梅雨に入ったせいか、天気の悪い日が多い。
昼間であっても、
電気を灯けなければ家の中は暗い。

夜のように真っ暗であれば、
気分も落ち着くのだが、中途半端な暗さは、かえって心をザワつかせる。
まるで狭い牢獄の中に閉じ込められたみたいだ。
周囲の壁が、
俺に迫ってくるみたいだ。

閉塞感、圧迫感がハンパじゃない。
心が重たい。
鬱がつらい。
潰れてしまいそうだ。

外出すれば、
多少の解放感を得ることはできる。
だが、
そこは家族づれの笑顔で満ちていて、俺は自分の居場所を見つけることができず、結局は自宅に引き返す。

梅雨のせいだろうか。
それとも命日が近いためだろうか。
最近、頻繁に涙が出る。

気が狂ったように泣き叫ぶことはないものの、ある時は咽び泣き、ある時は涙が溢れる。



かみさんが亡くなって数年。
その間、「
かなしみ」の質は少しずつ変わっていった。

以前はもっと激しかった。
心を引き裂かれるような、
内臓を抉り取られるような「悲しみ」だった。

頭や胸をかきむしり、泣き叫んだ。
泣き叫び、
心の底から求めれば、かみさんが生き返るんじゃないかと想っていたのかもしれない。

あのころ俺は、狂気の中にいた。



今はもう、
あんなふうには泣けない。
声を殺し、
全身を震わせながら咽び泣くだけだ。
あるいは、ふとした瞬間、
涙が滲むだけだ。

だけど、とても「哀しい」。

もう、
容ちゃんがいた頃には還れないんだ。
もう、容ちゃんには逢えないんだ。
そんなことは分かっている。

なのに、俺はあの頃に還りたい。
今でも俺は、容ちゃんに逢いたい。

容ちゃんに逢いたくて、逢いたくて、逢いたいけれど、どんなに願っても叶いはしない。
それが分かっているから涙が出てくるんだ。

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