かみさんの心臓が止まった瞬間。
俺の中の大切な何かが欠落してしまった。
俺の中に、
大きな穴が空いてしまった。

その穴は、
いまだに塞がる気配もなく、今でも確かに俺の中に存在している。
その欠落は、血を流し、涙を流し、悲しみを垂れ流し、腐臭を放ちながら、俺の中に在る。

ふとした時に、
その穴はズキリと痛む。
左手の薬指に指輪をはめている人を見たとき…
笑顔で寄り添う家族づれを目にしたとき…
誰かが自分の家族について、幸せそうに語るのを聞いているとき…

欠落は自分の存在を誇示し、否応なしに、俺の意識を引き付ける。
その瞬間、俺は動揺し、心と身体が凍りつく。

それでも俺は、
平静を装う。
それでも俺は、みんなと一緒に笑っている。

周囲の人々を心配させないように。
周囲の人々に気を使わせないように。
周囲の人々に鬱陶しがられないように。

でも。
本当はとても悲しいんだ。
本当はとても寂しいんだ。
本当はとっても悔しいんだ。

心は哭いているくせに、
顔では笑っている。
まるでピエロみたいだ。

そんな滑稽な俺の内面を知っているのは、世界でただ一人。
俺だけだ。

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