一昨日の9月23日は「秋分の日」だった。
秋分の日といえば、お彼岸の「お中日」でもある。
今年も例年どおり、菩提寺で「秋季彼岸会法要」が行われた。

秋だというのに東京はクソ暑かった。
最高気温は30度に達していた。
例年であれば、俺はスーツで法要に参列するのだが、今回は半袖のYシャツにさせてもらった。

いつもは自宅から菩提寺までタクシーに乗って行く。
しかし、タクシーに乗ったら吐いてしまいそうだった。
早朝6時前に目が覚めてしまったため、出発直前までウィスキーを飲んで、時間を潰していたからだ。
すっかり酔っぱらってしまった俺は、タクシーを避けて、酔いを冷ますために地下鉄を乗り継いで行くことにした。

駅の周囲や構内、あるいは地下鉄の中で、黒づくめの家族づれを見かけた。
きっと墓参りに行くのだろう。

このクソ暑いのに、みなさんジャケットを着ていた。
俺だけが半袖の真っ白なYシャツだった。

少しばかり恥ずかしくなってしまった。

黒づくめの家族づれを見かけた…と書いた。
だが、その数はわずかでしかない。

実際に見る街中は、どこかに遊びに行く夫婦や恋人どうし、あるいは子供をつれた家族で溢れている。
黒づくめで墓参りに行く人々は、圧倒的な少数派だ。

せっかくの連休だ。
家族そろって遊びに行くのが普通だろう。

・・

墓参りだって、家族みんなで行くのが普通だ。
ひとりぼっちで墓参りに来る奴なんて、ほとんどいないのだ。
菩提寺の墓地を見回してみたが、ひとりぼっちは俺だけだった。

俺は墓地を出て、駅に向かって歩いていった。
楽しそうな笑顔を浮かべ、家族づれが街に溢れていた。

その中を、抹香くさい俺がひとりぼっちで歩いている。
法要の際に焚かれた線香の匂いが、俺のYシャツに染みついていたのだ。

淋しい。
そして、とても惨めだ。

人で溢れる街の中。
俺は明らかに浮いた存在だった。


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