夫婦っていうのは良いものだ。
少なくとも、俺にとっては良いものだった。

世の中には、配偶者が死んでも悲しくないと言う人々は少なくない。
俺の周囲にも、奥さんが死んでも平気だと言う人たちがいる。
また、旦那が死んだら精々すると言う人たちもいる。

配偶者だからと言って、「伴侶」だとは限らないということだろう。

そういう夫婦は、どんな思いで一緒に暮らしているのだろうか。
まったく俺には分からない。

俺にとって、かみさんは妻であるとともに、母でもあり、娘でもあったからだ。
また、姉でもあって、妹でもあって、最高の親友でもあったからだ。

そうだ。
かみさんは俺の「伴侶」だったからだ。
かみさんは俺の「すべて」だったからだ。

ふと目が合えば、お互い自然と笑顔になってしまう。
一緒にいれば、心は踊り、訳もないのに愉快になってしまう。
こんなに幸せなことはない。

闘病中のかみさんが言っていた。

これからもずっと一緒にいてね…

そうだ。
何が無くても幸せなのだ。
一緒にいられるなら、それだけで幸せなのだ。

夫婦っていうのは良いものだ…ということは、かみさんが俺に教えてくれたのだ。

・・・

会社が繁忙期にあるせいか、俺はストレスを溜め込んでいる。
精神的に追い詰められているようなのだ。

おかげで連日、嫌な夢を見てしまう。
仕事にまつわる夢ばっかりだ。
眠りの中にさえ安息は無い。

9月20日のこと。
また仕事に追われている夢を見た。
そして、午前5時前には目が覚めてしまった。

毎朝の重たい抑鬱。
それに加えて、何とも表現しがたい不快な気分だった。

もう何もかもが嫌だ…と思った。

俺はふと、かみさんの写真を見た。
かみさんは微笑んでいた。

その微笑みを見た瞬間だった。
俺の中の不快な気分が溶けていった。

かみさんがいれば、辛いことにも耐えられる。
かみさんがいれば、苦しいことにも耐えられる。

俺は想った。
やっぱり夫婦っていうのは良いものだ…と想ったのだ。


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