どこにだって、下世話な奴はいる。
どこにだって、
伴侶を亡くした者の心を覗きたがる奴はいる。

かみさんの命日が近づいているからだろうか。
奴らは「
もう立ち直った?」とか、「もう元気になった?」と聞きたがる。

単なる社交辞令なのか、それとも好奇心なのかは知らないが、いずれにしても、奴らは俺を心配しているわけではない (そもそも俺は、奴らに心配して欲しいなんて思ってない。放っておいて欲しいと思っている) 。

どうやら興味があるらしい。
「最愛の人との死別」という、奴らにとっては未知の領域を覗いてみたいのだ。
最愛の人を亡くす」という、自分にとっては縁のない残酷な世界を、安全な場所から眺めてみたいのだ。



「もう立ち直った?」
と聞きたがる人々は、俺の本心を知りたいわけではない。
初めから、「もう立ち直ったよ!」という答えを期待しているのだ。

そんな連中の前で、
本心を吐露してはならない。
「今でも哀しいよ…」、「
今でも寂しいよ…」なんて本音を言えば、奴らは瞬時に不快感を表す。

それだけなら俺も堪えられる。
だが、
奴らの中には、余計なことを言う者もいるのだ。

「もう、
いい加減に立ち直ったら?」
そんな
セリフを吐くのなら、初めから「もう立ち直った?」などと聞かなければいい。

だが、
奴らは好奇心を抑えられないのだ。
だからこそ、「
もう立ち直った?」などと聞いてくるのだろう。



もう立ち直った?」と聞きたがる人々。
そんな奴らに本心を語る必要などない。
「ボチボチね…」
とでも答えておけばいい。

奴らは心配してあげている「フリ」
をしたいだけなのだ。
奴らは「良い人」、「優しい人」の「フリ」
をしたいだけなのだ。
そんな連中には「ボチボチね…」
と答えておけばいい。

本心を見せれば、
傷つけられるのがオチだからだ。

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