俺にだって、大切な人はいる。
義母、二人の義弟。
大学生時代の友人たち。
つらい仕事を一緒にくぐり抜けてきた会社の同僚たち。

みんな、
俺にとって大切な人たちだ。

だが、かみさんと彼ら・
彼女らとでは決定的に違う。
彼ら・彼女らが死んだとしても、
俺の世界が崩れたりはしない。
彼ら・
彼女らが死んだら悲しいだろうが、後を追いたいなんて思うこともない。

かみさんだけだ。
かみさんだけは別なのだ。

俺と溶け合い、お互いの心、
お互いの身体、お互いの人生にとって決して欠くことはできないもの。
俺に生きる喜びを与えてくれるもの。

それは、
かみさんだけなのだ。

・・・

かみさんは死んじゃった。
俺を優しく包んでくれていた世界は崩壊してしまった。

今はもう、
生きることへの執着もない。
お迎えが来るのを待つだけだ。

・・・

俺にはもう、愛する人がいない。
この世界のどこを探しても、
俺の愛する人はいない。

大切な人はいるが、それは「愛する人」
とは違うような気がする。
かみさん亡き今、
俺は誰のことも愛していない。

その事実が、
俺に罪悪感を抱かせる。
誰も愛していないような奴が生きている。

そのことが、俺に罪の意識を抱かせる。

・・・

俺の愛する人は、
あの世にいる。
あの世があるのかどうかは知らないが、もしもあるのなら、
俺の愛する人はそこにいる。

俺もいつの日か、そこへ逝こう。
そしてまた、
あの優しい日々を取り戻すんだ。

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