神なんていないとは思うけど…
もしも神がいるのなら、
それはとても残忍で、冷酷なんだろう。
それはとても嗜虐的で、
猟奇的なんだろう。

人が苦しみ、人が喘ぎ、人が哭いている。
それを嗤いながら見物しているのが神だ。

神と名乗る奴は、
いつだって悪魔なんだ。

・・・

かみさんがすべてを与えてくれた…
というのは言い過ぎかもしれない。
だが、
かみさんと出会わなければ、俺はとっくの昔に「この世」にいなかったはずだ。

かみさんが俺を支えてくれた。
かみさんの笑顔が、俺に希望を与えてくれた。

俺は神と闘う力を得たのだ。
何も持たずに産まれたはずだった。
それなのに、かみさんは俺の欠落を埋めてくれた。
力を得た俺は、
奪われたものを奪い返すために闘い始めた。

そして、
ようやく神に勝つことができたのだ。

かみさんは俺のすべてだった。
かみさんがいたから闘えた。
かみさんのために闘おうと思うことができた。

俺は残酷な神に勝った…と思っていた。

だが、
神は俺の勝利を許さなかった。
何がなんでも俺を潰したかったのだろう。
俺が悲鳴をあげ、
泣き叫び、苦痛に喘ぐのを見たかったのだろう。
俺の笑顔が気に入らなかったのだろう。

神は人間の不幸な姿が見たいのだ。
不幸な方が面白いからだ。

そして神は、俺から「すべて」を奪い去った。
俺は哭いた。
俺は叫んだ。

さぞ面白かったことだろう。

だが、まだ物足りない。
神はよほど退屈しているのだろう。
退屈しのぎがしたい。

もっと泣き叫ぶ姿が見たい。
もっと悲しむ姿が見たい。

そして神は、「すべて」を失ったはずの俺から、
さらに奪い取った。

神が嗤っている。
悲しみ、嘆き、
苦しむ俺を見て嗤っている。

そして俺は、すべてを諦めたんだ。
敗北者であることを受け入れて、嘆き続けることを受け入れたんだ。

神は楽しかろう。
そして面白かろう。

苦痛に歪む人々の顔を眺める。
それは神の悦楽であり、道楽だ。

敗北者として産まれ、
敗北者として生き、敗北者として死んでいく。
そんな奴がいなければ、神も退屈してしまうんだろう。

にほんブログ村 家族ブログ 死別へ
←いつもありがとうございます。ポチっとクリックお願いします。
にほんブログ村