俺が課長を務めるセクションの隣には、別のセクションがあり、そこにも課長がいる。
その課長(Sさん)は、
俺より7歳年上の女性だ。

俺とSさんとでは、
やっている仕事は基本的に同じだ。
同じ仕事を二つの課で分担しているというわけだ。

以前にもブログに書いたとおり、
俺が今の部署に配属されたのは4月1日。
またSさんも、
4月1日付けで今の部署に異動してきた。

まったく経験したことのない仕事を、毎日、
右往左往しながら処理していく。
右も左も分からないという点では、俺もSさんも同じだ。

だが、
このSさん、どうやら俺の「重荷」になりそうだ。



俺は試行錯誤を重ねながらも、
何とか遺漏のないよう仕事をこなしている。
だがSさんは、
自分で試行錯誤をするのが嫌いらしい。
考えるのが面倒だから、
隣の課長に聞いちゃえとばかり、俺に仕事の進め方を聞いてくる。

俺だって分かんねえよ!と怒鳴りたくもなるのだが、
Sさんの無神経だけど憎めないキャラクターのせいだろうか、何にも考えてないような性格のせいだろうか、仕方がないので俺が教えてあげるハメになってしまう。



先日Sさんとランチに行った。
Sさんは俺のこ
とを知っていた。

かみさんが癌で亡くなったことも、
かみさんを喪ってから、俺が鬱になり、長期間休職していたことも、
俺が酒に溺れて肝硬変になったことも知っていた。
おそらく、
部長あたりから聞いたのだろう。

だが、
俺がかみさんの死から立ち直ったフリをしているだけだということには気づいていない。
本当に立ち直ったと思っているようなのだ。

俺は今だって哀しいんだ!
俺は今だって淋しいんだ!
生きてることが虚しくて、死ぬことさえ願ってるんだ!
俺はいつだって、かみさんを求めてるんだ!
いくら求めても、
決して得られないことに絶望してるんだ!
俺の心が叫んでる。

だが、その叫びは、無神経で、
何にも考えてないSさんには届かない。
奥さんが死んだ? ふ~ん、
そうなんだ。 でも、それがどうしたの?
そんな空気を醸し出すSさん。
俺は立ち直ったフリを装って、
元気で明るい人の「仮面」を被っているが、その「仮面」が十分に機能しているってことなんだろう。

だが、
かみさんを喪ったことに対し、それがどうしたの?という反応をされると、俺はすべてを破壊したくなる。
俺が被る「
仮面」も、Sさんのことも、俺を取り巻く世界のすべてをも、破壊したくなるんだ。

今日も俺は、自分の心を磨り減らし、
自分の哀しみを押し潰すしかないんだ。

にほんブログ村 家族ブログ 死別へ
←いつもありがとうございます。ポチっとクリックお願いします。
にほんブログ村