8月10日の未明。
俺はかみさんの夢を見た。

夢のストーリーはボンヤリとしか覚えていない。
目覚めた瞬間、
怖かったような、悲しかったような、そんな記憶が残っているだけだ。

かみさんに逢いたいのに逢えない。
かみさんが遠くに行ってしまう。
俺は必死でかみさんを探すのに、
かみさんの姿が見つからない。
ひとことで言えば、
悪夢だったのだ。

そんな夢を見ると、
目覚めた直後の気分は最悪だ。
その気分をどう表現したらいいのか分からない。

悲しいと言えばいいのか。
寂しいと言えばいいのか。
上手い言葉が見つからないが、深く深く「落ちてしまった」ことだけは自覚している。

五感が正常に働かない。
心と身体が鉛のように重たくて、押し潰されそうだ。
その上、
全身の倦怠感・脱力感がハンパじゃない。

まるで脱け殻だ。
魂が身体から抜け出してしまったかのようだ。

こんな日は、
会社をサボって朝から酒を飲んでいたい。
あらゆる責任から解放されて、自宅にこもって泥酔していたい。

だが、そんな想いを振り払い、スーツに着替えて出勤した。

・・・

そんな日に限って会社で問題が起きてしまう。
関係者たちから情報を集め、問題の全体像を把握して、部下たちにも奔走してもらい、混乱した事態を収拾する。
それだけで丸一日かかってしまった。

わずかなエネルギーを無理やり絞り出し、
目の前の現実に集中した。
仕事に追われている間、
俺は悪夢のことを忘れていた。

・・・

仕事が終わって帰宅した。
かみさんに夜のお供えをした。

だが、その後はまったく動けない。
シャワーを浴びる気力もない。
エネルギーはすっかり枯渇していた。

真っ暗な部屋の中でボンヤリしていると、
未明に悪夢を見たことを思い出した。
そして俺は、
かみさんの遺影を見つめた。

なぜだか無性に悲しくて、
俺は泣いてしまった。
自分でもバカみたいだと思うけど、涙が溢れて仕方がなかった。


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