とてもゆっくりではある。
しかし、その歩みは着実だ。
次第に自分の心と身体が弱っていくのが分かる。

とりわけ気分や体調の悪い日には、「死」を身近に感じる。

それは決して陰惨なものではないし、恐怖の対象でもない。
むしろ甘美で柔らかい何ものかなのだ。

自分の最愛の人の死を経験した者たちにとって、「死」は忌避する必要のないものなのかもしれない。
むしろ、「死」の向こう側にこそ、遺族たちの還れる場所、還りたい場所、還るべき場所があるのかもしれない。

・・・

身近に感じるのは「死そのもの」だけではない。
俺にとって大切だった「死者たち」をも身近に感じる。

祖父母が死んで、義父(かみさんの親父さん)が死んで、元上司が死んで、お世話になった先輩が死んで、戦友が死んだ。

そして…
かみさんが死んじゃった。

俺の心身が弱っているとき、「死者たち」と過ごした日々の記憶がリアルによみがえり、俺は哀しみつつも、彼らや彼女らを身近に感じる。

そして俺は想うんだ。

ずいぶん長い間、会っていないけど…
今ごろ、どうしているんだろう…

次の瞬間、俺は愕然とする。

俺はいったい何を考えているんだ?
今ごろ、どうしているんだろう…って、どういう意味なんだ?

何故そんなことを想うのか。
俺自身にも分からない。

でも…
ひょっとしたら…

今は会えないけれど、俺が還るべきところに還ったときに、そこに”みんな”はいるのかもしれない。
見ることはできないし、触れることもできないけれど、「死者たち」は意外に近くにいるのかもしれない。

何の確信があるわけでもないけれど、「死」の向こう側には、永遠の安息があるのかもしれない…と想うのだ。


にほんブログ村 家族ブログ 死別へ

にほんブログ村← いつもありがとうございます。ポチッとクリックお願いします。