閉鎖された薄暗い空間の中にいる。
空虚でカラッポな時間がゆっくり流れていく。

すべてが静止している。
周囲の空気でさえ動きを止めてしまったかのようだ。

人の気配がない。
本当の独りぼっちだ。

寂しいのとは、
ちょっと違う。
虚しいのだ。
あんまりにも虚しいのだ。

アイデンティティが溶けていく。
気が狂いそうだ。

俺は誰だ?
何故、今ここにいるんだ?

俺はどうして生きているんだ?
何のために生きているんだ?

閉塞感に耐えられない。
心が潰れてしまいそうだ。
鉛を飲み込んだみたいだ。

明晰な意識が疎ましい。
そんな時は、
意識をボンヤリさせてしまうに限る。

だから俺は、酒を飲む。
酔ってしまえば心と身体が弛緩して、虚しさや閉塞感を忘れることができる。

さらに酔いが回ってくれば、しばしの間、
眠りに落ちることもできる。
せいぜい1時間半ほどではあるが、
過酷な現実から逃避することができる。

だが…
目覚めれば、
再び閉塞感と虚しさに襲われる。

・・・

俺は「意識のない状態」
が好きだ。

眠りでもいい。
気絶でもいい。
昏睡でもいい。

痛みもなく、哀しみも虚しさもなく、
あらゆる苦しみから解放されてみたい。
死ぬまでずっと、「
意識のない状態」で過ごしたい

でも。
そんな願いは絶対にかなわないことを、俺は知っている。
心の底から願うほど、その願いは無視されて、嘲笑されることを知っている。

もしも願いがかなうなら、
かみさんは今でも俺の横で笑っていたはずだからだ。

どうでもいい願いはかなうけど、
全身全霊で願ったことはかなわない。
それが世界の本質だ。

世界はどこまでも残酷なんだ。

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