静かだ。
真っ暗だ。
そして、とても寒い。

マンションという住環境のせいだろうか。
人の気配を感じない。
隣人の生活音さえ聞こえてこない。

本当に独りぼっちなんだなぁ…
と思う。
寂しいなぁ…と思う。

澱んだ冷たい空気がまとわりついて、俺の肌を切り刻む。
重圧に耐えられない。
孤独に耐えられない。

せめて一筋でいい。
光が欲しい。

俺は光を求めて心を研ぎ澄ませる。
すると、
かみさんの視線を感じるような気がする。

だが、それは多分、
幻覚にすぎない。
やっぱり俺は、独りぼっちなんだろう。

・・・

独りぼっちに耐えられない。
それなら駅前にでも出てみようか…
と思う。

だが、休日の豊洲という街は、
夫婦づれや家族づればっかりだ。
家族と一緒の人々を優しく包み込む一方で、独りぼっちの奴を排除する。
豊洲というのは、そういう街だ。

独りぼっちの俺には居場所が無い。
やはり自宅に引きこもっている方がいい。

・・・

ここ数日。
毎晩かみさんの夢を見る。

どんなストーリーの夢だったのか。
ボンヤリとしか覚えていない。

だが、
かみさんと俺が寄り添っていたことだけは記憶している。
かみさんが俺の傍らにいてくれたことだけは覚えている。

夢を見ている間、俺は深
い安らぎの中にいた。
目覚めた直後も、
穏やかな気持ちの中にいた。
俺の中に、
微かな幸福感が満ちていた。

やっぱり俺は、
かみさんのことが大好きなんだな…と想った。

・・・

目覚めていても、退屈なだけだ。
退屈と言うよりも虚しいのだ。

俺は何をやっているんだ?
俺は何がしたいんだ?

俺は何のために生きているんだ?
俺はなぜ死なないんだ?

バカバカしい。
くだらない。

生きたい人が生きられず、
死んでもいい奴が生きている。
この世界は本当に不条理だ。

俺はこの世界が大嫌いだ。

こんな時は眠ってしまうに限る。
睡眠薬を飲んで寝てしまおう。

現実から目を背け、
すべてを否定する。
すべてを拒絶して、現実から逃避する。

そうすれば、そして俺は偽物の幸福感を得ることができるだろう。
たとえ偽物であろうとも、過酷な現実よりはマシなんだ。

にほんブログ村 家族ブログ 死別へ
←いつもありがとうございます。ポチっとクリックお願いします。
にほんブログ村