5月17日の水曜日。
会社での仕事中のことだ。

俺のパソコンの中に、古いメールが残っていることに気づいた。
なんで今まで削除しなかったんだろう…と思いつつ、メールを開いた。
確認してみると、未読のメールではなく、
以前に読んだ記憶のあるメールだった。

かみさんが元気だったころ、自宅から俺に送ってくれたメールだ。

内容は他愛もない。
「プーちゃん、ハエやっつけたぞ~!」
という文面だ。

家にハエが入り込んだ。
かみさんが殺虫剤か何かでハエをやっつけた。

そんな些細なことだが、かみさんは俺に伝えたかったんだろう。



不意討ちだった。
心の準備ができていなかった。
そのメールの「
プーちゃん」という5文字を見た瞬間、涙がドッと溢れてしまった。
幸い部下たちには気づかれなかったようだが、俺は不覚にも涙をこぼしてしまったのだ。

かみさんからのメール。
その中の「プーちゃん」という文字。

まるでかみさんが傍にいて、
かつてのように何気なく、「ねぇ、プーちゃん」と呼んでくれた時のような、仄かな温かさに包まれた。
だが同時に、いくら歯を食いしばって生き続けても、かみさんが「ねぇ、プーちゃん」と呼んでくれることは、もう二度とないんだとも思った。
そして、
あの頃に還りたいと強く想った。

かみさんからのメールの「
プーちゃん」の5文字を見たとき、
俺はほんの一瞬のうちに、
温かさと、絶望と、淋しさとを感じた。

なんだか無性に哀しくなって、俺は泣いてしまった。


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