連休が近づいている。
世間では「シルバーウィーク」
と呼ばれているらしい。
シルバーと言うくらいだから、きっと「
きらびやか」なのだろう。

世界の大半を占める幸せな人々は、
今頃きっと、浮き足立っている。
周囲の世界は華やかで、
軽やかな空気に満たされている。

俺のような、世界の「周縁」
に排除された者が、幸せな人々の集う世界の「中心」に踏み込んでも大丈夫だろうか。
俺が世界の「中心」
に触れた瞬間、華やかな空気が俺の心臓に突き刺さり、俺の皮膚を切り裂くに違いない。

それでも俺は、何かをしよう。
かみさんの墓参りに行ってみよう。
かみさんにたくさんのお供えをしてあげよう。
洗濯もしなければならないし、掃除だってしなければならない。

だが。
それ以外にいったい何がある?

やりたいことなんて、
何にもないじゃないか。
やらなきゃならないことも、
何にもないじゃないか。

哀しくて、
あまりにも寂しい連休がやってくる。
虚しくて、退屈で、
吐き出したくなるような連休がやってくる。

やっぱりいつもの通り、強い酒を飲み、
酔いつぶれてしまう以外に術がない。

・・・

昨日の昼飯時。
部下の一人から、「課長は連休、どうすんですか?」と聞かれた。
俺は正直に、「かみさんの墓参りに行く」と答えた。

その瞬間、
場の空気が凍りついてしまった。
その答えによって、俺が「
妻に先立たれた男」であることを、部下たちに再認識させてしまったのだ。

世間から見れば、俺は「
腫れ物」だ。
触れない方がいいのだ。
俺も触れられたくはない。

だから俺は、自宅に引きこもる。
酒を飲んで、引きこもる。

世間の明るい空気には触れない方がいい。
触れてしまったら痛いだけだ。

痛いのは嫌いだ。


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