最近、感染症に罹りやすくなっている。
どうやら免疫力が落ちているらしい。

俺は9月27日から風邪をひいていた。
今年に入って3度目の風邪だ。

咳と鼻水と痰が止まらず苦しかった。
37度8分ほどの熱を出し、全身がダルくて辛かった。
風邪薬のせいか、昼間も眠くて仕方がなかった。

それでも会社を休むことはできず、この10日間ほど本当にしんどかった。
ボンヤリした頭にカフェインを大量にぶち込んで、なんとか仕事はこなしていたが、周囲から見た俺の姿は、まるで廃人のようだったに違いない。

10月8日の朝5時半。
目覚めてみると、昨日までより体調が良いようだ。

まだ風邪が完治したわけではない(鼻水や痰は止まっていないし、どうやら微熱もあるようだ)のだが、多少は身体が軽いように感じられる。
どうせ会社には行かなければならない。
それなら体調が良いのに越したことはないだろう。

俺は布団から出て、かみさんの仏壇の前に座った。

・・・

キッチンで「お供え」の支度をしていた。
すると、何故だか無性に淋しくなってしまった。

かみさんの仏前に座って「お供え」をしていた。
すると、何故だか無性に哀しくなってしまった。

涙がジワリと噴き出して、俺は嗚咽を漏らしてしまった。
かみさんを想って泣いたのは、久しぶりだった(ような気がする)。

そして俺は気がついた。
先に逝った人を想うにも、先に逝った人のために涙を流すにも、ある程度のエネルギーが必要なのだ。
わずかでも健康で、わずかでもエネルギーが残されていない限り、大切な人の死を悼むことさえできないのだ。

風邪をひいて以来、俺のエネルギーは風邪を治すことに費やされていた。
その間、俺の中にあったのは、かみさんを亡くした哀しみや淋しさではなかった。
この世界の不条理と、悪意に満ちた人間たちに対する強烈な憎しみや怒りが、俺の中で蠢いていた。

この数日間を振り返り、俺は思った。
真っ黒な感情に支配されたとき、人間は最愛の人を想う余裕さえ無くしてしまうのかもしれない…と思ったのだ。


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