸う。
肝硬変のせいだろうか。
俺の全身が微かに震えている。
タバコを吸い終わり、部屋に戻る。
かみさんにお供えをし、再び線香を手向ける。
しばしの間、仏前でボンヤリと過ごす。
仕事を休み、夜までウィスキーを飲んでボンヤリしていたいな…と思う。
そんな誘惑に逆らって、俺はスーツに着替えて出勤する。
・・・
通勤電車の中。
俺は依然としてボンヤリしている。
心が深い所まで落ち込んでいて、気分がとても重たい。
哀しいのとは違う。
淋しいのとも違う。
重いんだ。
虚しいんだ。
バカバカしいんだ。
ボンヤリしている…なんて言ったけど、本当はボンヤリしているわけじゃない。
抑鬱状態なのだ。
以前、「鬱は周囲の人々に伝染するから、無理にでも明るく元気に振る舞え」と言われたことがある。
こんなに重たい気分で出勤したら、部下たちに鬱が伝染して迷惑を掛けてしまうかもしれない…と不安になる。
だが、どうにもならないんだ。
俺は重たい鬱を抱えたまま出勤する。
・・・
会社に到着すると、俺の意思に関わらず、心のスイッチが"ON"になる。
俺はごく自然に「明るく元気な課長さん」の仮面を被ることができる。
鬱を伝染させてしまう…とか、部下たちに迷惑を掛けてしまう…とか、すべては杞憂だった。
だが…
仕事が終わって帰路に就くと、仮面は自然と剥がれ落ちる。
そして、再び鬱がやってくる。
真っ暗な自宅に帰り、自分が「ひとり」であることを実感する。
かみさんに夜のお供えを済ませると、あとは「やるべきこと」は何もない。
シャワーを浴びて、飯を食い、酒を飲んでは酔いつぶれるだけだ。
アルコールのおかげで脳と身体が弛緩していく。
このまま安らぎを感じられればいいな…と思う。
しかし…
目の前に現れるのは虚無なのだ。
大きくて、真っ黒で、真っ暗な穴が開いているのだ。
あの穴と対峙するたびに思うんだ。
俺はいったい、何をやっているんだろう…
俺はいったい、何のために生きているんだろう…と思うんだ。
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そこに爽快感はない。
かみさんに線香をあげて、
俺は身体の真ん中から深いタメ息を吐き出す。
肝硬変のせいだろうか。
タバコを吸い終わり、部屋に戻る。
しばしの間、
仕事を休み、
・・・
俺は依然としてボンヤリしている。
淋しいのとも違う。
重いんだ。
虚しいんだ。
バカバカしいんだ。
抑鬱状態なのだ。
以前、「
だが、どうにもならないんだ。
俺は重たい鬱を抱えたまま出勤する。
・・・
俺はごく自然に「
鬱を伝染させてしまう…とか、部下たちに迷惑を掛けてしまう…とか、
だが…
仕事が終わって帰路に就くと、
そして、再び鬱がやってくる。
真っ暗な自宅に帰り、自分が「ひとり」であることを実感する。
かみさんに夜のお供えを済ませると、あとは「やるべきこと」は何もない。
シャワーを浴びて、飯を食い、酒を飲んでは酔いつぶれるだけだ。
アルコールのおかげで脳と身体が弛緩していく。
このまま安らぎを感じられればいいな…と思う。
しかし…
目の前に現れるのは虚無なのだ。
大きくて、真っ黒で、真っ暗な穴が開いているのだ。
あの穴と対峙するたびに思うんだ。
俺はいったい、何をやっているんだろう…
俺はいったい、何のために生きているんだろう…と思うんだ。
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